※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は岸和田市内で、地元のタコや地産小麦を使用した手焼きたこ焼きを提供する小さな屋台型店舗を開業されました。元々イベント出店から始めたスタートでしたが、店舗化への夢を抱き、住宅街の片隅に物件を借りて独立。味やこだわりに自信があり、多くのリピーターを獲得していました。しかし常連中心の売上構造になっており、新規客の開拓や店舗の認知拡大に苦慮していました。SNSの更新やチラシ配布も試みたものの、効果が限定的で、自己資金だけでは大規模な販促展開に踏み切れず、限界を感じていたとのことです。
そのような折、岸和田市商工会から小規模事業者持続化補助金の案内を受け、補助金を活用して集客基盤を強めたいと考えられました。ただし、補助対象となる経費範囲や計画書の書き方、要件整理などに不安があり、専門家のサポートが必要と判断、当事務所へご相談いただくに至りました。
ご自身で資料作成を試みながらも、「何を書けば審査員に響くのか」「どう数値で計画書を示せばいいのか」「成果指標をどう設計すればよいか」といった悩みに直面され、最終的にはプロの支援で挑戦することにされたとのことでした。
担当行政書士のコメント
本件で重視した点は、「地元らしさの視覚化」と「販促体系の見える化」です。まずヒアリングでは、ご依頼者様がこだわるタコと生地配合、焼き方、提供スタイルなどについて深掘りし、店舗が提供する体験価値を明確化しました。そこから、岸和田市の観光客や通勤客、子育て世代など来店層のターゲット像を整理し、それに合った販促設計を計画に組み込みました。
申請計画には外観リニューアル(看板、新ロゴ、テント装飾)、商品写真撮影(たこ焼きの魅力を伝えるビジュアル)、ECサイト構築(全国発送対応の導線)、SNS広告(Instagramによるターゲティング配信)、チラシ制作とポスティング、地域フリーペーパー掲載、小規模イベント参加支出などを盛り込みました。これらはすべて補助金制度の趣旨である「販路開拓に資する取り組み」に該当する内容として整理され、審査書類内で正当性を訴求しました。
次に、事業計画書では複数の成果指標をKPIとして設定し、補助金活用後の成果を具体化する構成としました。たとえば、店舗来店数については補助施策実施後3か月以内に20%増、EC月商10件以上、Instagramフォロワー300人増、チラシ経由来店15件以上などを目標と設定。それぞれの指標に対して数値根拠や施策による導線設計を丁寧に記述しました。
書類構成としては、補助金の目的との整合性、効果検証計画、スケジュール管理も含めた統合的な資料として整理。特に、どの施策がなぜ有効であるかの論拠と実施後の結果をどう評価するかという視点を明確にしたことで、審査側からの理解が得やすい構成に仕上がりました。
結果として、補助上限額50万円が満額採択され、申請後の実施段階でも写真素材の選定や広告配信の調整、チラシ配布のタイミング管理、報告書類整備など、当事務所によるサポートを継続。リニューアルオープンに合わせたSNS告知や看板設置により、地元客だけでなく通勤途中や観光で訪れる方が新規来店。不定期出店イベントでも売上が向上し、EC月商も初月で10件突破。その後も安定推移し、全体として売上が前年比で25%以上増加しました。
お客様の声
「地元の素材と味には自信がありましたが、それをどう“伝えるか”がわからず、ずっと悩んでいました。補助金を知って、自分でも一歩踏み出せると思えたのがきっかけでしたが、申請書類の作成方法などは本当に不安でした。先生にお願いしたことで、どこに焦点を当てればいいのかが整理でき、気持ちが楽になりました。」
「特に赤字を防ぐための販促スケジュールや、EC発送の流れ、イベント出店の動線設計まで一緒に具体化してくれたことが印象的でした。面談や書類提出の際にも、審査員が“納得できる形”になっていると自信を持って臨めました。」
「補助金採択後、看板が変わって店の前を通る人の反応が明らかに変わりました。SNSでも“おいしそう”“行ってみたい”という声が増え、実際に新規のお客様が増えていると実感しています。ECも地元外の方からの注文が入り、やってみて本当に良かったです。」
「何より、自分一人でなく、プロの視点を持ち寄せてくれる存在があることがこんなに助かるとは思いませんでした。これからも地域に根ざした営業を続けながら、新しい商品展開にもチャレンジしていきたいです。本当にありがとうございました。」