※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は、大阪市内のベーカリーで勤務経験を積み、寝屋川市に小さな店舗を構えて独立を果たされた女性オーナーです。開業当初は口コミや常連に支えられて順調でしたが、初年度を過ぎる頃から、新規顧客獲得に頭打ちを感じ始めました。特に周辺エリアでは若い子育て世代が増えており、「おしゃれで手軽に選べるパンとコーヒーが欲しい」というニーズが潜在的に存在することに気づきつつも、宣伝や販路拡大にかけられる資金と時間がないと感じていました。
自社ECの導入にも挑戦したものの、既存のネットショップ利用料や撮影コストを自己資金で賄うのが困難で、補助金を活用しながら販促施策に取り組む必要性を感じられていました。そんな折に小規模事業者持続化補助金の存在を知り、「自分の店を次のステージへ押し上げるチャンス」と判断。手続きには不慣れであったため、申請サポート実績のある当事務所へご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
本件では、「店舗づくり」と「魅せる販促」の両輪が重要でした。補助金は販路開拓のための取り組みが焦点となるため、ただおしゃれになるだけでなく「お客様がどんな体験をするのか」を磨く内容を計画に盛り込む必要がありました。
まず、店舗改装ではコーヒー豆のディスプレイ棚を新設し、居心地の良さと体験性を高める内装に変更。店内奥には、子育て世代がくつろぎながら接客できるカウンター席の追加も計画に取り込みました。これにより、地元客やママ友同士での来店が増える導線設計を意識しました。
販促面では、プロカメラマンによるインスタ映えする商品撮影を実施し、Instagram広告のターゲティング戦略やチラシ制作・配布も申請対象に含めています。EC導線は、自社サイトを新規構築し、定期便プラン(パン+コーヒー)を導入する計画も含みました。オンライン販売開始を起点に、市外からの購入者を増やす流れも同時に打ち出しました。
申請書では、施策ごとの成果指標(来店数、EC注文数、SNS反響数)をKPIとして明示。「実施後3ヶ月でEC月商10万円」「Instagramフォロワー1,000名増」「紙チラシ経由来店20%増」など具体的目標を設定し、実現可能性を示しました。また、販促費だけでなく改装費も補助対象とする根拠を丁寧に説明することで、審査員に対する説得力を高めました。
申請後、審査を通じて補助金は満額採択。実行段階では改装完了後のリニューアルオープンと同時に、撮影した写真素材を活用したSNS広告とチラシ配布を実施し、地元メディアにも取り上げられました。
お客様の声
「寝屋川は働き盛りのファミリーが多い地域と感じていたものの、うちの店がそこまで伝わっていない実感がありました。補助金と出会えて、本当に良かったです。」
お客様は、プロによる写真や丁寧につくられたチラシ、内装の雰囲気が整ったことで「自分の店にも誇りを持てるようになった」と話されています。オープン翌週からはSNS経由で新規顧客からの来店が続き、「こんなお店を待っていました」と声をかけられる機会も増えているとのことです。
「EC注文も家族や親戚に送る用途で増え始めており、『寝屋川に住んでいてよかった』と共感されることが嬉しいです。これからも地域とオンライン、両方で愛される店に育てていきたいと思います。本当に感謝しています」と語っておられました。