※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
今回ご相談いただいたのは、大阪市内の有名ベーカリーで10年以上勤務し、製造からマネジメントまで幅広く経験を積んできた30代の男性でした。将来的には自分の店を持ちたいという目標を持ち続けておられましたが、育児や家計の状況を踏まえ慎重にタイミングを見計らっていたとのことです。
そんな中、地元柏原市内で空き物件となっていた商店街の路面店舗に出会い、「この場所ならやれるかもしれない」と一念発起。すぐに物件契約の仮押さえを済ませ、機材や内装の見積もりを取り始めた段階で、「融資が通るかどうか」が最大の課題として浮上してきました。
インターネットで創業融資の支援事務所を検索する中で、当事務所のWebサイトをご覧になり、「自分一人では事業計画が不安」「初めてのことだらけで手続きに自信がない」との理由からご連絡をいただきました。初回面談では、開業への想いから現在の準備状況まで詳しくお話を伺い、支援を正式にスタートしました。
担当行政書士のコメント
今回のご相談者様は、パン職人としての経験が非常に豊富であり、技術面や店舗運営に対する熱意は十分に感じられる方でした。ただ、創業融資においては経験や情熱だけでなく、数字に基づいた事業計画の信頼性や、返済能力の根拠を客観的に説明できることが重視されます。そのため、まずは予定されている出店場所の立地を丁寧に調査し、近隣の競合ベーカリーの価格帯や来店状況を把握したうえで、売上予測の根拠を一緒に組み立てていきました。
特に重視したのは、開業初年度における現実的な販売数と客単価から導き出す月次売上計画です。ご本人が想定していた価格帯や商品構成をもとに、無理のない範囲での予測を行い、光熱費や人件費などの必要経費を差し引いた利益構造がどうなるかを明確にしました。また、機材購入や内装工事などの設備投資については、すべて見積書を用意し、借入希望額との整合性を持たせました。
公庫の面談対策についても事前に時間をかけて準備しました。想定質問と回答例をもとに、どのような流れで質問されるか、どこで熱意を伝えるかといったポイントを確認しながら、実践的な練習を行いました。面談当日は緊張もあったようですが、しっかりとご自身の言葉で説明できたとのことで、安心して結果を待つことができました。
結果として、希望額である300万円が満額実行となり、開業に必要な設備や運転資金が無事に確保できました。現在は開業後の集客施策についても継続的にご相談を受けており、地域に根ざしたパン屋として順調なスタートを切っておられます。今後もこうした地元の事業者様の創業をしっかりとサポートしてまいります。
お客様の声
「いずれは自分の店を」と思ってきましたが、実際に物件を契約してみると、資金や手続きのことばかりが頭を占めて、不安でいっぱいでした。自己資金だけではとても足りないし、でも融資を申し込むには書類も数字もちゃんとしないといけない。だけど自分で全部やれる自信はありませんでした。
そんなとき、行政書士の先生のサイトを見つけて「話だけでも聞いてもらおう」と思い連絡しました。話してみてすぐに安心できました。私のこれまでの経験や店のイメージを丁寧に聞いてくれて、それをそのまま事業計画に反映してくれたんです。
自分だけでは見えていなかった部分や、曖昧にしていた数字の根拠もしっかりと整理されて、書類が出来上がったときには「これなら通るかもしれない」と思えるほど自信が持てました。
面談前にもシミュレーションをしてもらっていたおかげで、落ち着いて受け答えができたのも大きかったと思います。結果、満額の300万円が借りられて、機材もそろえることができ、お店も無事にオープンしました。
今は毎朝3時に起きて仕込みから始まる日々ですが、来てくださるお客様の笑顔に支えられています。最初の一歩を支えてくれて本当に感謝しています。