※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様はもともと都心部でヨガインストラクターや料理教室講師として活動されていました。健康やナチュラルライフに関心のある顧客層との交流を重ねる中、自然豊かな泉南市の海辺で自分のライフスタイルに合った店舗を持ちたいとの思いを強めていらっしゃいました。物件は海の近くの築浅テナントで、室内でヨガクラスを開催し、併設のキッチンでローフードやコールドプレスジュース、ビーガンスナックなどを提供する構想でした。しかし開業には、内装・床や照明の改装、ヨガマット・器具、カフェ設備、厨房設備、看板・広告費、初期材料・備品、運転資金など合わせて約500万円が必要と算出。ネットや地元支援機関の情報だけでは創業融資の仕組みや審査ポイントがわかりにくく、書類準備や計画作成に自信がなく、専門的なサポートを希望して当事務所にご相談いただきました。
ご自身で構想を練りながらも、収支シュミレーションの根拠や融資審査で評価される強みの抽出、事業計画書の構成、資金使途の明確化、面談準備など、どこから手を付ければよいかわからず、書類作成の不安が膨らんでいたとのことです。
担当行政書士のコメント
泉南市は海辺や観光施設があり、健康志向や自然体験を求める人々も訪れる地域性があり、ご依頼者様の目指すヨガ&ローフードカフェ業態は地域の特性と合致していると判断しました。また併設施設ならではの提供価値である「身体と食のトータルケア」という差別化ポイントも明確で、計画書冒頭でその強みを際立たせました。
資金使途の整理では、ヨガスタジオ空間の改装費(床材・壁紙・照明・ミラー設置)、ヨガ用品(マット・ブロック・スピーカー設備)、カフェ設備(冷蔵庫・カフェテーブル・椅子・厨房機器)、看板やパンフレット作成、SNS広告やチラシ制作費、初期材料・道具費、運転資金としての半年分資金を明記し、見積書とともに資金計画書にまとめました。金融機関に提出する書類として、なぜこれらが必要か、金額裏付けはどこかを説明できる形式としました。
事業計画書では、提供するヨガクラス料と食事メニューの価格帯、1日あたり想定来店者数、利用顧客の構成(主婦層・ヘルスケア志向の中高年・観光客など)、月間売上目標、固定費と変動費を明記し収支シミュレーションを作成しました。例えば平均来客20名、客単価3,000円程度で月商約60万円程度を試算し、費用を差し引いて返済可能性を示した結果、金融機関でも説得力ある計画と評価される構成となりました。競合となり得る近隣のヨガスタジオやカフェ業態との比較と差別化点、地域の健康ニーズやイベント連携の計画も含めて総合的な構成にしました。
融資面談対策では、衛生管理、定休日や閑散期の対応策、価格設定の正当性、万一の顧客が少ない場合の対応策など具体的な想定問答を準備し、模擬面談を複数回実施されました。これによりご依頼者様は本番でも落ち着いて自分の言葉で説明でき、「計画が明確」と評価されたとのことです。
その結果、申請から約3週間後、希望額の500万円に近い額が承認され、融資実行となりました。開業準備は計画通り進み、ヨガスタジオ空間の整備とカフェ設備の導入、広告展開、プレオープンイベント開催をスムーズに実施。地域の健康イベントやワークショップへの出店も計画に組み込まれ、集客基盤を構築しながら開業当日に多くの参加者に利用されました。
お客様の声
自分のライフスタイルを反映させた形で店舗を開業したいという思いは固まっていましたが、申請準備や数字、スケジュールの整備には非常に不安がありました。行政書士の先生とはじめの相談から計画の骨組みを整理していただき、書類に説得力を持たせられたことで安心して進められました。
模擬面談を何度も練習したおかげで、実際の場でも落ち着いて説明できたことが大きな成果でした。担当者から「計画に具体性がある」とお褒めいただき、融資承認の通知を受けたときは本当に嬉しかったです。
オープン後にはお客様から「居心地が良い」「料理とヨガでリフレッシュできる」といった声が多く、地域の口コミやSNSでも「素敵な空間」「健康的で安心できる」と好評です。常連のお客様も増え、地域のイベントとの連携も進みつつあります。本当に先生の支えがあって今の形があると感じています。