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飲食店で初めてアルバイトを雇うには?必要な手続きと保険を解説【大阪】

  • 投稿:2026年09月05日
飲食店で初めてアルバイトを雇うには?必要な手続きと保険を解説【大阪】

初めてアルバイトを雇う飲食店経営者へ。採用前の書類準備から保険の手続き、勤怠管理、初回の給与支払いまで、必要な対応を順番に解説します。

はじめに:大阪の飲食店で初めてアルバイトを雇う前に知っておきたいこと

はじめに:大阪の飲食店で初めてアルバイトを雇う前に知っておきたいこと

飲食店・居酒屋・バーの開業時や、お客様が増えてきたとき、初めてアルバイトを雇う方もいるでしょう。その際に迷いやすいのが、「どんな書類を用意し、どこで、いつまでに手続きをすればよいのか」という点です。

この記事では、大阪の飲食店経営者に向けて、採用前の準備から初回の給与支払いまでの流れを解説します。労働条件の決め方や書面での明示、各種保険の手続き、勤怠管理、給与計算について、順番に確認できるよう整理しました。

必要な手続きは、法人か個人事業か、雇う人の勤務時間などによって異なります。まずは全体の流れをつかみ、自店で何を準備する必要があるかを確認していきましょう。

初めての採用でも、一つずつ整理すれば大丈夫です。まずは「自分のお店に必要な手続き」と「期限」を一緒に確認していきましょう。

社会保険労務士・行政書士吉本 翼

社会保険労務士・行政書士
吉本 翼

労働条件通知書と雇用契約書|採用が決まったらまず書面を用意する

アルバイトの採用が決まったら、口約束で働き始めてもらうのではなく、まず労働条件を書面で示すことが大切です。ここでは書面の種類や記載すべき項目、作成のタイミングを整理します。

労働条件通知書と雇用契約書の違いと、どちらが必要か

労働条件通知書は、賃金や労働時間などの条件を使用者から労働者へ一方的に「明示」する書面です。労働基準法により、正社員だけでなくアルバイトやパートを雇う際も交付が義務づけられています。

一方の雇用契約書は、使用者と労働者が双方で内容に合意し、署名・押印して取り交わす契約書です。法律上の交付義務があるのは労働条件通知書ですが、後のトラブルを防ぐ観点から、両者を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」を用意する飲食店が多くなっています。

どちらか迷う場合は、明示義務を満たしつつ本人の合意も記録に残せる兼用の書面をおすすめします。1人目のアルバイトから、この書面を必ず用意することを基本にしましょう。

必ず書面で明示すべき項目(労働時間・賃金・休日など)

労働条件通知書では、法律上「必ず書面で明示すべき項目」が定められています。飲食店のシフト勤務では、始業・終業の時刻や休憩、シフトの決め方まで具体的に示しておくと認識のずれを防げます。

主な明示項目は次のとおりです。自店の実態に合わせて漏れなく記載しましょう。

区分明示すべき主な内容
契約期間期間の定めの有無、更新の基準
就業場所・業務働く店舗、担当する仕事の内容
労働時間始業・終業時刻、休憩、シフト制の記載
賃金時給、計算方法、締め日・支払日、支払方法
休日・休暇休日、有給休暇の取り扱い
退職退職・解雇に関する事項

2024年4月からは、就業場所・業務の「変更の範囲」の明示も必要になっています。多店舗展開を予定している飲食店では、勤務店舗が変わる可能性を書面でどう示すか、あらかじめ検討しておくと安心です。

作成のタイミングと最低賃金・残業代の注意点

労働条件の明示は、働き始める前に行うのが原則です。初出勤の当日に慌てて用意するのではなく、採用を決めた段階で書面を準備し、内容を説明したうえで働いてもらいましょう。

時給を決める際は最低賃金を必ず確認します。大阪府の地域別最低賃金は毎年10月ごろに改定されるため、公開時点の金額を大阪労働局の公表資料で確認し、それを下回らない設定にすることが必要です。京都府・兵庫県・奈良県では金額が異なる点にも注意してください。

また、アルバイトであっても1日8時間・週40時間を超えて働けば残業代(割増賃金)が発生します。22時から翌朝5時までの深夜勤務には深夜割増も加わるため、夜間営業の多い居酒屋やバーでは計算方法をあらかじめ決めておきましょう。

労働保険・社会保険の加入要件|「アルバイトだから不要」は誤解

「アルバイトだから保険は関係ない」と考えるのは誤解です。雇用形態ではなく、労働時間や事業形態などの要件に応じて加入義務が生じます。ここでは労災保険・雇用保険・社会保険の順に、飲食店が押さえておくべき要件を整理します。

