※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談いただいたのは、高石市在住で15年間理容師として勤務されていた40代の男性でした。これまで大阪市内の店舗で長年店長としての役割も果たしてこられ、「いつかは自分の店舗を持ちたい」という思いを抱えながら、少しずつ開業資金を貯めておられました。
ちょうどそのタイミングで、高石市駅近くに理想的な空き店舗が出たとの情報を得て、即行動。物件の内覧から契約へとスピーディに進めたものの、内装工事費・理美容機器・広告費・開業後の運転資金などを含めると、自己資金だけでは到底足りない状況でした。
日本政策金融公庫の創業融資制度を利用することは当初から検討されていたものの、「何をどう準備すればよいか分からない」「計画書の書き方も全くイメージが湧かない」との不安が大きく、ご自身での申請は難しいと感じられていたとのことでした。インターネット検索で当事務所を見つけていただき、創業融資の実績が豊富なことからご連絡いただき、初回面談で正式なご依頼に至りました。
担当行政書士のコメント
創業融資を通すためには、単に「夢を語る」だけでは不十分です。金融機関が重視するのは、再現性のある売上計画と支出の整合性、そして借入金の返済能力です。今回のご依頼者様は、理容業界での長年の実績がある方で、接客力や技術面に関しては申し分ありませんでした。とはいえ、事業計画書という形式でそれをどう伝えるかという点については、やはり専門的な支援が必要でした。
まずは出店予定地の周辺環境を調査し、競合店舗の価格帯・営業時間・サービス内容などを分析しました。そのうえで、どういった差別化が可能かを一緒に検討し、ターゲット層や価格設定、提供メニュー構成を明文化しました。売上計画については、想定する1日の来客数と単価から月商を試算し、季節変動や稼働率も織り込んだ実現可能性の高い数字に仕上げました。
資金使途の明確化も重要なポイントです。内装工事やシャンプー台などの高額設備に関しては、すべて見積書を用意してもらい、金額の妥当性を補足。運転資金についても、当面の家賃・水道光熱費・広告費・生活費に分けて具体的に記載し、資金ショートを起こさないよう慎重に設計しました。申請金額は300万円とし、書類上でもその根拠を明確に提示できるように整えました。
また、日本政策金融公庫の面談対策として、想定質問と回答パターンを事前に練習。なぜ独立を決めたのか、どうやって集客していくのか、借入金はどのように返済するのかといった質問に対し、論理的かつ情熱的に語れるように準備を重ねました。結果、面談後2週間ほどで300万円の満額融資決定の連絡があり、無事に資金調達が完了しました。
開業後は順調にお客様が増えており、特に駅近という立地の良さと、ご本人の温かい接客が早くも評判になっているとの報告をいただいています。今後も経営アドバイスや販促面での支援を継続して行ってまいります。
お客様の声
理容師としての経験はあっても、創業となるとまったく未知の世界でした。特にお金のこと、書類のこと、数字のことは苦手で、自分では到底できないとすぐに判断して、行政書士の先生に相談しました。最初の面談からとても丁寧に話を聞いていただき、頭の中にあるぼんやりとした構想が、だんだんと「通る計画書」になっていくのを目の当たりにして、本当に頼んでよかったと思いました。
物件も契約済みで時間がなかったのですが、段取りよくサポートしてもらえたおかげで、スムーズに申請まで進めることができました。特に、面談前の練習はとても役立ちました。実際の面談でも慌てずに受け答えができ、満額の融資が通ったときは思わずガッツポーズが出ました。
今は念願の自分の店で、自分のペースでお客様と向き合える日々を送れています。忙しくはありますが、充実した毎日です。もし同じように開業で悩んでいる方がいれば、迷わず相談することをおすすめします。本当にありがとうございました。