ご相談のきっかけ

豊中市で居酒屋を経営されているS社様からのご相談でした。従業員は約12名で、正社員が3名、アルバイトが9名。学生やフリーターの方が多く、シフト制で営業されています。
開店当初は人数も少なく、細かいルールがなくても回っていたそうです。ところが従業員が増えるにつれ、遅刻や当日欠勤、シフト変更、SNSへの店舗情報の投稿、副業などについて「どう対応すればいいのか」と迷う場面が増えてきました。
これまではその都度、口頭で注意して対応してきたとのこと。しかし店長によって言うことが違い、ある従業員から「ルールが分かりにくい」と言われたことが大きなきっかけになったそうです。
「このままでは現場が混乱してしまう」という危機感から、飲食店の労務に詳しい社労士に相談しようと考えられ、当事務所にご連絡をいただきました。
状況の整理(タイムライン)
まず初回のご相談で、現在の勤務形態や店舗の運用実態をひとつずつ確認していきました。シフトの組み方や欠勤時の連絡ルール、有給休暇の運用など、現場でどう回っているのかを丁寧にヒアリングしました。
そのうえで、飲食店で特に問題になりやすい項目を洗い出しました。遅刻・欠勤・シフト変更、有給休暇、副業・兼業、SNS利用、制服や貸与物、服務規律、懲戒、退職など、論点は多岐にわたります。
S社様は従業員が常時10人以上に該当するため、就業規則の作成だけでなく、労働基準監督署への届出も必要になる状況でした。この点も含めて、必要な手続きの全体像を最初に整理してお伝えしました。
当事務所の対応

就業規則というと「インターネットにあるひな形を使えばいいのでは」と考える方は少なくありません。ですが飲食店の場合、それでは現場に合わず、かえってトラブルの火種になることがあります。今回はまず、この点をご説明することから始めました。
たとえばシフト制の居酒屋では、遅刻や当日欠勤への対応、シフト変更の申し出ルールが日常的な論点になります。ここが曖昧だと、店長ごとに判断が分かれ、従業員から「人によって言うことが違う」と受け取られてしまいます。今回のご相談の出発点も、まさにここでした。
そこで、実際の店舗運営に合わせて条文を組み立てていきました。ひな形をそのまま流用するのではなく、S社様のシフト運用や連絡方法、アルバイト中心という人員構成を前提に、遅刻・欠勤・シフト変更の取り扱いを具体的に定めました。
SNS利用についても項目を設けました。飲食店では、店舗情報やお客様の様子が投稿されてしまうことがあり、対応を誤ると信用にかかわります。何が禁止で、違反した場合にどうなるのかを明文化し、判断の基準がぶれないようにしました。
副業・兼業についても、学生やフリーターの方が多い店舗の実情をふまえて整理しました。頭ごなしに禁止するのではなく、どこまで認め、どんな場合に問題になるのかを規定に落とし込むことで、現場が運用しやすい形をめざしました。
あわせて、有給休暇、制服や貸与物、服務規律、懲戒、退職といった、飲食店で問題になりやすい項目もひととおり盛り込みました。いざというときに「規則にこう書いてある」と示せる状態にしておくことが、現場の負担を減らすうえで大切だからです。
そして就業規則は作って終わりではありません。従業員に内容が伝わっていなければ、意味が半減してしまいます。そこで、従業員への周知の方法もあわせてご提案し、現場で実際に使える形に整えました。最後に、常時10人以上の労働者を使用する事業場に該当するため、労働基準監督署への届出まで当事務所で対応しました。
結果

店舗運営の実情に沿った就業規則が完成し、労働基準監督署への届出まで完了しました。これまで問題が起きるたびにその場でルールを決めていた状態から、判断のよりどころとなる基準ができました。
店長によって対応が違うという状況も、規則という共通の基準ができたことで整理されやすくなりました。従業員への説明や指導の際にも「ルールにこう定めている」と根拠を示せるようになっています。
担当者社労士からのひとこと
飲食店の就業規則づくりでは、条文の体裁を整えること以上に「現場でどう運用するか」が大切だと考えています。シフトやSNS、副業など、飲食店ならではの論点はひな形では拾いきれません。
当事務所は飲食業界の現場を知る立場から、実際に使える就業規則づくりをお手伝いしています。整備を迷われている方は、初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
