※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は貝塚市中心街で小さな和風カフェを開業されており、抹茶や和菓子、季節の和スイーツを提供しておられました。当初は地元のお客様や常連客を中心に安定した運営でしたが、店舗の内装や商品写真が開業当時のままで、実際の店舗や商品の魅力が十分に伝わっていないと感じていました。SNSでの発信やチラシ配布は行っていたものの、反応が限定的で、新規顧客の獲得に課題がありました。加えて、ECサイト（通販）も構築済みでしたが、実際に活用できておらず、販路拡大が進んでいませんでした。こうした課題を解消するため、小規模事業者持続化補助金を活用して店舗の魅力を再構築し、販促活動を強化する必要性を感じ、商工会の案内をきっかけに当事務所へご相談いただきました。自己資金では改装や広告、撮影をまとめて行うのは難しく、不慣れな補助金申請作業に不安を持たれていたとのことです。
担当行政書士のコメント
本件では「体験価値の可視化」と「販促戦略の体系化」が重要なポイントとなりました。まず、ご依頼者様のこれまで提供してきた和スイーツや抹茶の味わい、店舗デザインの想い、お客様の反応を丁寧にヒアリングし、「どんな感情を届けたいか」「どう見せたいか」を明確化しました。そのうえで、補助事業計画として、店舗内装のリニューアル（木質で温かみのある装飾、壁面ディスプレイ、照明の調整）、商品写真のプロ撮影、チラシ及び小冊子制作、Instagram広告の配信、地元イベントへの参加やECサイトの強化を包括的に組み込む構成としました。これらの施策はすべて補助対象となる販路開拓手段として整理し、計画書では「なぜ改装が必要か」「なぜ写真撮影が重要か」「なぜECを活用するのか」「なぜ広告とチラシを組み合わせるのか」の理由を論理的に展開しました。
特に実施内容を整理する際には、店舗改装では季節の和菓子や抹茶を魅力的に見せるライティングや什器配置、テーブル席から見える坪庭の演出など「感性に訴える空間デザイン」の要素を盛り込みました。撮影では、抹茶の湯気、和菓子の模様、季節の素材感を伝えるビジュアル重視の構成を提案し、広告やECでも使える素材にすることで販促活動の汎用性を確保しました。
事業計画書には、成果指標として「来店数」「チラシ配布後の反応件数」「Instagram経由問い合わせ数」「EC購入件数」「リピーター率」など、複数のKPIを設定しました。たとえば、チラシ配布後3ヶ月以内の来店数10％増、Instagram広告反応月50件以上、EC注文月10件以上、リピーター率維持または5％向上など、施策ごとに目に見える指標を明示しました。これにより、実行後のフォローアップや評価も容易な構成です。
申請内容には、補助対象経費の使途や見積書、広告費の配分、実施スケジュール、事業完了後にどのような実績報告を行うかまで具体的に示し、申請当初から完了までの一連を見通せる資料に仕上げました。その結果、審査員からも「地域性や体験性を捉えた説得力のある計画」と評価され、補助上限額の50万円が満額交付されました。
採択後は報告書類の整備まで当事務所が伴走し、写真・領収書・広告素材・成果指標の記録を整理して、実績報告書を迅速に提出。その結果、補助金振込までスムーズに完了しました。
お客様の声
開業以来、自分の店が大切にしている価値をもっと伝えたいと感じていましたが、どう表現したらよいか分からず、迷っていました。補助金の話を聞いて「これはチャンスかもしれない」と思いつつも、申請書類作成の難しさに二の足を踏んでいたところ、先生に出会えて助かりました。最初から最後まで寄り添って支えてくださり、「ここまで丁寧にサポートがあるのか」と感動しました。
特に印象に残っているのは、写真撮影の際にメニューの美しさを引き出す角度やライティングを一緒に相談してくださったこと、チラシに入れるキャッチコピーの提案、地域配布のルート選定まで具体的にアドバイスしていただけたことです。自分一人では気づけない視点や表現方法を取り入れることができ、本当に助かりました。
改装後は「店すごく雰囲気良くなったね」「和菓子が映えて見える」とお褒めの言葉をいただくことが増え、Instagramでも「行ってみたい」と反響が広がりました。ECでも地域外からの注文が増えつつあり、自分でも想像以上の成果に驚いています。これからも地元貝塚で、和スイーツと空間の魅力を大切にしながら、新しい可能性を広げていきたいと思います。支えてくださった先生には心から感謝しています。
