※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
太子町の駅近くで長年居酒屋を営むクライアント様から、「深夜0時以降も営業を続けたいが、どのような手続きが必要なのか分からない」とのご相談をいただいたのが始まりでした。きっかけは、近年の働き方改革で退勤時間が遅くなった常連客や建築関係者の来店が深夜帯に集中するようになり、「もうちょっと遅くまで営業してくれたらありがたい」という要望が相次いでいたことです。
ご自身でもインターネットで深夜営業の要件を調べる中で、風営法に基づく深夜酒類提供飲食店営業開始届という制度を知り、警察への届出や図面作成、照度確認など、想像以上に専門的な手続きが必要であることから、当事務所に依頼を決意されたとのことでした。
太子町は比較的静かな住宅街が多く、深夜営業を行う際には騒音や客層への配慮も求められる地域です。そのため、営業内容と地域性を正確に踏まえたうえで、申請の可否判断と戦略的準備を行う必要がありました。そこで当事務所では初回相談時から現地視察を行い、店舗の構造、照明環境、騒音リスク、周辺住民との距離感を細かく確認したうえで、受理可能な届出を目指す計画を立案しました。
担当行政書士のコメント
今回のケースで特に注意したのは、古くから営業している木造平屋の店舗が、風営法施行規則に適合しているかを事前に徹底的に検証することでした。照明は店内中央にある和風の吊り下げ灯がメインでしたが、照度の均一性が不足していたため、補助的なLEDランプを複数箇所に設置して平均照度を確保しました。
出入口についても、のれんとパーテーションが外部からの視認性をやや遮っていたため、パーテーションの高さを調整し、視界を確保した構造としました。出入口から厨房までの通路も視認性が必要な箇所であり、遮蔽物を撤去するなどして対応しました。
図面については、まず求積図をベースに正確な面積表記を行い、併せて客室図、周辺略図、照明配置図を作成しました。特に周辺略図では、近隣住宅や道路、最寄り駅との位置関係を明確にし、生活環境の中での店舗の位置づけを視覚的に示しました。
営業の方法書では、常連中心の静かな営業スタイルであること、音楽はBGM程度で大音量使用はないこと、スタッフの帰宅時は近隣に配慮した通行を徹底すること、飲酒者への対応マナーなど、地域社会に悪影響を及ぼさない運営方針を具体的に記載しました。これにより、警察署との事前協議でも特に指摘は受けず、1回の提出で無事に受理されることとなりました。
実際の手続きは、初回相談から約3週間で完了し、ご依頼者の希望日より早い段階で深夜営業のスタートが可能となりました。
お客様の声
仕事帰りに一杯飲みに来てくれる常連さんたちに「もっと遅くまでやってよ」と言われるようになってから、深夜営業をちゃんとやってみようかと思ったんですが、まさか警察に届出がいるとは思っていませんでした。自分で調べてみても何が本当か分からなくて、しかも図面とか照明とか、正直まったく分からなかったので、プロに頼もうと決めました。
行政書士さんはすごく丁寧で、店の構造を見ながら「ここをこうすればOKです」と一つ一つ説明してくれて、本当に心強かったです。書類の準備も全部やってくれて、警察とのやり取りも代行してくれたので、私は普段通りお店を開けながら、深夜営業の準備が進んでいる感じでした。
実際に深夜営業を始めてからは、来店数も増えて、今まで来れなかったお客様が新しく常連になってくれて、売上も上がっています。なにより、ちゃんと届出を出して営業しているという安心感があるので、これからも長く営業を続けていけそうです。お願いして本当によかったです。ありがとうございました。
