※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者は、岬町で地元の魚介を使った料理を提供する小規模な料理店を10年以上営まれている方でした。これまでは夜21時までの営業でしたが、近隣の民宿や簡易宿泊所に滞在する観光客から「もう少し遅くまで営業してほしい」「夜遅くにゆっくり飲める店がない」といった声が多くなり、地域ニーズに応える形で深夜営業を検討されるようになりました。
ご自身でも「深夜営業には何か特別な許可が必要なのではないか」と調査を進める中で、深夜酒類提供飲食店営業開始届の提出が必要であることを知り、提出先が警察署であることや、構造要件・図面の作成・営業方法書などの煩雑な手続きに不安を感じ、インターネット検索で当事務所を見つけてお問い合わせいただきました。
とくにご依頼者が懸念されていたのは、店舗が海沿いに位置し、建物が比較的古いため構造的な要件を満たしているかという点と、営業中の音響設備による影響でした。そこで当事務所では、初回相談時点で現地訪問を行い、構造確認を兼ねたヒアリングと申請可能性の精査を行うことにいたしました。
担当行政書士のコメント
岬町のような観光地エリアでの深夜営業許可対応では、地域性と利用客層をよく理解した上での申請計画が不可欠です。今回の店舗は、建物自体が木造2階建ての長屋形式となっており、構造要件のひとつである「客室の明るさ」や「視認性の確保」「外部からの見通し」の条件をクリアするために、改修は不要でも配置変更の工夫が必要となりました。
とくに照明の均一性を確保するため、使用中の間接照明に加えて補助灯を追加することで、客室全体の照度が風営法基準を満たすよう整備しました。また、出入口に設置されていた暖簾や間仕切りが視界を遮っていたため、透明度の高い素材に切り替えるようご提案し、実施していただきました。
書類面では、営業の方法書において「地域への配慮」を強く打ち出す必要がありました。観光客が夜間に訪れることを前提とした店舗運営であることを記しつつ、近隣住民との接触を避ける工夫、音響機器の利用時間、スタッフの帰宅ルートの配慮、ゴミ出し時間の調整など、運営上の注意点を具体的に明文化しました。
図面類については、店舗の求積図、客室見取り図、周辺略図、照明配置図などをすべてCADにて作成し、正確な縮尺と寸法記載を徹底しました。さらに、警察署生活安全課との事前協議を行い、図面の表示方法や営業方法書の内容に関する確認を行ったうえで、本申請に向けて2回の修正・確認を経て正式受理となりました。
届出受理までの所要期間は約3週間でしたが、店舗営業を止めることなく準備と手続きを進めることができ、ご依頼者からは大変ご満足いただきました。
お客様の声
以前から観光客のお客様に「もっとゆっくり飲みたい」「民宿の門限前に戻らなくてもいいようにしてほしい」などと言われていたのですが、夜遅くまで営業することに不安もありました。調べてみると届出が必要と分かって、でも自分ではとても無理そうだったので、専門の方にお願いすることにしました。
岬町のように静かな場所だと、近所の方に迷惑をかけたくないという気持ちもあって、行政書士さんが細かく計画を立ててくれたのは本当にありがたかったです。照明のことや出入口の視界、音楽の音量など、自分では気づかない点もたくさん教えてもらえて、納得しながら準備ができました。
無事に深夜営業を始めてからは、民宿に泊まっているお客様がゆっくり食事に来てくれるようになり、売上も安定してきました。なにより、ちゃんと届出して営業できているという安心感があるのが一番です。お願いして本当によかったです。今後も地元に根付いたお店として、丁寧に営業を続けていきたいと思います。