※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
今回のご相談は、千早赤阪村にて築70年以上の古民家を改装した飲食店を経営されているクライアント様からでした。山間部に位置するこの店舗は、観光客や登山客を中心とした来客が多く、日中の営業に加えて、夕食後の軽い飲み直しや宿泊客対応のニーズが増えてきたことから、深夜営業の必要性を感じ始めたとのことでした。
村内には深夜営業を行う飲食店が少なく、また、公共交通機関が早めに終了してしまうため、自家用車での来店が多く、滞在時間も長くなる傾向がありました。そのため、「深夜までゆっくり過ごせる店があると助かる」という声が観光客からも地元客からも上がるようになっていたのです。
こうした背景から深夜営業の許可を取ろうと考え、調査を始めたところ、「風営法に基づく深夜酒類提供飲食店営業開始届」が必要であることが分かりました。しかし、届出に必要な図面や照度、視認性などの要件が非常に細かく、専門的な知識がなければ難しいと感じられたことから、当事務所にご相談いただいたという経緯でした。
担当行政書士のコメント
千早赤阪村という地域性を考慮すると、深夜営業を開始するためにはまず「地域住民との調和」と「建物の構造的対応力」の両面からのアプローチが重要になります。今回の店舗は、住宅がまばらに点在する山間地域にあり、騒音や混雑による苦情の可能性は比較的低いと判断できました。ただし、風営法の観点では建物が古民家という点が慎重な対応を求める要素でした。
まず店舗の照度に関しては、和紙の照明や間接照明が中心であり、基準となる平均照度を確保するのが難しい状態でした。そのため、温かみのあるLEDダウンライトを補助照明として複数設置し、計測器を用いて基準を満たす照度を確保しました。
また、視認性の確保という点では、外からのぞきにくい格子戸構造や障子などが設置されていたため、出入口の一部をアクリル製の引き戸に変更していただき、店舗内部の様子が一部でも確認できる構造へと改善しました。
図面の作成においては、求積図、客室見取り図、周辺略図、照明配置図をすべてCADで丁寧に仕上げました。特に周辺略図では、最寄りの県道との位置関係、隣接住宅との距離、駐車場の位置などを正確に描写し、警察署担当者にとっても判断しやすい資料にしました。
営業の方法書では、音楽はBGM程度に抑えること、23時以降は声のトーンを落とすようスタッフが指導すること、退出時は静かに退店を促す旨を記載し、店舗の運営方針として「静かに飲みたい大人の空間」というコンセプトを前面に出しました。こうした運営方針は、警察との事前協議でも好印象を与える要因となり、スムーズに届出受理まで進めることができました。
実際の手続きは、現地確認から申請書類の作成、提出、受理確認まで約3週間で完了し、クライアント様の希望スケジュールに間に合う形で営業開始が可能となりました。
お客様の声
登山や観光で遠方から来られるお客様の中には、「宿泊先で夜中に軽く飲めるところがあれば」という声を多くいただいており、それに応えたいという気持ちがずっとありました。ただ、深夜営業を始めるには正式な手続きが必要と知って、どうすればいいのかと悩んでいたところ、行政書士さんに相談できて本当に助かりました。
正直、古民家を使っているので、照明とか図面とか、現代的な基準に合っているか不安だったのですが、一つ一つ見てくれて、「ここは変えたほうがいい」「これはこのままで大丈夫です」と的確に判断してくれて安心できました。
図面を全部作ってもらえて、しかも警察とのやり取りまでやってもらえたので、私は営業に専念できて、気がついたら全部準備が整っていました。営業を始めてからも、お客様から「ここが夜も開いてくれてよかった」と言っていただけることが増えて、深夜帯の売上も順調に伸びています。
村の中でこうした営業をするのは初めてだったかもしれませんが、丁寧に準備すれば問題なくできることが分かりました。最初から最後まで本当にありがとうございました。