※本記事は、行政書士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
想定される背景と経緯
相談者は、イベント関連の仕事に長く携わっていた会社員で、独立して自分の店を持つという夢の実現に向けて動き出した方でした。人とのつながりを大切にし、レコードの音と落ち着いた空間でお酒を楽しめる場所をつくりたいと考え、ナイトバーの開業を決意されました。
市内でも落ち着いた雰囲気のあるエリアで、理想に近いテナント物件が見つかり、現地を確認したうえで契約。準備が整い始めたタイミングで、飲食店営業許可の取得に関する相談が寄せられました。内装は間接照明を多用し、照度を抑えた空間に仕上げる計画だったため、営業スタイルに照度の影響があることを懸念し、現地で照度測定を行いました。
結果、照度は6〜8ルクスであり、風俗営業2号に該当することが判明。相談者は「そんな基準があるとは知らなかった」と驚かれていましたが、無許可営業によるリスクを回避するため、風俗営業2号許可の取得も含めて手続きを進めることになりました。
行政書士のポイント解説
風俗営業2号許可は、「10ルクス以下の照度で飲食をさせる営業」が対象となります。接待の有無に関係なく、照明が基準以下であれば風営法の規制にかかるため、間接照明を使って雰囲気づくりを重視する店舗では注意が必要です。
今回のように、飲食店営業許可だけで問題ないと思い込んでいた場合、事前の確認がなければ、開業後に行政からの指導や営業停止命令を受けるリスクがありました。事前に照度測定を行い、風営法に該当するかどうかを見極めることが、スムーズな開業に直結します。
また、飲食店営業許可は保健所、風俗営業許可は警察署と、それぞれ異なる行政機関が所管しており、提出書類や審査の内容も異なります。専門家が一括で手続きを代行することで、負担を減らしながらスケジュール通りの開業を実現できるという点も、見逃せないポイントです。
解決イメージ
照度測定により風俗営業2号の基準に該当することが確認されたため、構造要件の整備、各種図面の作成、照度測定報告書や営業方法の申述書などの資料を速やかに準備し、警察署と保健所の双方と調整を行いました。
申請から約35日後、風俗営業2号許可と飲食店営業許可の両方が無事に交付され、当初予定していた開業日に間に合う形で店舗の営業をスタートできました。雰囲気重視の内装もそのまま活かすことができ、お客様からも好評を得て、順調な滑り出しとなった事例です。