※本記事は、行政書士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
ご依頼の経緯
ご相談者様は長年会社員として勤務されていましたが、以前から「自分のお店を持ちたい」という夢を持っておられました。休日には全国各地のバーを巡り、接客や店舗づくりを研究されるほどバーという業態に強い思い入れがあり、40代を迎えたことをきっかけに独立を決意されました。
物件探しを進める中で、茨木市内の駅から徒歩数分のテナントに出会い、カウンター中心の落ち着いたバーを開業する計画を立てられました。深夜まで営業する予定であったため、インターネットで調べるうちに「飲食店営業許可だけでは営業できない場合がある」「深夜営業には警察への届出が必要らしい」という情報を見つけたものの、自分の店舗がどの制度に該当するのか判断できず、不安を感じられていました。
また、物件契約前であったため、この物件で本当にバーを営業できるのか、用途地域に問題はないか、居抜き店舗をそのまま利用できるのか、厨房設備は保健所の基準を満たしているのかなど、多くの疑問を抱えておられました。
開業予定日まで約2か月しかなく、ご自身で役所や警察へ何度も足を運ぶ時間がないことから、バー開業に必要な手続きをまとめて依頼したいとのことで、当事務所へご相談いただきました。
初回面談では、店舗コンセプトや営業時間、提供予定メニュー、酒類の種類、接客方法などを詳しくヒアリングし、必要となる手続きを整理しました。その結果、飲食店営業許可の取得に加え、深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要となる営業形態であることをご説明し、物件契約前からサポートを開始しました。
担当行政書士のコメント
バーを開業する際は、店舗を契約してから相談される方も少なくありません。しかし、物件によっては営業できないケースや、大幅な改修工事が必要となるケースもあるため、契約前から専門家へ相談することが重要です。
今回もまず用途地域を確認し、バーの営業が可能な地域であることを調査しました。続いて店舗図面を確認し、保健所が求める厨房設備や手洗い設備、シンク、換気設備などの基準を満たしているかをチェックしました。居抜き店舗ではありましたが、一部設備については改善が必要であることが判明したため、内装業者と打ち合わせを行い、営業許可基準を満たす内容へ変更しました。
その後、飲食店営業許可申請に必要な図面を作成し、保健所との事前相談を実施しました。厨房内の設備配置だけでなく、客席との動線や衛生管理の方法についても確認を行い、検査当日に指摘事項が出ないよう細部まで調整しました。
一方、今回の店舗は午前0時以降も酒類を中心として営業するバーであったため、風営法に基づく深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要でした。深夜酒類提供飲食店営業開始届は営業開始日の10日前までに提出する必要があり、図面や営業方法書など多数の添付書類が必要となります。
警察へ提出する図面については、客席、カウンター、厨房、出入口、照明設備、音響設備、トイレなどを正確に記載する必要があります。営業方法書についても営業時間、提供方法、従業員数、営業内容などを正確に記載しなければならず、不備があると修正が必要になります。
当事務所では現地調査を実施し、実際に店舗の寸法を測定した上で警察提出用図面を作成しました。営業内容についても、お客様と何度も打ち合わせを重ね、接待行為に該当しない営業形態であることを整理しました。
また、バーではダーツやカラオケを設置するケースがありますが、営業方法によって必要となる手続きが変わることもあります。そのため、開業後の営業スタイルまで確認し、将来的なトラブルを防げるよう助言を行いました。
さらに、開業スケジュールについても細かく管理しました。内装工事、保健所検査、警察への届出、酒類の仕入れ、備品搬入、レセプションの日程を一覧化し、それぞれの期限を逆算して準備を進めました。
保健所の検査では設備に関する指摘は一切なく、その場で営業許可取得の見込みとなりました。その後、警察へ深夜酒類提供飲食店営業開始届を提出し、予定どおり開業日を迎えることができました。
現在では仕事帰りの会社員を中心に多くのお客様が来店され、落ち着いた雰囲気のバーとして地域に定着しています。口コミによる新規来店も増え、開業当初の目標売上を上回る営業を続けておられます。
お客様の声
バーを開業することは長年の夢でしたが、実際に準備を始めてみると想像以上に手続きが多く、何から始めればよいのか全く分かりませんでした。インターネットで調べても情報がたくさんあり、自分のお店に何が必要なのか判断できず、とても不安だったことを覚えています。
行政書士の先生へ相談してからは、最初に全体の流れを分かりやすく説明していただき、自分が今何をすればいいのかが明確になりました。物件契約前の確認から始まり、保健所や警察への手続き、図面作成、営業方法の確認まで全てサポートしていただけたので、本業を続けながらでも安心して準備を進めることができました。
特に印象に残っているのは、現地まで来て細かく店舗を確認していただいたことです。自分では気付かなかった設備の問題点や改善方法をその場で教えていただき、工事前に対応できたことで余計な費用もかからずに済みました。図面も非常に丁寧に作成していただき、保健所や警察で何度も修正になるのではないかと心配していましたが、そのようなこともなくスムーズに進みました。
開業日まで時間があまりありませんでしたが、スケジュール管理もしていただけたので、焦ることなく準備できました。無事にオープンした初日は本当に感動し、お客様がカウンターで楽しそうに過ごしている姿を見たときは、夢が現実になったことを実感しました。
現在では常連のお客様も少しずつ増え、地域の皆様にも支えられながら営業を続けています。もし自分一人で手続きをしていたら、開業日までに間に合わなかったと思います。最初から最後まで丁寧にサポートしていただき、本当に感謝しています。今後2店舗目を出店する際も、ぜひお願いしたいと思っています。
