※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談をいただいたのは、大阪府柏原市で整骨院を営む40代の男性事業主の方でした。地元密着型の整骨院として開業以来、地域住民からの信頼を得て安定した経営を続けてこられましたが、ここ数年は新規患者の獲得が減少傾向にあり、既存顧客の高齢化も進んでいるという悩みを抱えておられました。
インターネットやSNSを活用した広告戦略には慣れておらず、チラシなどの紙媒体中心の集客手法が限界を迎えているとの認識はあったものの、日々の業務に追われて対策を打てずにいたそうです。ちょうどその頃、近隣で補助金を活用した事業者の話を耳にし、「自分の整骨院でも使える制度があるなら、前向きに検討したい」との思いから当事務所へご相談をいただきました。
初回面談では、現状の経営状況や集客の手段、リピート率、患者層の構成などをヒアリングし、「小規模事業者持続化補助金」の活用が十分可能であると判断しました。そこから本格的に申請書の作成に向けた準備がスタートしました。
担当行政書士のコメント
本件では、店舗自体の信頼度は高く、地元住民のリピーターが多数いることから、サービス品質に問題はありませんでした。むしろ課題は「新規顧客へのアプローチ手段が限られていたこと」と「若年層への認知度が不足していたこと」にありました。
補助金を活用してまず取り組んだのは、既存の古いホームページのリニューアルです。スマートフォンに対応した見やすい構成とし、施術内容や営業時間の明確化、予約フォームの設置、Googleマップへの最適化を図りました。さらに、整骨院の雰囲気や施術の流れを伝えるための動画コンテンツも撮影し、ホームページに埋め込むことで安心感の醸成にもつなげました。
また、周辺地域に向けたチラシ配布と連動したキャンペーンも企画しました。チラシにはQRコードを掲載し、特典付きWeb予約への導線を設けることで、紙媒体とデジタルの連携を意識した構成としました。申請書では、ターゲット層の属性と地域動向、近隣の競合整骨院の動向を踏まえ、補助事業によってどのような効果が見込めるかを明確に説明しました。
特に注意したのは、「単なる広告宣伝費ではなく、売上改善に直結する施策」としての説得力を持たせることでした。Web戦略や予約導線の改善を通じて来院率向上を図る点を丁寧に整理し、事業の持続性と今後の展望についても数値的な裏付けを加えました。
採択結果は申請から約1か月後に通知され、補助額上限の50万円が交付決定となりました。現在はホームページが全面的にリニューアルされ、新規の予約件数も以前の約1.5倍に増加。LINE予約やSNSからの問い合わせも少しずつ増えており、若年層の来院も徐々に増えつつあります。
お客様の声
正直なところ、最初は「補助金なんて一部の特別な人しかもらえない」と思っていました。でも、相談してみると自分のような整骨院でも対象になると知り、驚きました。やるからにはちゃんと結果を出したいという気持ちがあったので、どんな準備が必要か、何をすればよいかを一つずつ説明してくれたのは本当にありがたかったです。
ホームページのリニューアルなんて、頭では必要だと思っていても、日々の仕事に追われて後回しになっていたのですが、補助金を使えるならと思って踏み切れました。動画撮影なんて初めての経験で緊張しましたが、「自分らしさが伝わっていい感じですね」と言ってもらえたのが嬉しかったです。
今ではWebからの予約も増えてきて、「ネットで見ました」と来てくれる若い方が少しずつ増えてきました。やってよかったなと心から思いますし、何より一緒に伴走してくれる行政書士さんがいたから最後までやりきれました。今後も新しいことに挑戦していきたいです。ありがとうございました。