※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談をいただいたのは、大阪府河内長野市で子育てをしながら、管理栄養士としての知識と経験を活かしたカフェ開業を目指していた30代女性でした。長年の夢だった「身体にやさしい、誰でも安心して食べられるカフェ」を地元で実現させたいという強い想いをお持ちで、河内長野市駅前の小さな空きテナントを見つけ、出店の準備を始められた段階でご相談がありました。
すでに内見と賃貸契約交渉は進んでおり、最低限の自己資金として150万円を用意されていたものの、店舗の内装工事費や冷凍冷蔵庫・業務用ミキサーなどの厨房機器、POSレジなどの設備投資が必要であり、広告宣伝費用も含めると資金が不足する見通しでした。そこで、創業融資として日本政策金融公庫から300万円の借入を目指すことになり、そのための事業計画書の作成と申請書類一式の整備をご依頼いただきました。
担当行政書士のコメント
河内長野市という地域の特性と、クライアントの志向する無添加・健康志向というコンセプトの親和性を最大限に活かした構成を重視しました。健康意識の高まりや食物アレルギーへの配慮といった社会的背景を事業計画の冒頭に盛り込み、カフェ事業が単なる飲食業ではなく、地域に貢献するライフスタイル提案型事業であることを明確に打ち出しました。
具体的には、河内長野市の子育て世帯やシニア層をメインターゲットとし、「アレルギーがあっても安心」「小さな子どもにも与えられる」「高齢者でも消化しやすい」という点を訴求ポイントに据えました。来店想定客層を明確にし、ターゲットごとにメニュー提案(野菜スムージー、米粉のマフィン、大豆ミートの軽食プレートなど)を具体的に記載し、他店との差別化をアピールしました。
売上計画では、客単価を900円、1日平均来店数を15〜20人と想定し、月間売上として35〜40万円を基準とした収支予測を立てました。経費については、原材料費・人件費(当初は本人のみ)・光熱費・テナント賃料・広告宣伝費などを具体的に示し、創業初年度の資金繰りの安定性を証明するための試算表を作成しました。
資金使途については、厨房機器の購入、内装工事費、メニュー表やPOPの制作、チラシ印刷費、Instagram広告などのSNSプロモーション費用を中心に、融資対象経費を明確に分類しました。地元密着であることをアピールするため、河内長野市内の健康イベントへの出店計画も盛り込み、地域貢献性も同時に評価される構成としました。
融資面談対策としては、将来的な展望(テイクアウト・宅配・地元農家とのコラボ)まで用意し、質問想定リストを使って事前ロールプレイを実施。面談当日も落ち着いてご自身の言葉でプレゼンされ、審査担当者からも好印象だったとのことでした。
結果として、希望額どおり300万円の融資が無担保・無保証で実行され、2025年6月に晴れて河内長野市駅前でカフェをオープンされました。
お客様の声
以前からずっと「身体にやさしい食事がとれる場所をつくりたい」と思っていて、今回こうして河内長野市で実現できたのは本当に夢のようです。開業資金のことではかなり悩みましたが、最初に相談したときから丁寧にヒアリングしていただき、事業計画や数字の部分を一緒に整理してもらえたことで、安心して進めることができました。
事業計画書は自分一人ではとても書けなかったと思いますが、「誰に、何を、どう届けたいか」をしっかり言葉にしてもらえたことで、自分のビジョンが明確になりました。面談でもそのまま自分の言葉で説明できたのがよかったのかなと思います。
今では地域の方が少しずつ来てくださり、「こういうお店が欲しかった」と言ってもらえることも増えました。健康志向のカフェとして、これから河内長野市で長く愛されるよう頑張っていきたいです。本当にありがとうございました。