労災保険:1人でも雇ったら加入が必要|提出先と期限

飲食店では、労働者を1人でも雇えば、法人・個人事業を問わず労災保険の加入手続きが必要です。アルバイトやパートも対象となり、勤務時間や勤務日数の少なさを理由に対象外になることはありません。仕事が原因のケガ・病気や、通勤によるケガなどに対して、必要な給付が行われる制度です。

初めて労働者を雇った場合は、次の手続きを行います。

・労働保険の保険関係成立届
保険関係が成立した日(通常は初めて労働者を雇った日)の翌日から起算して10日以内に、店舗を管轄する労働基準監督署へ提出します。

・概算保険料の申告・納付
保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内に行います。成立届の提出とあわせて準備すると、手続き漏れを防げます。

労災保険料は全額を事業主が負担し、従業員の給与から差し引くことはありません。厨房でのやけどや床での転倒などに備え、最初の1人を雇う段階で手続きを進めましょう。

雇用保険:週20時間以上・31日以上の雇用見込みが基本

雇用保険は、原則として「1週間の所定労働時間が20時間以上」「31日以上引き続き雇用される見込みがある」という2つの要件を満たす従業員が加入対象です。アルバイトやパートという名称や、本人の加入希望の有無にかかわらず、要件を満たせば手続きが必要です。

ただし、昼間学生は原則として対象外です。休学中や夜間・通信制の学生などは、上記の要件を満たすと加入対象になる場合があります。学生を採用するときは、勤務時間だけでなく在学状況も確認しましょう。

「所定労働時間」とは、雇用契約などで定めた通常の勤務時間です。一時的な残業や応援勤務で週20時間を超えたからといって、直ちに加入対象になるわけではありません。ただし、勤務時間を継続的に増やす場合や、契約と実際の勤務状況が異なる状態が続く場合は、加入の必要性を確認してください。

手続きは、店舗を管轄するハローワークで行います。

・雇用保険適用事業所設置届
初めて加入対象者を雇うなど、雇用保険の適用事業所となった場合に、その翌日から起算して10日以内に提出します。すでに設置手続きが済んでいる場合は、採用のたびに提出する必要はありません。

・雇用保険被保険者資格取得届
加入対象となる従業員ごとに、被保険者となった月の翌月10日までに提出します。採用後に勤務条件が変わって加入対象になった場合も、その時点に応じた手続きが必要です。

社会保険(健康保険・厚生年金):法人と個人事業主の違い

健康保険・厚生年金は、まず「店舗が社会保険の適用事業所か」、次に「雇うアルバイトが加入要件を満たすか」を分けて確認します。

法人の飲食店は、原則として強制適用事業所です。社長1人の会社でも、役員報酬を受け取り常勤で働いている場合などは、加入手続きが必要になります。

一方、個人事業の飲食店は、2026年9月時点では、従業員が常時5人以上いても原則として強制適用の対象外です。ただし、従業員の同意など所定の条件を満たし、認可を受けて任意加入することはできます。

社会保険の適用事業所で働くアルバイトは、原則として「1週間の所定労働時間」と「1か月の所定労働日数」の両方が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上であれば加入対象です。この基準を満たす場合は、学生も対象になります。

4分の3基準を満たさなくても、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等では、原則として次のすべてを満たす短時間労働者が加入対象です。

・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8万8,000円以上
・2か月を超えて雇用される見込みがある
・学生ではない(休学中・夜間・通信制などには例外あり)

企業規模は、単純なアルバイトを含む総人数ではなく、所定の方法で数えます。法人の場合は、店舗ごとではなく同じ法人全体で判断します。また、51人未満でも、労使の合意に基づく手続きによって短時間労働者が対象となる場合があります。

なお、月額8万8,000円以上の賃金要件は2026年10月に撤廃予定です。企業規模や個人事業所の適用範囲についても今後の改正があるため、採用時点の制度に沿って確認しましょう。

どこに・いつまでに・何を出すかの提出先まとめ

どこに・いつまでに・何を出すかの提出先まとめ

3つの保険は、提出先も期限も異なります。初めて雇うときは特に混乱しやすいため、下の表で全体像を確認しておきましょう。

保険主な提出先おおよその期限
労災保険労働基準監督署雇用日の翌日から10日以内
雇用保険ハローワーク資格取得届は翌月10日まで
社会保険年金事務所事実発生から5日以内

