※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は長年、地域の障がい者支援施設で相談員として勤務しており、日々の中で「障がいのある方にも地域での働く場や居場所を持ってほしい」という思いを強めていました。交野市でも福祉系カフェの数は少なく、自身の経験と地域ニーズがマッチするビジネスモデルを計画されていました。
実際に駅近くの物件を見つけ、開業準備を進めていたものの、厨房設備や内装、福祉用具の導入、チラシ制作や人員確保などの運転資金も含めて、約500万円の費用が必要で、自己資金だけでは賄えない状況でした。そこで、創業融資の活用を検討し、創業支援に強い専門家を探す中で当事務所にお問い合わせいただきました。
担当行政書士のコメント
本件では「福祉的価値」と「収益性」を両立させる創業計画の書き方がポイントでした。支援経験のある相談員という立場が強みである一方、飲食業との融合には金融機関側からの理解が必要です。そのため、事業内容の目的や運営体制、利用者数の見込み、収支計画を丁寧に記述しました。
計画書の構成では、まず事業の社会的意義を冒頭に明示し、店舗利用者のターゲット(高齢者、障がい者、その家族等)と提供メニュー(軽食・コーヒー・手作りスイーツ等)を明確にしました。加えて、「福祉用具の整備」「バリアフリー設計」「就労支援プログラム」の項目を詳細に書き込み、支援対象者が具体的にどのような作業に関わるか等も盛り込みました。
資金使途には厨房機器、カフェ用什器、福祉用具や安全対策費、宣伝費、スタッフの人件費、開業後半年間分の運転資金を含め、総額500万円のうち、自己資金150万円、融資希望額350万円としました。売上は月50万円程度、半年以内に黒字転換、1年後には月商100万円超を目指す計画を策定し、融資面談でも数値の裏付けができるよう収支計画表を提示しました。
面談準備では、「利用人数が思ったより伸びなかった場合はどう対応するか」「メニュー単価をどう見直すか」「地域ボランティアとの連携は可能か」など予想質問に対する答えを一緒に整理。金融機関の担当者からも「実行力が高い計画」と評価され、申請から3週間で融資承認となりました。
お客様の声
福祉分野で働いてきた中で、いつか自分の場所を持ちたいと思っていましたが、資金の壁に阻まれてなかなか前に進めずにいました。相談し始めたときには「本当に自分に店が持てるのか」と不安ばかりでしたが、先生は私の思いを引き出し、計画書に丁寧に落とし込んでくださいました。
面談への対策や数字の整理も手伝っていただけたので、自信を持って臨むことができました。融資が決まったときには、本当にほっとして涙が出そうでした。これから開業に向けて動き出しますが、利用者の方が「この場所があって嬉しい」と言ってくれる日を思い描くと、心が温かくなります。
これから交野市で福祉と飲食を融合した事業を考えている方には、ぜひ専門家に相談してスタートを切ってほしいと思います。