※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は、趣味で始めたアクセサリーや布小物などの手づくり雑貨が口コミで人気となり、門真市内のイベント出店でも反響があったため、いつか自分の実店舗をもちたいと考えておられました。また、子育てしながら楽しめる手作り体験を提供したいという想いも持たれていました。物件は中心商店街から少し離れた路面スペースを確保されていましたが、内装費や什器購入、資格取得費、ワークショップ用備品、開業後の広告宣伝費など、総額で約400万円の資金が必要となり、ご自身だけでは対応しきれない状況となっていました。そこで創業融資を考え始めましたが、制度や手続に不慣れだったため、専門の支援があると安心と感じ、当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
本件では「店舗としての魅力」と「収益モデルの合理性」をバランスさせることが重要でした。手づくり雑貨とワークショップという複合業態は、実行性と採算性が両立できているかが融資審査のポイントとなります。そこで、まずはヒアリングによって想定ターゲット(子育て世代・ハンドメイド愛好者)や提供メニュー(雑貨販売・1回2,500円のワークショップ等)、開催頻度(月4回想定)などを具体化し、計画書に落とし込みました。
収支計画では、雑貨売上やワークショップ参加費を月次シミュレーションし、固定費として家賃・光熱費・人件費、変動費として材料費・広告費などを試算。初期3か月は赤字も想定しましたが、半年以内に黒字転換できるシナリオを詳細に記載することで、金融機関に事業継続の信頼性を示しました。設備費としては什器展示棚、作業テーブル・椅子、備品収納、作品撮影用コーナーなどを計上し、見積書も取得して資金使途の正確性を担保。
また、面談対策も徹底し、「顧客が少ない場合の販促策」「材料調達が滞った場合の代替案」「コロナ対策としての人数制限」などの想定質問に備えた練習を実施。これによってご依頼者様は自信をもって面談に臨むことができ、面談終了後には金融機関の担当者から「よく整理された計画ですね」との声もあったほどです。
結果として、日本政策金融公庫より申請額の90%程度(360万円)の融資が承認され、契約から内装準備・備品導入・開業準備がスムーズに進行。開業後はオープン記念ワークショップに10名以上が来場し、即日満席という盛況となりました。
お客様の声
手づくり雑貨やワークショップが周囲に喜ばれてきたので、いつか実店舗をという夢がありましたが、実際に資金となると途方に暮れていました。専門家のサポートを受け、「夢をどう数字に落とし込むか」を教えていただけたことが本当に大きかったです。
面談練習では、事業への自信だけでなく、問題が起きた時の対策まで一緒に考えてもらえたので、本番でも明確に話せたことが大きな成功要因になりました。融資が実行され、備品も揃い、念願のワークショップ開催ができたときは、感無量でした。
これからは雑貨と体験の場として、地域の方に笑顔を届けていきたいと思います。支えてくださった先生には、心から感謝しています。