提出期限は制度改正で変わる可能性があるため、実際の手続きの際は各機関の最新情報を確認してください。期限が短いものもあるため、採用を決めた段階で必要書類を洗い出しておくとスムーズです。

保険ごとに提出先や期限が違います。「何を・どこへ・いつまでに出すか」を整理しておくと、手続き漏れを防ぎやすくなります。

社会保険労務士・行政書士吉本 翼

社会保険労務士・行政書士
吉本 翼

外国人留学生アルバイトを雇うときの在留資格・資格外活動の確認

大阪の飲食店では、外国人留学生をアルバイトとして採用するケースも多くあります。日本人を雇う場合の手続きに加えて、在留資格に関する確認が欠かせません。ここを怠ると、事業主側も罰則の対象になり得るため注意が必要です。

在留カードと資格外活動許可の確認方法

外国人留学生を採用するときは、働き始める前に在留カードの原本を確認します。顔写真と本人を照合し、氏名・在留資格・就労制限の有無・在留期限などを確認しましょう。在留期間の更新等を申請中の場合は、申請受付の記録なども確認し、券面の期限だけで判断しないことが大切です。

在留資格「留学」は教育を受けるための資格であり、飲食店でアルバイトをするには資格外活動許可が必要です。在留カード裏面の「資格外活動許可欄」を確認し、旅券の証印シールや資格外活動許可書がある場合は、その内容もあわせて確認します。許可の有無だけでなく、働ける時間や活動内容の制限まで確認してください。

カードの確認には、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」を活用できます。本人の同意を得てICチップの情報を読み取り、カードの記載内容と照合しましょう。アプリでの確認に加え、顔写真と本人が一致しているか、資格外活動許可の範囲内で働けるかも確認してください。

確認日や許可内容を記録し、必要な範囲でカードの写しを適切に保管しておくと、その後の管理に役立ちます。採用時だけでなく、在留期間の更新時にも新しいカードと資格外活動許可の内容を確認してください。

週28時間ルールと違反時のリスク

資格外活動許可を得た留学生がアルバイトできる時間には上限があります。原則として1週間あたり28時間以内で、これは複数の勤務先を掛け持ちしている場合でも合算で判断されます。

長期休業期間は1日8時間以内まで認められるなど例外もありますが、要件は変更されることがあるため、公開時点の出入国在留管理庁の情報を確認してください。上限を超えると、留学生本人だけでなく、雇用した飲食店側も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

他店との掛け持ち状況は本人からの申告に頼る部分も大きいため、採用時に働き方を丁寧に確認し、誓約書などでシフトを組む際も時間を管理する仕組みを整えておくと安心です。外国人雇用は飲食店特有の人材課題でもあり、就労ビザや在留資格の確認は行政書士などの専門家に相談すると確実です。

勤怠管理と給与計算の基本|初回給与を正しく支払うために

保険や書面の手続きが整ったら、実際に働いてもらいながら勤怠を記録し、初回の給与を計算します。飲食店ならではのシフト制・深夜勤務を踏まえて、基本の流れを押さえましょう。

シフト制の勤怠管理(労働時間・休憩・残業・深夜勤務の記録)

給与を正しく計算する土台になるのが勤怠管理です。シフト表は勤務予定なので、それだけでは実際の労働時間を把握できません。タイムカードや勤怠システムなどを使い、毎日の始業・終業時刻と、実際に取得した休憩時間を記録しましょう。

飲食店では、接客や調理の時間だけでなく、店の指示で行う開店準備や閉店後の片付け・清掃も労働時間に含まれます。打刻前に準備をさせたり、退勤の打刻後に片付けをさせたりしない運用が必要です。

休憩は、実際の労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上を、勤務の途中に与えます。休憩扱いでも、来客や電話にすぐ対応するよう待機を求めている時間は、原則として労働時間です。休憩を取れていないのに、給与計算で一律に差し引くことは避けてください。

居酒屋やバーでは、22時から翌5時までの深夜労働も正確に記録する必要があります。予定したシフトを超えた時間と、法律上の時間外労働は必ずしも同じではありません。また、時間外労働と深夜労働が重なる場合もあるため、それぞれを区別して集計できるようにしておきましょう。

採用時に打刻方法や打刻忘れの修正方法を伝え、記録と実際の勤務状況に違いがないか定期的に確認すると、給与計算の誤りや集計の負担を減らせます。

締め日・支払日の決め方と法定三帳簿の準備

給与を計算するには、締め日と支払日を決める必要があります。「毎月末締め・翌月15日払い」のように、自店の運営に合ったサイクルを設定し、労働条件通知書にも記載しておきましょう。

