※本記事は、社会保険労務士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
想定される背景
住之江区は港湾エリアとしての性格が強く、家族の生活も夫婦共働きが前提となっている家庭が多い地域です。男性従業員の中には、妻がフルタイム勤務であるため育児や家事を分担しなければならないケースが増えていました。しかし、従来の飲食店業界では「男性が時短勤務を利用する」という文化が根付いておらず、申請しにくい雰囲気がありました。その結果、家庭事情を理由に男性従業員が退職する事例も見られ、経営上の損失となっていました。
このラーメン店でも、正社員の男性従業員が小学校入学前の子どもの世話を理由に時短勤務を希望しましたが、制度が存在せず退職を検討していました。経営者は「人材確保には固定観念を崩す制度改革が必要」と判断し、両立支援等助成金を活用して男性従業員の時短勤務利用を制度化しました。
社労士のポイント解説
まず現状整理として、過去3年間に家庭の事情で男性従業員が2名退職した事実を示しました。従業員アンケートでは「時短勤務制度があれば利用したい」と答えた割合が7割を超えており、制度の必要性は明らかでした。
導入したのは、男女を問わず利用できる短時間勤務制度です。子どもが小学校3年生になるまでの間、1日6時間勤務を選択できる仕組みとしました。また、制度利用者が昇進や昇給で不利益を受けないよう、就業規則で明確に定めました。
加えて、男性従業員が安心して制度を利用できるよう、経営者自らが説明会を開き「男女問わず平等に利用できる制度」であることを明示しました。さらに、シフト管理アプリを導入し、他の従業員と公平に勤務時間を調整できる体制を整えました。
助成金については、短時間勤務制度の導入と実際の利用実績が認められ、「柔軟な働き方選択制度コース」から25万円を受給しました。制度説明会や就業規則改定にかかった費用の一部も助成対象となり、経営負担を抑えながら制度を整備できました。
解決イメージ
制度導入後、男性従業員が実際に時短勤務を利用し、家庭と仕事を両立しながら働き続けることができました。本人からは「退職せずに済んだ」「育児に参加できて家族からも感謝された」との声があり、モチベーションが大きく向上しました。
店舗全体としても、男性従業員の定着率が改善し、離職率は導入前の18%から7%に低下しました。顧客からも「スタッフの顔ぶれが安定していて安心」「接客の雰囲気が落ち着いている」と評価され、リピーター率が上昇しました。
経営者にとっても、助成金25万円を活用して制度を導入できたことは大きな成果であり、「男性が時短勤務を使える職場文化」を根付かせる契機となりました。今後は制度の利用実績を積み重ね、さらなる人材確保と働きやすい職場づくりを進めていく予定です。
このように、大阪市住之江区における両立支援等助成金の活用は、男性従業員の時短勤務利用を促進し、家庭と仕事の両立を可能にした成功事例です。飲食業界における固定観念を打ち破り、持続可能な働き方改革を実現した点で大きな意義を持つといえるでしょう。
