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[居酒屋・バー・飲食店の許認可業務]

レンタルスペースで飲食店を開業するには?営業許可の取り方と注意点を解説

  • 投稿:2025年11月12日
  • 更新:2025年11月17日
レンタルスペースで飲食店を開業するには?営業許可の取り方と注意点を解説

近年注目を集めているレンタルスペースを活用した飲食店営業。

しかし、実際に営業を行うには「飲食店営業許可」が必要であり、その取得にはいくつかの注意点があります。

本記事では、初心者の方に向けて、飲食店営業許可の種類や取得方法、レンタルスペースを選ぶ際のポイント、保健所との連携方法まで、分かりやすく解説します。

レンタルスペースで飲食店を開業するための基礎知識

レンタルスペースとは?

飲食店開業と聞くと、専用の店舗を構えるイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし近年では、レンタルスペースや間借りといった、より柔軟で低リスクな形で開業する例が増えています。短期営業やテストマーケティングにも使いやすく、初めて飲食業に挑戦する方に向いた方法です。ここでは、最新の食品衛生法の観点も踏まえて、基礎知識を分かりやすく解説します。

レンタルスペースとは、特定の用途に限らず、さまざまな目的で利用できる貸し空間のことを指します。たとえば、教室として使われることもあれば、ポップアップストアや撮影スタジオ、さらには飲食店の間借り店舗として活用されることもあります。

飲食店としてレンタルスペースを利用する際は、まずキッチン設備や冷蔵庫、カウンターの有無など、飲食営業に必要な機能が整っているかを確認することが不可欠です。また、どれくらいの人数を収容できる空間なのかも、営業形態を決めるうえでの重要な判断材料となります。

こうしたスペースは短期間から借りることが可能なため、期間限定のカフェ営業や料理教室など、一時的な営業にも向いています。さらに、従来の店舗を構えるよりも初期費用を大きく抑えられるため、開業リスクを減らすことができる点も大きな魅力です。空きスペースをうまく活用することで、柔軟な営業展開が可能になります。

飲食店営業許可の重要性

営業許可を取得することで、施設の衛生基準が明確になり、温度管理、交差汚染防止、手洗い設備の確保、食材の衛生的な保管など、安心して食事を提供するための最低限のルールが整います。これにより食中毒リスクを下げ、利用者に対して「法的に適正な営業を行っている店舗」として信頼を得ることができます。

レンタルスペースであっても、飲食物を提供する場合は「飲食店営業許可」が必ず必要です。これは食品衛生法に基づくもので、令和3年の法改正以降、すべての飲食店はHACCPを取り入れた衛生管理が義務化されています。許可は所轄の保健所で取得し、施設基準の確認、図面審査、立入検査を経て営業が可能になります。

飲食店は口コミによる来客が大きく影響する業種です。許可を適切に取得し、衛生管理を徹底することは、開業後の安定運営にも直結します。レンタルスペースのように設備が共用の場合でも、事前に保健所と相談しながら進めることでスムーズに許可取得ができます。

レンタルスペースを使った飲食店開業は、初期費用を抑えながら市場テストができる非常に有効な方法です。ただし、店舗ではなく「貸しスペース」であるため、設備基準が満たせるかどうかが物件ごとに大きく異なります。開業前には必ず保健所への事前相談を行い、許可取得が可能な設備かどうか確認することが重要です。

また、間借りやレンタルスペース営業の場合、雇用するスタッフの労務管理が見落とされがちです。短期のアルバイトであっても労働条件通知書の作成や労災保険加入など、最低限の労務手続きは必要です。特に営業時間や衛生管理の責任分担はトラブルが起きやすい部分ですので、契約書や業務分担を明確にしておくと安心して運営できます。

