※本記事は、行政書士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
想定される背景
今回のご相談者様は、梅田の有名バーで長年修行を重ね、将来の独立を目標に準備を進めてこられた方でした。物件探しの段階から相談があり、テナントの立地や導線、設備の状況などについて行政的な観点からのアドバイスもさせていただいておりました。
ご本人の開業コンセプトは、「照明を落とした静かな空間で、ひとりでも安心して過ごせる大人の隠れ家」。内装もダークブラウンを基調とし、間接照明とスポットライトを組み合わせたシックなデザインに仕上げる計画でした。店舗のイメージは完成に近づいていたものの、「風営法に関して何か注意点があるか教えてほしい」とのご相談があり、当事務所で確認したところ、照明の照度が10ルクスを下回る設計になっていたため、風俗営業2号許可に該当することが分かりました。
ご本人は飲食店営業許可のみで開業可能と思い込んでいたため、風俗営業許可が必要な可能性に驚かれていましたが、風営法第2条第1項第2号の条文をもとに丁寧に説明を行い、ご理解をいただいたうえで正式に許可申請をご依頼いただきました。
本件では、設計士とも連携しながら、照明機器の仕様とルクス値の調整、照度測定の実施、営業所平面図の修正を行いました。さらに、従業員がいない開業形態であったため、人的欠格事由の確認と誓約書の整備もスムーズに進み、申請後は特に補正もなく、約32日後に大阪府公安委員会より許可が発行されました。
風俗営業2号許可は照度に対する規定があるため、現場での実測と計画書の整合性が非常に重要です。許可取得後、ご相談者様は無事にバーをオープンされ、落ち着いた客層に人気の店舗となっています。
行政書士のポイント解説
大阪市北区、特に梅田や堂山町周辺では、バーやスナックの開業が非常に多く見られます。これらの店舗は照明を抑えた空間設計を採用していることが多く、その結果として風営法の対象となることがあります。
風俗営業2号営業は、「照度10ルクス以下での飲食提供」という特定の営業形態に該当した場合に適用されます。通常の飲食店営業許可とは異なり、公安委員会への許可申請、平面図・立体図・営業の方法の説明書類などが必要であり、かつ審査期間も1か月以上かかるため、開業スケジュールに余裕を持った計画が必要です。
今回のご依頼者様のように、コンセプトに強いこだわりを持ち、雰囲気を重視したバーを開業されるケースでは、知らないうちに風営法違反に該当してしまうおそれがあります。許可が必要かどうかは、設備や営業方法、照度設計などによって判断されるため、事前の相談が非常に重要です。
当事務所では、設計段階からの法的助言、照度チェック、図面作成、申請手続、警察署対応まで一貫して行っております。風営法に該当するかどうか迷う場合は、まずは気軽にお問い合わせいただければと思います。
開業後の営業が安心して継続できるよう、引き続きサポートを行ってまいります。
解決イメージ
自分の店を持つという夢をようやく叶えることができたのですが、まさか「照明の暗さ」が法律に関係するとは思っていませんでした。普通の飲食店の許可だけでいいと考えていたので、正直最初は動揺しました。
でも、先生がしっかりと説明してくれて、風営法の内容や申請の流れも全部わかるように教えてくれたので、とても安心できました。実際の手続きもすべて任せることができたので、自分は店舗の内装や仕入れに集中できました。
今では、お客様から「ここは居心地がいい」と言ってもらえることが増えていて、自分のこだわりが形になった喜びを日々感じています。細かいところまで丁寧に対応してくださった先生には、本当に感謝しています。