※本記事は、行政書士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
ご依頼の経緯
ご相談いただいたのは、長年ホテルのバーでバーテンダーとして勤務されていた30代の男性でした。これまで培ってきた経験や技術を活かし、今度はオーナーとして理想の空間を提供したいという想いから、大阪市此花区で物件を契約された段階でご連絡をいただきました。
お話を伺うと、店舗のコンセプトは「静かに語らうための照明を落とした大人の空間」とのことで、営業中は常時10ルクス以下の照度で運営する計画であることが明確になりました。接待やサービス行為は一切なく、お酒と空間を楽しんでもらうという営業スタイルでしたが、照度が10ルクス以下という点が風営法上の重要な要素であるため、すぐに現地調査を実施しました。
照度計測を行った結果、営業時の環境下において照度が確実に10ルクス未満であることが確認されました。店舗構造もカウンター中心のシンプルなレイアウトで、接待を想起させるような要素は一切なく、風俗営業2号に該当することが明白となったため、すぐに申請手続きに向けて動き出しました。
此花区は住宅地と商業地が混在する地域であるため、まずは用途地域の確認を行いました。結果として、今回の物件は商業地域内に位置しており、風俗営業2号の許可が可能なエリアであることが確認できました。これを受け、照明設備の仕様書、営業形態に関する説明資料、各種図面(平面図・立面図・什器配置図など)を準備し、所轄警察署との事前相談に臨みました。
相談の中では、担当官から照度や営業形態に関する具体的な質問がありましたが、現地写真や照度計の測定記録をもとに丁寧な説明を行うことで、申請書類提出に至るまでの過程も非常にスムーズに進行しました。その後の書類審査・現地調査を経て、申請から約40日後に無事、風俗営業2号許可が下りました。
担当行政書士のコメント
風俗営業2号許可は、一般的なバーやカフェと混同されやすい営業形態でも、照度が10ルクスを下回るとその対象となります。今回のケースでも、接待行為が一切ないにもかかわらず、「落ち着いた雰囲気を演出するために照明を落とす」という経営方針が、結果として法的な許可を要する状況を生み出していました。
照度に関しては、単なるイメージや主観的な判断ではなく、照度計を用いた客観的な測定が必須です。さらに、警察署に対しては、営業形態の説明資料、店内の構造図、照度測定の方法や結果に関する証拠資料などを適切に整備し、納得のいく形で説明することが求められます。
また、此花区のように複数の用途地域が交差するエリアでは、建物の立地や周辺施設によって営業の可否が変わるため、物件選定の段階から専門家に相談されることが重要です。
弊所では、こうした立地調査から照度測定、図面作成、資料準備、警察署との事前協議まで一貫してサポートを行っており、今回も初動からの正確な判断がスムーズな許可取得に直結しました。無許可営業による行政処分リスクを避けるためにも、営業形態に不安を感じた時点でのご相談を強くおすすめします。
解決イメージ
ホテルバーで何年もバーテンダーとして働く中で、いつかは自分のお店を持ちたいという夢がずっとありました。今回、やっと理想の物件が見つかり、内装のコンセプトも固まったところで、ふと「この暗さって法律的に問題ないのかな?」と思い、調べてみたら風俗営業2号の許可が必要かもしれないと分かって焦りました。
自分では手続きが難しそうで、すぐにこちらの行政書士事務所に相談させてもらいました。対応も丁寧で、現地で照度を測ってくれたり、図面を一緒にチェックしてくれたり、すごく安心できました。警察署とのやり取りも全部お願いできたので、自分はお店の準備に専念することができ、本当に助かりました。
許可が無事に下りたときは、胸をなでおろしました。今はお客様から「この落ち着いた雰囲気がすごくいい」と言っていただけて、本当に嬉しいです。最初に正しく動いていなかったら、無許可営業になっていたかもしれないと思うとゾッとします。
また何か変更や届出が必要になったときには、必ずこちらにお願いしようと思っています。ありがとうございました。