飲食の許可、契約、労務管理の3点を早期に整えておくことで、小規模な間借りカフェでも安定した運営が可能になります。

行政書士社会保険労務士吉本翼

行政書士
社会保険労務士
吉本 翼

飲食店営業許可の種類と取得方法

飲食店を営業するには、必ず営業許可を取得する必要があります。しかし一口に「飲食店営業許可」といっても、その内容は一律ではなく、業態や提供するものによって異なる許可が求められます。ここでは、主な許可の種類とその取得方法について詳しく解説します。

飲食店営業許可の種類

飲食に関する許可の中で、もっとも一般的なのが「飲食店営業許可」です。これは調理した食品を店内で提供する、レストラン、カフェ、居酒屋、バーなど幅広い業態に対応した基本となる許可です。加熱調理、揚げ物、焼き物、厨房設備を使った調理を行う場合は必ずこの許可が必要です。

一方、「喫茶店営業許可」は、調理を伴わないドリンクや菓子類、生菓子・トースト程度の簡易な軽食を提供する業態が対象です。ただし、食材の加熱調理や複雑なメニューを作る場合は喫茶店営業では対応できず、飲食店営業許可に切り替える必要があります。自分のメニューがどちらに該当するか、事前に保健所へ確認しておくことが重要です。

なお、飲食営業とは別に、酒類の販売を行う場合は税務署による「酒類販売業免許」が必要となります。店内で提供するのみなら飲食店営業許可で足りますが、ボトルを持ち帰り販売する場合などは別途の手続きが必要です。

さらに、自治体によっては設備基準が細かく異なります。手洗い設備の数、シンクの区分、厨房と客席の区画方法、加熱設備の配置など、地域特有の基準が設定されていることもあるため、開業地域の保健所で事前に確認しておくとスムーズに進みます。

営業許可取得の手続き

飲食店営業許可を取得するには、一定のステップを踏む必要があります。
手続きの基本的な流れは次のとおりです。

まず、必要書類の準備が重要です。一般的に必要とされるのは、営業許可申請書、施設平面図、食品衛生責任者の資格証明、賃貸契約書、厨房設備の配置が分かる資料などです。令和3年の制度改正以降、すべての飲食店にHACCPに基づく衛生管理が義務化されているため、衛生管理計画の作成も必要になります。

書類が揃ったら、営業予定地の管轄保健所に提出し、立入検査の日程を決めます。現地調査では、手洗い場の設置位置、シンクの数、食材と調理済み食品の動線、設備の清掃しやすさなどが細かく確認されます。もし基準に合わない部分があれば、改善後の再確認が必要となります。

保健所は事前相談を受け付けているケースが多く、図面段階で問題点を指摘してもらうことも可能です。これを活用すると、工事や設備購入の手戻りが減り、申請全体がスムーズになります。

申請から許可取得までは、通常1〜2週間程度が目安ですが、繁忙期や確認事項が多い場合はさらに時間を要することがあります。開業日を逆算し、早めに準備を進めておくことが大切です。

飲食店営業許可は「提出すればすぐ取れる」というものではなく、設備基準・動線・衛生管理の考え方をしっかり整える必要があります。特にレンタルスペースや間借り営業は、もともとの設備が基準を満たさないケースが多いため、保健所との事前相談が開業成功のカギとなります。

また、スタッフを雇う場合は、労働条件通知書の交付や労災保険の加入が必須となり、労務管理もしっかり整えておかないとトラブルにつながることがあります。小規模店舗ほど労務リスクは表面化しやすいため、開業前から最低限の労務体制を整えておくことを強くおすすめします。

行政書士社会保険労務士吉本翼

行政書士
社会保険労務士
吉本 翼

レンタルスペースでの営業許可取得のポイント

レンタルスペースで飲食店を開業する場合でも、通常の飲食店舗と同様に営業許可が必要です。ただし、スペースが自分の所有物でないことから、申請にあたって注意すべき点がいくつかあります。ここでは、必要書類と手続き、そして保健所との連携について詳しく解説いたします。

必要な書類と手続き

飲食店営業許可の申請には、まず必要書類を適切に準備することが欠かせません。中心となるのは「営業許可申請書」で、施設情報・申請者情報・営業内容を正確に記載する必要があります。不備があると受理されず、申請全体が遅れることもあるため、提出前の最終チェックが重要です。

