※本記事は、行政書士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
想定される背景と経緯
ご相談者様は、長年サラリーマンとして働く中で、「いつか自分だけの昭和スナックのようなバーを開きたい」という夢を持ち続けてこられました。そして定年を迎えるにあたり、その夢を叶えるべく、開業準備に踏み切られました。知人から紹介された大正区内の長屋物件がイメージとぴったり合致したことから、即決で契約。内装は木目調の昭和レトロ風に仕上げ、照明は間接照明とスタンドライトのみという徹底したムード設計でした。
しかしその結果、店内の照度が想定以上に暗くなり、通常の飲食店営業許可だけでは不十分であることが判明しました。保健所や知人から「風俗営業2号の許可がいるかもしれない」と指摘され、最初は戸惑われていましたが、当事務所にご相談いただいた時点で「それならきっちり申請して始めたい」と前向きに決断されました。
現地では、実際に照度計を使用して測定を行ったところ、全体の大部分が10ルクス以下となっており、明確に2号営業の該当条件を満たしていました。営業形態についても、接待や遊興行為は一切なく、カウンター席のみの小規模営業で、基準に沿ったスタイルであることが確認されました。
そこでまず、大正区内の用途地域および周辺環境の調査から開始。対象物件は商業地域内にあり、100メートル以内に学校・病院・図書館などの保全対象施設がないことをGISシステムや現地確認で裏付けました。これにより、物件自体に大きな制限はなく、許可取得の基本条件はすべて整っていることがわかりました。
次に図面作成に着手。現地実測をもとに、公安委員会指定の配置図、求積図、音響設備図、立面図などを作成。さらに照度分布も反映させ、照明配置が基準を満たすよう、内装業者とも連携を図りました。
警察署との事前相談では、照度測定の記録や照明器具の仕様、写真等を提示したうえで、営業形態を丁寧に説明。これにより特に補正指示もなく、申請から約35日後には正式な許可通知を受領することができました。申請スケジュールにも余裕をもたせていたため、プレオープン日程にも無事間に合い、ご相談者様にも非常にご満足いただけました。
行政書士のポイント解説
風俗営業2号許可は、明るさだけが判断材料となる一見シンプルな制度ですが、「ムードを大切にしたい」というこだわりが強い店舗ほど、照度が10ルクス以下になりやすく、思わぬ形で対象になってしまうケースが後を絶ちません。
大正区のように、長屋建築や低層住宅が並ぶエリアでは、そもそも外光が入りにくく、物件の構造だけで基準を下回ってしまうこともあります。また、窓の位置やブラインドの使用状況によっては、2号営業に加えて別類型の風俗営業許可が必要と判断される恐れすらあるため、開業前の照度測定はとても重要です。
今回のケースでは、ご依頼者様が内装照明への強いこだわりをお持ちだったことで、開業前の早い段階でご相談をいただけました。理想の雰囲気と法令基準の両立には、専門家による現地検証と正確な判断が必要不可欠です。とくに図面作成では、単なるレイアウトだけでなく、照明配置や遮光状況を含めた表現が求められるため、専門的な技術と経験がものを言います。
風営法は年々細かい改正が続いており、令和6年も構造基準や営業区分に関する運用が一部見直されました。知らぬ間に無許可営業となれば、営業停止命令や罰則の対象となるリスクもあるため、ぜひ早い段階でのご相談をおすすめします。
当事務所では、大阪市内を中心に風俗営業2号許可の取得実績を多数有しており、照度測定・図面作成・警察署との協議対応まで一括で支援可能です。「静かに音楽とお酒を楽しめる空間」を守りながら、法的にも万全なスタートを切りたい方は、ぜひ一度お問い合わせください。
解決イメージ
子どもの頃から「古いスナックの雰囲気が好き」で、いつか自分の店を持ちたいとずっと思っていました。でも、いざ現実に物件を借りてみると、想像以上にいろんな法律があって正直焦りました。
一番びっくりしたのは、照明が暗いだけで「許可が必要」と言われたこと。でも、こちらの事務所さんに相談したら「2号営業という制度がある」とすぐに説明してくれて、しかも照度計で実測までしてくれて「この明るさなら確実に申請が必要です」とはっきり言ってもらえたのがすごく安心でした。
図面とか書類も全部代行してもらえたので、僕は内装とカウンター周りの準備に集中できました。おかげさまで、初日に来てくれた常連さんに「この照明、ほんまに落ち着くな」って言われたときは、ほんまにやってよかったと思いました。