ご依頼の経緯
お客様は、大阪市内で居酒屋を中心に複数の飲食店を経営されていました。創業当初は従業員数も少なく、社長様が直接スタッフへ指示を出していたため、細かな社内ルールを定めなくても大きな問題はありませんでした。
しかし、店舗数と従業員数が増えるにつれて、社長様がすべての勤務状況を確認することが難しくなり、各店舗の店長へ従業員管理を任せるようになりました。その結果、遅刻や欠勤への対応、シフト変更の認め方、勤務中のスマートフォン利用、まかないの取扱いなどについて、店舗ごとに異なる運用が行われるようになりました。
同じ程度の遅刻でも、ある店舗では口頭注意だけで済み、別の店舗では厳しく指導されるなど、従業員から対応が不公平だという不満も出始めていました。また、アルバイト同士が店長の承認を得ずに勤務を交代したり、タイムカードを打刻した後に閉店作業を続けたりするケースもあり、労働時間の管理にも不安がありました。
さらに、退職した従業員が店舗内で撮影した写真や、会社への不満をSNSへ投稿する問題も発生しました。投稿には店舗のバックヤードや他の従業員が写り込んでいましたが、既存の就業規則にはSNS利用や情報漏えいに関する具体的な定めがありませんでした。
社長様は、今後さらに店舗を増やし、採用を強化する予定でしたが、この状態のままでは無断欠勤、未払い残業代、ハラスメント、情報漏えい、金銭トラブルなどが起きた際に、会社として適切に対応できないのではないかと不安を感じていました。
既存の就業規則は以前にインターネット上の無料ひな形を参考に作成したもので、実際にはほとんど使用されていませんでした。社長様からは、単に労働基準監督署へ届け出るための形式的な就業規則ではなく、実際の店舗運営で使え、従業員とのトラブルを予防できる内容にしてほしいとのご希望があり、当事務所へ就業規則作成代行をご依頼いただきました。
担当社会保険労務士のコメント
飲食業では、正社員、アルバイト、パート、学生スタッフなど、雇用形態や勤務時間が異なる従業員がシフト制で働くため、労務管理が複雑になりやすい傾向があります。
営業時間が長い店舗では、深夜勤務や閉店後の片付けが発生しやすく、タイムカードを打刻した後に作業を続けていると、未払い残業代の問題につながる可能性があります。また、急な欠勤や従業員同士のシフト交代、まかない、制服、衛生管理、顧客対応、SNS投稿など、飲食店ならではの問題も少なくありません。
インターネット上の就業規則のひな形は、一般的な条文を確認するためには便利ですが、それだけで実際の店舗運営に対応できるとは限りません。会社のルールと就業規則の内容が一致していなければ、従業員とのトラブルが起きた際に、会社側が十分な説明をできなくなることもあります。
特に注意が必要なのは、就業規則を作成すれば、問題のある従業員を自由に処分できるようになるわけではないという点です。重要なのは、どのような行為を禁止し、問題が起きた場合にどのような手順で注意や指導を行うのかをあらかじめ明確にしておくことです。
今回の会社様については、シフト勤務、遅刻や欠勤の連絡方法、労働時間の記録、SNS利用、秘密保持、レジ金や店舗商品の取扱い、ハラスメント、無断欠勤など、実際に店舗で起こりやすい問題を中心に内容を整備しました。
就業規則は、会社を一方的に守るためのものではありません。社長、店長、従業員が同じルールを確認できる状態をつくり、店長ごとに対応が異なることを防ぐための基準でもあります。
従業員が増えてから慌てて作成するよりも、店舗数や採用人数が増える前にルールを整備しておくことで、将来の労務トラブルを防ぎやすくなります。大阪市で飲食店を経営しており、シフト管理、遅刻、無断欠勤、残業、SNS、従業員対応などに不安がある場合は、問題が発生する前に就業規則を見直すことが重要です。
当事務所では、現在の店舗運営や会社の考え方を丁寧に確認し、インターネット上のひな形をそのまま使用するのではなく、それぞれの飲食店に合わせた就業規則を作成しています。作成後も実際に運用できる内容となるよう、社長様や店長が注意すべき点について分かりやすくご説明しています。
お客様の声
店舗数と従業員数が増えてから、今まで問題にならなかったことが少しずつトラブルになるようになりました。特に、遅刻や急な欠勤、従業員同士のシフト交代について、店舗ごとに店長の判断が違っており、スタッフから不公平だと言われることがありました。
就業規則自体は以前からありましたが、インターネット上のひな形を参考に作っただけで、正直なところ内容をきちんと理解していませんでした。何か問題があったときに会社を守ってくれるものだと思っていましたが、実際の店舗運営とは合っておらず、ほとんど使えていない状態でした。
今回相談した際には、単に従業員数や勤務時間を聞かれるだけではなく、シフトの作り方、欠勤時の連絡方法、閉店後の片付け、タイムカード、まかない、制服、SNS、レジ金、店長の指導方法など、飲食店の細かな運用まで確認していただきました。
自分では就業規則と関係がないと思っていたことでも、将来の従業員トラブルを防ぐためにはルールとして決めておく必要があると分かりました。特に、タイムカードを打刻した後に片付けをしていたことや、アルバイト同士で勝手に勤務を交代していたことは、放置すると会社にとって大きなリスクになると説明していただき、すぐに運用を見直しました。
完成した就業規則についても、難しい条文だけを渡されるのではなく、なぜこの規定が必要なのか、実際に問題が起きたときはどのように対応すればよいのかまで分かりやすく説明していただきました。
新しい就業規則を店長にも共有したことで、これまで店長個人の判断に任せていた部分が減り、全店舗で同じルールに沿って対応できるようになりました。従業員へ説明する際にも、会社として決めたルールを示せるため、以前より納得してもらいやすくなったと感じています。
SNSや店舗内での撮影についても、採用時から明確に説明できるようになり、退職後の情報漏えいに対する不安も減りました。労働時間の管理方法を見直したことで、未払い残業代のリスクを減らすだけでなく、どの時間帯に人員が不足しているのかも把握しやすくなりました。
就業規則は従業員がもっと増えてから作ればよいと思っていましたが、問題が起きる前に整備しておくべきだったと思います。ルールが明確になったことで、社長だけでなく店長も従業員も働きやすくなりました。
大阪市で飲食店を経営しており、シフト、遅刻、欠勤、残業、SNS、従業員対応などに悩んでいる会社には、早めに就業規則の作成や見直しを相談することをおすすめします。自社の店舗運営に合った内容を作成していただけたので、今回お願いして本当によかったです。