次に求められるのが「施設図面」です。厨房、手洗い場、トイレ、調理設備、客席配置など、施設の構造が一目で分かる内容であることが必要で、令和3年の食品衛生法改正以降は、HACCP(衛生管理計画)を前提として動線・温度管理・交差汚染防止の視点も確認されます。図面が粗い場合は審査が滞る原因になるため、できる限り詳細で明確な図面を準備することが推奨されます。

さらに、申請者の「身分証明書」、食品衛生責任者の資格証、そしてレンタルスペースの「賃貸契約書」も必要です。賃貸契約書には、飲食営業で利用できる旨が記載されているかどうかが重要で、用途制限がある場合は許可が通らないこともあるため、契約前の確認が必須です。

申請から許可取得までは通常1〜2週間が目安ですが、繁忙期や追加確認が必要な場合はそれ以上かかることもあります。開業予定日から逆算し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。

保健所との連携

営業許可の取得において、保健所との連携は欠かせません。とくにレンタルスペースを利用する場合は、施設の所有権が異なるため、通常よりも確認事項が増える傾向にあります。そのため、早い段階で保健所に事前相談を行い、必要な条件や注意点を把握することが極めて重要です。

保健所は、許可取得のプロセスにおいて指導的な立場にあります。調理設備の配置、衛生管理体制、講習の有無などについて具体的な指摘を受けることもありますが、それは申請を成功させるために必要な過程です。遠慮せずに疑問点を相談し、指導内容に合わせて準備を進めていくことが成功の近道です。

また、保健所との関係は申請時に限らず、営業開始後も継続していくものです。特に近年は、食品衛生に関する制度変更が頻繁に行われており、常に最新の情報を持つためにも、定期的な連絡や相談を行うことが望まれます。保健所と信頼関係を築くことが、健全な店舗運営につながります。

レンタルスペースを使った飲食店開業は、初期費用を抑えつつチャレンジできるメリットがありますが、設備基準が合わないケースが非常に多いため、「物件選びの段階で保健所に確認する」ことが成功の最大のポイントです。許可取得できない物件を契約してしまうと、改善工事ができず開業が遅れるリスクがあります。

また、短期間の営業でも、スタッフを雇う場合には労働条件通知書の交付や労災保険加入などの労務管理が必要となります。飲食業は労務トラブルが起こりやすいため、開業と同時に最低限の労務体制を整えておくことをおすすめします。

行政書士社会保険労務士吉本翼

行政書士
社会保険労務士
吉本翼

レンタルスペースの選び方

飲食店をレンタルスペースで開業する際、どの場所を選ぶかによって集客力や営業のしやすさが大きく変わります。この記事では、特に初心者の方が見落としがちなポイントに注目しながら、立地と設備の観点から適切なスペースの選び方を解説します。

立地とアクセスの重要性

まず最初に重視すべきなのは、レンタルスペースの「場所」そのものです。どのエリアにあるかによって、想定される顧客層や利用者数に大きな違いが生まれます。特に飲食店の場合、周囲に飲食店やコンビニ、駐車場などの施設が充実しているエリアであれば、ついでに立ち寄ってもらえる可能性が高まります。

また、「アクセスのしやすさ」も忘れてはなりません。最寄り駅から徒歩何分か、バス停やタクシー乗り場からの距離など、公共交通機関を利用する来客にとっての利便性は大きな判断材料になります。たとえば、通勤経路や観光ルートにある場所であれば、集客力に直結する可能性もあります。

さらに重要なのは、ターゲットとする顧客にとって使いやすい場所かどうかという点です。家族連れがターゲットであればベビーカーでのアクセスのしやすさ、オフィス街でのランチ営業を狙うなら駅からの距離と回転率が大切になります。目的に合ったエリア選びは、営業成功のための土台となる大切な作業です。

