※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
今回ご相談をいただいたのは、和泉市内の住宅街で自宅を活用した完全予約制のエステサロンを経営されている女性の方でした。地域密着型の営業スタイルで、リピーターを中心とした安定経営を続けてこられましたが、コロナ禍を機に顧客数が減少し、売上の波が大きくなっていたとのことでした。
さらに、新規顧客の獲得を目的に広告を検討していたものの、これまで一切広告を出した経験がなく、どの媒体を選べばいいのか、何をどう掲載すればよいのかも分からないという状況で足踏みをされていたそうです。また、これまでの設備もやや古くなってきており、施術の質や印象面での不安も感じていたとのことでした。
そんな中、インスタグラムで近隣の事業者が補助金を使って店舗改装をしていた投稿を目にし、「自分にも使える制度なのでは」と思ってネット検索をしたところ、当事務所のサイトにたどり着かれました。お問い合わせ後に初回面談を行い、ヒアリングの結果、小規模事業者持続化補助金の申請対象として十分な要件を満たしていることが確認できたため、正式にご依頼をいただきました。
担当行政書士のコメント
このご依頼者様は、技術力や接客スキルに強みがあり、既存顧客からの信頼も厚い方でした。ただし、広報活動や経営戦略についてはこれまで独学で対応されており、広告媒体の選定やコンテンツの作成、導線設計といった部分に課題を抱えておられました。補助金の審査では、事業の将来性や施策の効果が問われるため、現状分析と将来計画をしっかりと構築した上で申請書類の作成に取り組む必要がありました。
まずは現状の課題を明確に整理しました。顧客数が安定しない理由として、新規顧客の流入経路がなく、既存客への依存度が高い点が挙げられました。これを解消するため、補助金を活用して地域内での広告展開を行うとともに、老朽化していたベッドと施術機器を新調することで、サービス品質の向上と来店時の印象改善を図ることにしました。
補助事業として採択されるためには、単なる設備更新や広告出稿ではなく、経営計画全体として「販路開拓」につながる明確な構造を描くことが重要です。そのため、広告費の投下先としては、地域の主婦層がよく目にするフリーペーパーとWeb媒体を組み合わせ、異なる年齢層に対して段階的にリーチできる戦略を構築しました。
設備の更新についても、単に「古くなったから新しくしたい」という理由ではなく、「施術効率の向上と衛生管理の強化」「心地よさの体感を通じたリピート率の向上」などの観点から費用対効果を記述し、数値で表現できる部分については実績ベースで補強しました。
全体で約75万円程度の補助対象経費となり、補助金額は上限いっぱいの50万円を申請。結果として無事に採択され、機器の更新と広告展開を計画通りに実施することができました。補助事業が完了した後には、来店数が平均で月6〜8名増加し、過去に比べて30代の初回来店率が上昇したことも確認できました。今後はLINE公式アカウントの導入なども視野に入れておられ、引き続きご支援させていただいています。
お客様の声
以前から「いつか広告を出してみたい」と思ってはいたのですが、いざやろうとすると分からないことだらけで、結局ずっと先延ばしにしてきました。補助金のことも名前は聞いたことがありましたが、まさか自分のような小さなサロンでも使えるなんて思ってもみませんでした。
初回の相談で、「それなら十分対象になりますよ」と言っていただけたときは本当に驚きましたし、嬉しかったです。それからは広告の内容やチラシのデザイン、どの機械を導入するかまで一緒に考えてもらえて、普段一人で経営している私にとっては本当に心強い存在でした。
実際に広告が出た後は、Webからの予約や問い合わせも増え、何よりも「新しいベッド気持ちよかった」「前より明るい雰囲気で入りやすい」といったお客様の声が増えたことがとても嬉しかったです。思い切って相談して本当に良かったと思っています。今後もまた色々相談させてください。ありがとうございました。
