※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談をいただいたのは、製菓学校卒業後にパティスリーやカフェで経験を積んできた30代女性の方で、「いつか自分の店を持ちたい」という夢をずっと持ち続けていたそうです。
藤井寺市内にある空きテナントが理想に近い形で見つかったことをきっかけに、思い切って独立を決意されました。
ただし、物件取得費や店舗の内装工事費、業務用オーブンや冷蔵設備の購入費、当面の材料費や包装資材など、必要な初期投資は自己資金ではまかないきれず、日本政策金融公庫の創業融資を検討されていました。
しかし、融資の申し込みに必要な事業計画書や資金計画書の書き方が分からず、ネット検索から当事務所を見つけてご相談いただきました。
ヒアリングを通して、商品の強みやコンセプトは明確にお持ちだったものの、収支予測や開業スケジュールについては漠然としていたため、まずは事業の全体像を整理するところからスタートしました。
担当行政書士のコメント
今回のご相談では、事業の核となる「素材と手作りへのこだわり」と「地域に根ざした店づくり」の2点を中心に、事業計画を構成しました。
まず、提供予定の商品については、焼き菓子というジャンルに特化し、バターや小麦粉などの原材料を厳選していること、それがどのような顧客層に支持されるかを明確に記載しました。
ターゲット層は30〜50代の女性で、手土産や家庭用のおやつとして購入されることを想定し、価格帯や包装デザインにも配慮している点をアピールしました。
また、駅から徒歩圏内という立地を活かして、学校帰りの学生や仕事帰りのOL層にも訴求できる営業戦略を盛り込み、販売促進策としてはオープンチラシの配布やSNSでの情報発信についても記載しました。
資金計画面では、テナント取得費、内装・外装工事費、厨房機器費、冷蔵庫・オーブン等の設備費、包装資材やユニフォーム費、仕入資金、販促費、当面の運転資金まで、すべて用途別に分けて明確化しました。
売上予測では、1日あたりの販売数と平均客単価をもとに月商を算出し、月ごとの固定費・変動費を算出して、黒字化するまでの期間も予測しました。
さらに、初回の面談に向けては、「なぜこの立地なのか」「なぜ焼き菓子専門なのか」「競合との差別化は何か」といった質問に対する想定問答を準備し、面談時に一貫した説明ができるようサポートしました。
その結果、申請から3週間後に公庫より350万円の融資実行が決まり、予定通りのスケジュールで内装工事と備品導入を進めることができました。
お客様の声
開業の夢は長年持っていましたが、実際に一人でやろうとすると分からないことばかりで、不安だらけでした。
とくに、融資を受けるには書類をそろえないといけないと聞いて、計画書のようなものを作れる自信がなかったので、専門家に相談して本当に良かったと思っています。
自分の中にあった「こういうお店をやりたい」という気持ちを、ひとつひとつ整理しながら書類にしていただき、面談に向けてのアドバイスもたくさんいただけたおかげで、緊張せずに本番を迎えることができました。
無事に融資が決まったときは本当に嬉しくて、すぐに内装工事の業者さんに連絡を入れたのを覚えています。
今はオープンに向けた準備の真っ最中ですが、少しずつお客様に喜んでもらえるような商品をつくっていきたいです。ここまで支えてくださったことに、心から感謝しています。