設備と環境の確認

レンタルスペースでは、必ずしも飲食営業を前提とした設備が整っているわけではありません。そのため、設備面の確認は普通の物件よりも丁寧に行う必要があります。最新の食品衛生法ではHACCPに基づく衛生管理が義務化されているため、その観点からみても設備確認は欠かすことができません。

まず、キッチンの有無・調理器具の種類・洗浄設備の数・冷蔵庫の容量など、営業する業態に必要な最低限の設備が整っているかを確認します。特に、手洗い設備の位置や数、食材と調理済み食品の動線が重ならない構造かどうかは、保健所の指摘が入りやすいポイントです。

次に、スペース自体の清潔感と快適性も重要です。内装の老朽化、換気環境、空調の効き具合、照明、床材やカウンターの状態などは、利用者の印象に直結します。可能であれば見学時に調理試験ができるか、匂いのこもり方や換気の実力を確認すると、開業後のギャップを防げます。

さらに、外部環境にも注意が必要です。
外の騒音が大きい場所、近隣にライブハウス・交通量の多い道路がある場所は、静かな雰囲気を売りにしたい業態には不向きです。夜間営業を考える場合は、周辺住民との距離感や迷惑になりやすいポイントも事前に把握しておく必要があります。

十分に整った設備と適切な環境を備えたレンタルスペースを選ぶことで、営業中のトラブルを減らし、効率的かつ安定した運営が実現しやすくなります。準備段階の細かなチェックこそ、成功する飲食店づくりの基盤となります。

レンタルスペース開業は自由度が高い反面、「そのスペースで本当に許可が取れるのか」という判断が最重要になります。行政書士としての視点では、物件を選ぶ前に必ず保健所へ図面を持ち込み、設備基準に合うかどうか“許可見込み”を確認することを強くおすすめします。契約後に設備が足りず、開業できないケースも実際に多いです。

社労士としての視点では、レンタルスペース営業は“一人で全部背負いやすい働き方”になりがちで、開業後に労働時間が異常に長くなる方を多く見てきました。特に仕込み・片付け・移動時間まで含めると、思っている以上に負担が大きくなります。長く続けるためには、早い段階から補助スタッフを入れたり、休憩時間を確保したり、働き方の設計をしておくことが重要です。

行政書士社会保険労務士吉本翼

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飲食店営業許可を取得する際の注意点

飲食店営業許可を取得するためには、定められた手続きを進めるだけでなく、実際の運営を見据えた衛生管理や営業内容の整理が欠かせません。特に、令和3年以降の食品衛生法改正で衛生管理の水準が一段と高まっており、開業前の準備がそのまま店舗運営の品質に直結します。ここでは、営業許可取得の際に特に注意すべき代表的なポイントを解説します。

衛生管理の徹底

飲食店の根幹は、何よりも「衛生管理」です。営業許可を得るためには、各地域で定められている施設基準や食品衛生基準を満たす必要があります。最新の食品衛生法では、すべての飲食店にHACCPに基づく衛生管理が義務化され、手洗い設備の位置、調理器具の洗浄方法、食材の温度管理、交差汚染を防ぐ動線設計など、保健所が確認するポイントが細かく明確化されています。

許可を取得した後も、店内の清掃・消毒を継続して行い、衛生的な状態を維持することが不可欠です。床・冷蔵庫・調理台の清掃は日常業務としてルーティン化し、衛生チェック表などを用いて管理すると効率的です。

従業員教育も大きな柱です。手洗いのタイミング、制服管理、食品の取り扱い方などは、個人差が出やすい部分でもあるため、開店後も繰り返し指導を続けることが求められます。

また、営業許可を取得する際には、必ず「食品衛生責任者」を配置し、その資格証明を提出します。責任者を中心に衛生管理体制を整えることで、店舗全体の衛生基準を確実に引き上げることができます。

