※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は、都心部の飲食店で約10年間勤務した後、独立して自身の店を持ちたいと考えていました。もともと大阪南部の出身で、地域活性化への思いが強く、地元・泉大津市に残る古民家を活用したカフェの開業を目指していました。物件は築60年を超える木造建築で、内装の改装や厨房設備の導入に加え、外観や看板の整備にも相応の資金が必要でした。
当初は自己資金のみでの開業を検討されていましたが、現地視察や業者見積もりを進めるうちに、想定以上に費用がかかることが判明し、創業融資の活用を決断されました。インターネット等で情報を集めるうちに、事業計画書や資金使途の詳細な説明が融資審査に大きな影響を与えることを知り、専門的な支援が必要と判断し、当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
泉大津市は住宅地と商業地が混在する地域で、地域密着型の業態にとっては安定した客層を見込める環境です。ご依頼者様が目指す「地域資源を活かした古民家カフェ」というコンセプトは、他店との差別化が明確であり、地域住民の支持を得やすい要素が揃っていました。
ヒアリングを重ね、まず資金計画を明確化しました。古民家の内装改装費用、厨房設備の購入、冷暖房や給排水設備の更新、オープン前の広告費や什器備品の購入費などを整理し、見積書とあわせて資金使途明細書にまとめました。
次に、事業計画書の作成に着手。カフェのメニュー構成(コーヒー・手作り焼き菓子・軽食など)、価格帯、1日の平均来客数見込み、収支シミュレーションを作成。また、ターゲット層(30〜50代女性や近隣の親子連れ)、地域の競合店舗との違い、SNSやイベント出店による広報戦略についても詳述しました。
特に力を入れたのが、日本政策金融公庫の面談対策です。創業に至る背景や自己資金の蓄積状況、開業後3年以内の収支見通し、万が一の売上不振時の対応策など、想定問答を事前に練習。面談当日は落ち着いて自身の考えを説明できたとのことで、担当者の評価も高かったようです。
申請から約3週間後、450万円の融資が満額に近い形で実行され、自己資金とあわせて希望する範囲の改装・設備投資が実現できました。開業後は、地元フリーペーパーやインスタグラムの投稿を活用して集客を行い、初月から黒字化を達成しています。
お客様の声
夢だったカフェ開業を、地元・泉大津で叶えることができて本当に嬉しいです。初めてのことで不安しかありませんでしたが、行政書士の先生が一つ一つ丁寧にサポートしてくださり、書類の準備や資金計画もスムーズに進みました。
古民家という特殊な物件だったため、リフォームの費用が読みにくく、正直途中で諦めかけたこともありました。でも、現地調査に同行してくださったり、見積書の精査まで一緒にしてくださって、安心して融資申請に進めました。
結果的に満足のいく金額を調達でき、理想の内装や設備で開業できました。今は毎日常連のお客様や観光で訪れる方との会話を楽しみながら、自分らしい空間を運営しています。自分一人では到底ここまでこれなかったと思います。