※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談をいただいたのは、大阪府太子町にて、築50年以上の古民家を改装してカフェを経営している女性の方でした。
開業から3年が経過し、近隣住民を中心に一定のリピーターがついていたものの、観光地としてのポテンシャルを十分に活かしきれていないと感じておられました。
特に課題となっていたのは、屋外テラススペースの老朽化でした。建物裏手に広がる里山の景観を楽しみながら食事ができるスペースとして、当初は人気のある席でしたが、経年劣化により雨漏りや床板の傷みが目立ち、来店客からも指摘が増えていたそうです。
また、これまで積極的な広告を行ってこなかったこともあり、近隣地域においてもまだ店舗の存在が知られていないという状況が続いていました。
そこで、テラス席の安全性と快適性を改善し、観光客にも店舗の存在を知ってもらうことを目的として、小規模事業者持続化補助金の申請を検討するに至り、当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
本件では、既存の店舗の魅力をより多くの人に知ってもらうための導線づくりとして、「空間の整備」と「情報発信」の両輪で計画を構成する必要がありました。
まず、屋外テラスの現状を写真とともに記録し、安全性に問題がある点や、悪天候時の使用が困難であるという課題を明確にし、それを改修することで提供可能な席数が増加し、売上向上につながることを事業計画書に記載しました。
また、観光地に近接する立地を活かし、カフェの存在をより広く知ってもらうために、プロのデザイナーに依頼してチラシを制作し、太子町内および近隣市町村の観光案内所や駅、宿泊施設に配布する計画を立てました。
チラシの内容としては、古民家の雰囲気、里山の眺望、手作りの食材、テラス席の景観など、来店動機につながる要素を前面に打ち出す構成とし、配布エリアと部数についても具体的に明記しました。
資金計画では、テラス床板・屋根の改修工事費、チラシ制作費、配布費を補助対象経費として整理し、見積書を取得した上で添付しました。
併せて、テラス席の稼働率向上による売上増加予測、チラシ経由での集客数の目標など、数値面でも期待できる成果を具体的に記載しました。
商工会との連携も事前から密に行い、補助事業計画の方向性や提出資料の整合性を事前に確認いただいたことで、申請後の手戻りなくスムーズに交付決定に至りました。
結果、申請から約2か月後に補助上限額である50万円の交付が決定し、テラス改修とチラシ配布を無事に実行することができました。
お客様の声
お店を始めた当初は、口コミで少しずつお客様が増えていけばいいと思っていたのですが、だんだんと「もっとこの場所を活かしたい」「遠方からの方にも来てほしい」と思うようになってきました。
特にテラス席が古くなってきて、お客様から「大丈夫ですか」と聞かれるたびに心苦しく思っていたので、今回の補助金で改修できて本当に良かったです。
申請のことは何も分からなかったのですが、何を準備すればよいか、どう書けば伝わるかを丁寧に教えていただいて、安心して進めることができました。
チラシもとても素敵に仕上がって、配布したあとに「この紙を見て来ました」と言ってくださる方がいて、やってよかったなと心から思いました。
おかげさまで今ではテラス席も埋まることが増えてきて、春や秋の気候のいい日は特に大好評です。これからも地域の方にも、観光で来られる方にも愛される場所であり続けられるよう頑張ります。