衛生環境が整っている店舗は、行政からの評価だけでなく、利用者の安心感やリピーター獲得にもつながり、結果として売上にも大きく影響します。

営業形態の確認

営業許可の取得において、自店舗の「営業形態」を明確にすることは非常に重要です。どのようなメニューを提供し、どのようなスタイルで営業するのかによって、必要な設備や許可が異なるためです。

軽食中心のカフェと、調理を伴うレストランでは、求められる設備基準が違い、喫茶店営業許可と飲食店営業許可のどちらが必要かも変わります。また、テイクアウト専門やオンライン販売を予定している場合は、追加の許可や届出が必要となることがあります。

地域ごとの規制や条例も見逃せません。
たとえば
・深夜営業の可否
・アルコール提供の条件
・防火管理の基準
・換気設備の要件
などは自治体によって細かく異なる場合があります。

これらは保健所・消防署・自治体のページで公開されていることが多いため、開業前に一度すべて確認したうえで、必要な手続きや設備を揃えておくことが大切です。

営業形態を正確に整理し、必要な準備を整えておくことで、申請がスムーズになるだけでなく、開業後のトラブルや計画変更リスクを大きく減らすことができます。

行政書士として感じるのは、「許可が下りるかどうかは設備より“段取り”が左右することが多い」という点です。図面、設備、動線が完璧でも、申請内容の書き方や営業内容の説明が曖昧なままだと保健所と話がかみ合わず、無駄に時間がかかるケースがあります。開業前に“どんな店にするのか”をしっかり言語化しておくと、申請が一気に進みます。

そして社労士として強調したいのは、「小規模飲食店ほど衛生管理=労務管理」になるということです。忙しい時ほど片付けと衛生が後回しになり、そこに長時間労働や疲労が重なると事故や衛生トラブルが起こりやすくなります。開業直後こそ、無理をしない働き方とオペレーションを決めておくことが、長く続けるための一番のコツです。

行政書士社会保険労務士吉本翼

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吉本翼

レンタルスペースでの飲食店運営のメリット

飲食店の開業には、一般的に高額な初期費用が必要というイメージがあります。しかし、レンタルスペースを活用することで、そのハードルを大きく下げながら現実的な形で飲食ビジネスを始めることができます。ここでは、レンタルスペースを利用した運営スタイルが持つ経済的・戦略的メリットを具体的に紹介します。

初期投資の軽減

通常の飲食店開業では、厨房設備の導入、内装工事、カウンターやテーブルなどの什器購入といった初期投資が大きな負担となります。これに対し、レンタルスペースはすでに設備が整っていることが多く、キッチン、冷蔵設備、照明、客席まで“そのまま使える状態”で運営を始められるケースが多くあります。

また、通常のテナント契約とは異なり、レンタルスペースは保証金・敷金・長期契約が不要な場合がほとんどで、短期間のみの利用契約ができる点も大きなメリットです。これにより、初めて飲食業に挑戦する方や、副業としてスポット的に営業したい方でも、資金負担を抑えながらスタートできます。

さらに、近年は撮影利用を想定したスタイリッシュな内装のスペースも増えており、追加の内装費をかけずに“雰囲気のある店舗づくり”ができることも魅力です。結果として、従来よりもはるかに低リスクで飲食店運営を始めることができ、費用対効果の高い選択肢として注目が高まっています。

フレキシブルな営業スタイル

レンタルスペースを使った飲食店運営のもう一つの大きな特徴は、その営業スタイルの柔軟性にあります。通常の店舗営業では営業時間や定休日の設定に制約が生じやすい一方、レンタルスペースでは予約制や時間単位での利用が一般的であるため、自分のライフスタイルやターゲット層に合わせた営業が可能です。

また、メニューの変更がしやすい点も魅力のひとつです。たとえば、季節に応じたメニューの切り替えや、試験的な商品開発・販売などを気軽に行うことができ、顧客の反応をダイレクトにビジネスに反映させることができます。

