※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談をいただいたのは、大阪府松原市で20年近く弁当と惣菜の店舗を営んでいる男性事業者の方でした。地元の住宅街に根づいた営業スタイルで、固定客も多く、地域の高齢者や共働き家庭からの支持も高いお店でしたが、近年は厨房機器の老朽化や衛生基準への対応に課題を感じておられました。
また、近隣に競合店舗やスーパーが増えてきたことにより、売上の維持にも不安を抱えておられました。
従来は口コミだけで集客していたため、これまで一度も広告宣伝を行ったことがなく、どうすれば集客のための販促活動ができるのか分からずにいたそうです。
そんな中で、商工会を通じて小規模事業者持続化補助金の存在を知り、「設備更新とチラシ配布の費用が補助されるなら挑戦したい」という思いを持たれ、申請書類の作成や全体の流れを支援できる専門家を探していたところ、当事務所にご相談をいただきました。
担当行政書士のコメント
この案件では、事業の継続性と地域における重要性を明確に伝えることがポイントでした。創業から長年続いているという実績は大きな強みですが、それだけでは補助金が通るとは限りません。
特に、補助対象経費である厨房設備の更新とチラシ作成が、今後どのような効果をもたらすのかを、具体的に説明する必要がありました。
まず厨房機器については、老朽化による作業効率の低下や衛生面での懸念を明確に記載し、それを更新することで調理のスピードや品質が向上するという因果関係を、実際の作業内容と合わせて整理しました。
また、チラシの制作に関しては、プロのデザイナーに依頼する計画とし、店舗のこだわりや代表的なメニューを掲載しながら、配布エリアやターゲット層を絞り込んだ配布戦略を事業計画書に盛り込みました。
今回のご相談者様は、デザインやインターネットに詳しくないことから、すべての工程を外注でまかなう構成にし、それにかかる費用と成果を明確に記載することで、審査上の「販路開拓に対する具体性」の要件をクリアできるようにしました。
地域密着であることの裏付けとして、過去の利用者からの感謝の手紙や自治会との交流実績なども補足資料に添付し、地域への貢献性を定量的・定性的に両面でアピールしました。
商工会との事前相談も事前に内容を整理して臨んだことで、スムーズに確認を終えることができました。結果、採択通知が届いたのは申請から約2か月後で、補助上限の50万円が満額交付される結果となりました。
お客様の声
設備のことや商売のことは分かっても、補助金や申請書のことはまったく知識がなく、最初は無理かもしれないと思っていました。
でも、丁寧に話を聞いていただいて、自分の店がどうすればもっと良くなるかを一緒に考えてもらえたのが嬉しかったです。
実際にチラシも出来上がり、配布を始めたところ、見たお客様から「こんなお店があったんですね」と言われることが増えてきて、本当にやってよかったと思っています。
設備の更新も進み、毎朝の仕込みも前よりスムーズになりました。
これからも地域の人たちに喜んでもらえるよう、味と真心を大切にして頑張ります。本当にありがとうございました。