従業員を雇ったら、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の法定三帳簿を整備し、保存する義務があります。これらは労働基準法で作成が義務づけられており、1人目のアルバイトから対象になります。

賃金台帳には労働日数や労働時間、支給額・控除額などを記載します。最初にフォーマットを整えておけば、毎月の給与計算や各種手続きの確認もスムーズに進みます。

給与計算の流れ:総支給額→控除→差引支給額

給与計算は、「総支給額を計算する」「控除額を確認する」「差引支給額を確定する」の順に進めます。まずは勤怠記録を確定し、実際に働いた時間と休憩時間に誤りがないか確認しましょう。

時給制の場合は、時給に実際の労働時間を掛け、時間外・休日・深夜労働の割増分や、支給する取り決めのある通勤手当などを加えて総支給額を計算します。通常の時給分と割増分を重複して計算しないよう注意してください。

次に、雇用保険料、健康保険・厚生年金保険料の本人負担分、源泉所得税、特別徴収の対象となる住民税などを差し引きます。すべての従業員に同じ控除が発生するわけではなく、保険の加入状況や税額の通知などに応じて確認します。

源泉所得税は、その年の「給与所得の源泉徴収税額表」を使い、給与の支払方法や「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出状況などに応じて計算します。給与額などによっては、税額が0円になる場合もあります。

最後に「総支給額-控除額=差引支給額」を確認し、給与明細を作成して、決めた支払日に支給します。初回は特に、時給・勤怠・保険料の控除開始月・税額表の設定を丁寧に確認しましょう。

採用決定から初回給与振込までのステップ別チェックリスト

採用決定から初回給与振込までのステップ別チェックリスト

ここまでの内容を、実務の流れに沿って3つのステップに整理します。初めてアルバイトを雇うときの確認リストとして活用してください。

このチェックリストを使って、準備できた項目から確認してみてください。判断に迷う項目があれば、お店の状況に合わせてご案内しますので、お気軽にご相談ください。

社会保険労務士・行政書士吉本 翼

社会保険労務士・行政書士
吉本 翼

ステップ1:労働条件を決めて書面を用意する

最初に、時給・労働時間・シフト・締め日・支払日など労働条件を決めます。大阪府の最低賃金を下回らないよう確認し、深夜勤務や残業の扱いも整理しておきましょう。

条件が固まったら、労働条件通知書(または雇用契約書を兼ねた書面)を作成し、働き始める前に本人へ交付します。外国人留学生の場合は、この段階で在留カードと資格外活動許可を確認します。

ステップ2:必要書類を回収し、保険・税の手続きを行う

次に、マイナンバーや扶養控除等申告書など、税や保険の手続きに必要な書類を本人から回収します。留学生の場合は在留カードの写しも控えておきましょう。

そのうえで、労災保険(労働基準監督署)、雇用保険(ハローワーク)、必要に応じて社会保険(年金事務所)の手続きを、それぞれの期限内に行います。期限が短いものもあるため、優先順位をつけて進めることがポイントです。

ステップ3:勤怠を記録し、給与計算・初回振込を行う

働き始めたら、労働時間・休憩・残業・深夜勤務などを記録し、法定三帳簿を整えます。締め日が来たら勤怠を集計し、総支給額から控除を行って差引支給額を確定します。

最後に、支払日に給与を振り込み、給与明細を交付します。初回の給与は特に計算間違いが起こりやすいため、労働時間の集計と控除項目を二重に確認してから支払うと安心です。

初めての採用手続きはご相談ください|Wing社会保険労務士・行政書士事務所

初めてアルバイトを雇うときは、書面の用意から保険の手続き、勤怠管理、給与計算まで、覚えることが一度に増えます。「自店に必要な手続きはどれか」を正しく見極めることが、後のトラブル防止につながります。

Wing社会保険労務士・行政書士事務所は、大阪の飲食店・居酒屋・バーに特化し、行政書士と社会保険労務士の両面から開業から運営までを一つの窓口でサポートしています。採用時の各種手続きや給与計算、外国人雇用の在留資格確認、日常の労務相談まで幅広くお手伝いできます。

顧問契約や給与計算アウトソーシングのサービスもご用意しています。初回相談は無料で、電話・メール・LINE・オンライン・訪問と多様な方法で対応していますので、「自店に必要な手続きを確認したい」という段階から、まずはお気軽にご相談ください。

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