さらに、ポップアップショップやイベントの開催にも適しており、新商品の発表や期間限定のプロモーションなどを簡単に実施できる環境が整っています。このように、製造業的な安定供給ではなく、変化に富んだ戦略的な運営が可能であることは、他にはない大きなメリットです。

スペースによっては、SNS映えする内装や雰囲気の良い立地を備えていることも多く、集客力や話題性を高める要素としても機能します。フレキシブルな運営が可能なレンタルスペースは、新しい飲食ビジネスの形として、多くの人に注目されています。

行政書士として感じるのは、レンタルスペース営業は“とにかくスピード感が出しやすい”という点です。設備投資が少ないぶん、企画から出店までの時間が短く、許可申請さえ整えばすぐにスタートできます。ただし、物件によっては細かい設備基準を満たさないケースも多いため、営業を急ぐほど事前の保健所相談が重要になります。

社労士としては、柔軟な営業スタイルができる反面、“働く時間のメリハリがつきにくい”という点に注意してほしいと感じます。予約制や時間貸し営業はどうしても準備・片付けの負担が読みにくく、気付けば拘束時間が長くなるケースが多いです。自分の働き方を守るためにも、営業曜日や準備時間をあらかじめルール化しておくと、無理なく長期運営ができるようになります。

行政書士社会保険労務士吉本翼

行政書士
社会保険労務士
吉本翼

レンタルスペースでの飲食店運営のデメリット

レンタルスペースを活用した飲食店運営は、多くのメリットがある一方で、通常の店舗運営とは異なる制約も存在します。ここでは、事前に把握しておくべき代表的なデメリットを解説し、運営上の注意点をご紹介します。

利用時間の制限

レンタルスペースの多くは、時間単位・日単位で貸し出されており、自由に使える時間が限られています。利用可能な時間帯はスペースごとに異なり、管理者が定めるルールが厳しく設定されていることも少なくありません。

例えば、夜間営業を想定していても、物件によっては夜は利用不可のケースがあります。また、近隣住民への騒音配慮から、21時以降の営業が禁止されていたり、調理音が出る作業に制限が設けられている場合もあります。こうした制限を見落とすと、想定していた営業スタイルが成立しないことになりかねません。

さらに、レンタルスペースでは「利用時間=営業時間」ではない点にも注意が必要です。実際には、仕込み・片付け・清掃・ゴミ処理などを行う時間も含めて利用枠を確保しなければなりません。営業時間だけを基準にスペースを選ぶと、「準備や片付けが終わらない」という状況になりやすく、結果的に運営の効率が大きく落ちてしまいます。

時間外の利用が可能かどうか、延長料金の仕組み、清掃義務の範囲などは、契約前に必ず管理者へ確認しておくべき重要事項です。運営の流れを具体的に想定しながら、利用可能時間とのバランスを必ずチェックしましょう。

他の利用者との兼ね合い

レンタルスペースの多くは「シェア型」で運営されており、同じ施設内を複数の利用者がそれぞれの用途で使っているケースが多く見られます。このような環境では、他の利用者とのスケジュール調整や共有ルールの理解が欠かせません。

たとえば、前の利用者の使用状況によって準備が遅れる、または予定よりも早く撤収を求められるといったトラブルが起こる可能性もあります。こうした問題を防ぐには、事前にスペース管理者と相談し、利用開始時間・終了時間、共有部分の使い方などについてしっかり確認しておくことが必要です。

また、人気のあるスペースでは、予約が集中しやすく、自分が希望する時間帯に利用できないこともあります。定期的に営業するビジネスモデルを考えている場合には、複数回にわたる利用予約が可能かどうかも確認しておくと安心です。

シェア型スペースには、さまざまな利用者が入れ替わり立ち替わり使用するという特徴があります。そのため、自分の運営スタイルがそのスペースとマッチしているかどうかを慎重に見極める必要があります。スペース選びの段階で共有ルールを把握し、必要に応じて運営スケジュールの調整を行うことが、長期的なトラブル回避につながります。

