※本記事は、行政書士が実際に行う支援内容をもとに構成した【モデルケース事例】です。
類似の課題を抱える方にとっての参考となるよう、実務に即した構成としていますが、地域名・状況設定は一部仮定を含むことを、あらかじめご理解ください。
ご依頼の経緯
ご相談のあったIT企業は、地域の障害福祉施設向けにクラウドベースのケア管理システムを提供しており、小規模ながら今後の機能拡充やセキュリティ向上のため、高度なプログラミングとサーバー運用が可能な人材を必要としていました。中国の大学で情報工学を学び、日本語能力も備えた候補者に注目されましたが、外国人の雇用経験が初めてであり、技術・人文知識・国際業務ビザの要件を満たせるか、プロセス全体を自社だけで進められるか不安を抱えておられました。
そこで当事務所に法人としての整備、雇用環境の整備、書類作成、事業計画の補強、申請手続きの一連についてご支援を依頼いただきました。申請の成否が事業継続性にも関わる重要案件として、丁寧に体制を整えていった経緯です。
担当行政書士のコメント
技術・人文知識・国際業務ビザ申請においてはまず本人の学歴・職歴が従事予定の専門性と一致していること、日本語運用能力が十分であることを明確に示す必要があります。今回候補者は中国の大学でコンピュータサイエンス専攻を修了しており、情報工学の基礎からPythonやJava、クラウド環境の実装まで履修していたことを成績証明や卒業証書、職務経歴書にて整理しました。日本語能力試験N2合格証を提出し、日常会話および技術仕様説明やクライアント対応にも支障がないことを補足説明書で強調しました。
次に受け入れ企業側については、雇用契約書、就業規則、賃金台帳、源泉徴収記録、健康保険・厚生年金・労災保険への加入証明などを整備し、外国人社員が日本人社員と同等以上の条件で雇用されることを明記しました。給与は月額約27万円以上とし、勤務時間や休日制度、福利厚生を明示したうえで法令遵守体制を文書化しました。
さらに新人研修・OJT体制、日本語サポート体制を明文化し、技術指導計画や業務開始後の進捗報告支援策を整備しました。小規模企業でも教育指導体制があることを示し、安心して雇用できる環境であることを示す意図です。
また、審査官が重視する企業の事業継続性については会社概要、シェアオフィス契約書類、これまでの受注実績一覧、顧客リストや契約書写し、売上実績表と今後の案件見通しなどを補足書類として整えました。地域福祉に特化したニッチな分野ながら安定的な顧客群が存在する点、追加機能開発による今後の拡大余地がある点などを文章と数値で明示しました。
これらの申請用書類を一式まとめて入管に提出したところ、申請から約6週間で追加照会なく無事に認定を受けました。認定後、対象者は正式に千早赤阪村の企業に勤務を開始し、システム開発や運用保守、ユーザー対応など幅広く担当し、即戦力として活躍を始めています。
お客様の声
行政書士の先生には最初から最後まで支えていただき、本当に心強かったという言葉をいただきました。専門用語が多く難しい書類の作成一つずつ丁寧に説明してもらい、法人登記の手続きや銀行とのやりとり、入管申請まで全体の流れを分かりやすく提示してもらえたことで、自信を持って進めることができたそうです。経営者として初めての外国人雇用でしたが、給与の支払い方法や福利厚生の整備、就業規則の整備、雇用契約の記載内容など何をどう整えればよいかすべて教えていただけたことで安心して進められたと伺っています。
本人側の書類も専門的で複雑でしたが、学歴や職歴を効果的に整理し、日本語能力証明や職務経験との関連性を明確に示せたことで、入管からの信頼度が高まったと感じたとのことです。申請中に追加書類の要請があった際も、迅速かつ余裕を持って対応できたことで焦ることなく進められ、許可通知を受け取ったときには涙が出るほど嬉しかったそうです。
今では彼女が技術的な業務を担うことで、開発スピードや納期遵守率が向上し、顧客企業からも対応力の高さで評価されているとのことです。地域福祉に特化したIT事業がさらに信頼性を増し、村内外からの受注が増えている実感もあるようです。経営者として、また地域社会の一員として日本で働いてくれるスタッフがいることに非常に感謝されていました。