※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は、長年カフェ席などでハーブティーの魅力を伝える接客業に従事してきた経験をお持ちで、守口市で「夜にリラックスできるハーブティー専門のバー」を開業したいと考えておられました。常勤勤務では得られない自由度や接客の深さを求める一方で、店舗開業のための資金調達には不安が伴っていました。
具体的には、バー運営に必要なカウンター設備および什器、ハーブ素材の仕入れ、照明や内装、さらに開業から回収期までの運転資金など合計で約350万円の資金が必要で、ご自身の貯蓄では不足が判明しました。とくに、事業計画書の項目整理や、金融機関の面談でどう伝えるかがわからず、次第に開業のイメージがぼやけてしまったため、地元で申請支援実績のある当事務所へご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
本件で重視したのは、「体験価値」と「採算性」の両立でした。夜カフェとは異なるバー形式である以上、来店者が「癒される時間」や「専門性」を感じられる設計が必要であり、それを融資に向けてどう説明できるかが鍵と考えました。
まず、ヒアリングを通じて想定ターゲットを深堀りし、「仕事帰りに一杯だけ飲んでリラックスしたい人」「夜カフェよりも落ち着いた場所を求める層」など明確に把握しました。これを元に、事業計画書では席数、単価、回転率などを根拠とともに整理。たとえばカウンター6席+立ち席設計、1人あたり平均1,200円、夜営業4時間×週5日で初月の売上見込み120万円など、収支計画を具体的に記載しました。
設備関係ではカウンターや照明には落ち着いた木製素材を用いること、内装には観葉植物を配置し癒しを演出すること、メニューには季節ごとのハーブティーやおつまみを含め、付加価値を出す構成としました。計画書には現地見積もりを引用し、信頼性を持たせています。
金融機関への提示資料としては、店舗のPR資料、内装イメージ図、見積書一覧、想定月次収支計画、リスク対策(周辺飲食店との違い、立地の強み、価格戦略)なども含めました。また、公庫面談の前には想定質問(客数未達時の価格見直し策、材料費高騰時の対応、他店との差別化点など)を質問リストとして準備し、回答練習も行いました。
このように準備したことで、申請から約3週間で希望額の330万円の融資承認を獲得。実行資金が確保された後、店舗の契約と内装工事がスムーズに進行し、開業までのスケジュールに遅れなく着手することができました。
お客様の声
ハーブティーの魅力をもっと伝えたいという気持ちは持っていましたが、開業という現実的なステップには想像以上に資金や書類の壁がありました。最初は「本当に自分にできるのか」と不安でしたが、先生が「あなたの経験と想いには確かな価値がある」と背中を押してくださり、計画書を作りながら自分でも未来が見えてくるようになりました。
面談準備では、想定質問への回答を繰り返し練習させてもらえたので、本番も落ち着いて話すことができました。結果的に融資が下りて、初めての店舗契約を前に「やっと始められる」と胸がいっぱいでした。
開業してから、お客様に「癒される」「この雰囲気好き」と言ってもらえる声を聞くと、準備して良かったと心から思います。これから守口の夜の一角を、ハーブティーで安らぎのある場に育てていきたいです。本当にありがとうございました。