事例の背景
ご相談くださったのは、飲食店を経営するK様です。開業当初は少人数で回していたお店も、繁盛にともなって従業員が増えていきました。うれしい悩みではあるのですが、人が増えるほど労務の悩みも増えていったそうです。
アルバイトの退職対応、勤務態度が気になるスタッフへの注意の仕方、有給休暇の取り扱いなど、判断に迷う場面が次々に出てきました。その都度インターネットで調べても、サイトによって書いてある内容がバラバラです。
とくに悩ましかったのが、問題のある従業員への対応でした。「強く注意するとハラスメントになるのでは」という不安と、「放っておけば他のスタッフの士気が下がる」という現実。この板挟みの中で、確信を持てないまま判断を下す日々が続いていたといいます。
問題が起きるたびに相談先を探すのではなく、自社の状況を分かったうえでいつでも相談できる相手がほしい。そう考えるようになり、K様は継続的に付き合える社労士を探し始め、当事務所にご相談いただきました。
当事務所からのご提案
まずお伝えしたのは、労務の悩みは「起きてから慌てて調べる」よりも「起きる前に相談できる」体制のほうが、結果的に会社を守れるということです。K様のように従業員が増えていく段階では、日常的な判断の積み重ねが後々のトラブルの有無を大きく左右します。
そこでご提案したのが、労務顧問契約です。単発の相談ではなく、採用・退職・シフト・問題社員対応・有給休暇・ハラスメントなど、飲食店で毎月のように発生する判断を、継続してサポートする形です。
なぜ顧問契約をおすすめしたのか。理由は、労務の相談は「その場の答え」だけでは足りないことが多いからです。同じ注意指導でも、そのお店の雰囲気やスタッフの状況、過去の経緯によって適切な伝え方は変わります。会社の背景を継続的に把握している相手だからこそ、実情に合ったアドバイスができるのです。
具体的には、「このスタッフにこう注意して問題ないか」「この退職の進め方で大丈夫か」といった日常の疑問に、電話やLINE、メールなどでタイムリーにお答えする体制を整えました。K様が毎回一から状況を説明しなくても、すぐに本題に入れるのが継続契約の大きな利点です。
とくにハラスメントを恐れて注意ができない、という悩みは多くの経営者が抱えています。ここで大切なのは、正当な業務上の指導とハラスメントは別物だという整理です。伝え方の順序や記録の残し方を押さえておけば、必要な指導は堂々とできます。こうした具体的な進め方を、場面ごとにお伝えしていきました。
また、その場しのぎの対応にならないよう、会社の将来を見据えた助言を心がけました。今回の一件をどう記録し、次に同じことが起きたときにどう活かすか。目の前の問題を解決するだけでなく、同じ悩みを繰り返さない仕組みづくりまでを見据えてサポートしています。飲食業界の現場を理解したうえで、実務に即した提案を続けていくことをお約束しました。
お客様の声
「小さな疑問でも気軽に聞けるようになり、一から説明する手間なくすぐに判断できるのが本当に助かっています」とお話しいただきました。大きなトラブルになる前に手を打てるケースが増え、精神的な負担もかなり軽くなったそうです。もし相談先がないまま自己判断を続けていたら、と考えると不安だったとのこと。「顧問契約は費用ではなく、安心して経営するための投資でした」というお言葉が印象的でした。