行政書士としての視点では、レンタルスペース営業は「自由度が高い」反面、「規制がスペースごとにバラバラ」という点が最大の注意ポイントです。保健所の設備基準を満たしていても、スペース管理者のルールにより思うような営業ができないことがあり、許可後の運営で困る方をよく見ます。契約前に“あなたの営業スタイルとスペースの制約が合うか”を確認することが成功の分岐点になります。

社労士としては、シェア型の環境ほど「想定外の待ち時間」や「突発的な作業」が増えやすく、その積み重ねが疲労やモチベーション低下につながりやすい点が気になります。特にワンオペ運営の方は、他利用者の動きに引っ張られて休憩が取れないケースも多いです。精神的にも身体的にも余裕が持てるよう、営業時間や作業フローに“ゆとり枠”を最初から組み込んでおくことをおすすめします。

行政書士社会保険労務士吉本翼

行政書士
社会保険労務士
吉本翼

よくある質問とその回答

飲食店の開業をレンタルスペースで検討される方から寄せられる、代表的な疑問についてお答えいたします。営業許可や利用条件など、開業前に把握しておきたいポイントを中心に解説します。

営業許可が必要な場合とは?

飲食物を提供する場合は、基本的にすべてのケースで「飲食店営業許可」が必要です。調理した食品を客に提供する行為は食品衛生法で厳格に管理されており、無許可営業は違法となります。罰則の対象にもなるため、開業前に必ず保健所で手続きを済ませておくことが絶対条件です。

提供内容によっては追加の許可が必要になるケースもあります。
例えば、
・ケーキや焼き菓子を製造する → 菓子製造業許可
・酒類を持ち帰り販売する → 税務署への酒類販売業免許
・乳製品を扱う飲食提供 → 特定の設備基準の追加
など、営業形態に応じた手続きが求められます。

また、自治体ごとに設備基準や取り扱いの細かな違いがあります。特にレンタルスペース営業は設備の自由度が低いため、「その場所で許可が取れるかどうか」は地域の保健所による判断が大きく関係します。開業予定地の保健所に早めに相談することが、手戻りを防ぐ最も確実な方法です。

レンタルスペースの利用条件について

レンタルスペースを飲食店として利用するには、そのスペースが飲食提供に対応しているかを確認する必要があります。すべてのレンタルスペースが調理や飲食販売を許可しているわけではなく、内装や店内設備が基準を満たしていない場合、営業許可が下りないこともあります。

まずは、契約内容に「飲食営業可能」と明記されているかを確認しましょう。イベント会場や撮影用として設計されたスペースの中には、火気の使用が禁止されていたり、設備面で営業に不向きだったりするケースも存在します。

また、料金体系やキャンセルポリシー、利用可能時間帯なども契約時にしっかり確認しておくことが大切です。利用目的を明確に伝えたうえで契約することで、誤解やトラブルを防ぐことができます。事前に管理者とよく相談し、自分の営業スタイルに合った条件のスペースを選ぶことが、成功への第一歩となります。

行政書士として感じるのは、疑問になる部分ほど、実際の申請でトラブルになりやすいという点です。特に“そのスペースで許可が本当に取れるかどうか”は最重要事項で、申請まで進んでから設備不足に気づいたケースを何度も見てきました。質問が出た段階で、早めに保健所へ図面を持ち込むのが一番安全です。

社労士としての視点では、レンタルスペース営業は“スタッフの働き方が読みにくい”という特徴があります。仕込み・片付け・利用者の入れ替わりが多く、想定外の作業時間が発生しやすいため、開業前から「誰が・いつ・どの作業を担当するか」を明確にしておくと運営が安定します。特にワンオペ運営の方は、休憩時間の確保まで含めて業務設計をしておくことが長続きのポイントです。

行政書士社会保険労務士吉本翼

行政書士
社会保険労務士
吉本翼

まとめ

レンタルスペースを活用した飲食店の開業は、初期費用を抑えながら柔軟にビジネスを始められる方法として、近年多くの注目を集めています。しかし、飲食店営業許可の取得には法的な手続きや衛生管理の徹底、設備条件の確認など、多くのポイントを正しく理解し、丁寧に対応する必要があります。

特に、営業許可の種類や地域による規制の違い、保健所との連携などは、開業前に必ず押さえておきたい要素です。また、レンタルスペース選びにおいても、立地や設備だけでなく、利用条件や他の利用者との兼ね合いといった運営上の細かな点まで考慮することが求められます。

正しい知識と準備をもって取り組めば、レンタルスペースでの飲食店運営は、費用対効果の高い新しいスタイルとして、大きな可能性を秘めています。リスクを抑えながら、自分らしい店舗運営を実現するための一歩として、今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてください。

関連情報

ここでは、一般的な記事ではあまり取り上げられていないものの、実際にレンタルスペースで飲食店を運営する際に非常に役立つ情報を取り上げます。運営後の対応や地方での実情、トラブルリスクへの備えなど、独自性の高い視点から詳しく解説します。

運営後の管理のポイント

飲食店営業許可には更新制度がなく、一度許可を取得すれば、構造設備に大きな変更が生じない限り継続して営業することができます。ただし、許可に期限がないからといって、運営後の管理が不要になるわけではありません。実際の運営では、厨房設備の衛生状態や清掃状況、保管方法や温度管理などを継続的に維持することが求められ、食品衛生責任者の選任も営業を続ける限り必須です。食品衛生法の改正により「HACCPに沿った衛生管理」が全店舗に義務付けられているため、日々の記録と衛生管理体制を途切れさせないことが、長期的な営業の安定につながります。また、レンタルスペースの場合、施設の管理者が行う清掃や設備保全の状況にも影響を受けやすいため、設備の状態の定期確認や管理者との連携が重要です。

地方エリアでのレンタルスペース活用と営業許可取得の実情

レンタルスペースや間借りによる飲食店開業という手法は都市部を中心に注目されていますが、地方でもその活用は徐々に広がりつつあります。地方エリアでは都市圏に比べてスペースの賃料が安く、競争も比較的緩やかであるため、地元密着型の営業スタイルを目指す人にとっては非常に魅力的な選択肢となります。

ただし、地方の保健所では対応方針や必要条件が異なることがあり、都市部に比べて営業許可の取得に時間がかかるケースも見られます。また、設備面でも最新の基準に合致しない施設が多いため、開業前に綿密な確認が必要です。一方で、地域のイベントや地元食材との連携など、地方ならではの強みを活かした営業展開も可能です。実際に、地域コミュニティとの連携を活かして成功している事例も少なくありません。

レンタルスペース利用時のトラブル事例とリスク管理の注意点

レンタルスペースで飲食営業を行う際は、通常の店舗とは異なる種類のトラブルが起こるリスクがあります。調理や飲食提供が契約上許可されていなかったことが後から発覚したり、火気の使用が実は制限されていたり、共有スペースの扱いを巡って他利用者とトラブルになるケースも少なくありません。また、前の利用者の片付けが遅れたことで準備時間が圧迫されることや、設備故障の責任範囲が曖昧なまま営業を始めてしまうことも問題の原因になります。こうしたトラブルを避けるためには、契約書を隅々まで読み込み、管理者との間で調理方法、清掃範囲、火気使用、設備不良時の対応などを事前に明確にしておくことが欠かせません。

行政書士として現場を見ていて強く感じるのは、レンタルスペース営業の場合、許可の「更新がない」という制度の特徴が逆に油断を生みやすいという点です。許可は継続して有効でも、施設側の設備変更や管理状態の変化によって、いつの間にか基準を満たさなくなるケースがあります。特に換気設備やシンク周りは劣化が早いため、定期的な確認が重要です。社労士としての視点では、レンタルスペース特有の不規則な利用時間が労働時間管理に大きな影響を与えるため、営業開始前に作業工程を細かく想定し、無理のない運営体制を整えることが長期的な成功につながると感じています。

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