※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様はビーガン食に関する知識を独学で身につけ、大学在学中からSNSを通じてレシピや健康情報を発信してきた方です。卒業後は大阪市内のオーガニックレストランで勤務し、調理経験を積んだうえで「自分の店を持ちたい」との夢を強く持つようになりました。
吹田市内でも特に健康志向の高いエリアに、好立地の物件を自分で見つけて出店を検討されましたが、店舗内装や厨房機器購入、食材の仕入れ、運転資金など総額で約450万円の資金が必要と判明。自己資金だけでは不足していることから、日本政策金融公庫の創業融資制度の活用を検討し、専門サポートを必要として当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
本件は「SNS発信力」「健康志向」「地域密着」という強みを、計画書にどう具体的に反映するかが重要でした。まず初回面談では、依頼者様が投稿しているSNSアカウントや投稿数、フォロワーの反応などを確認し、これを集客ルートとして計画書に明示するよう構成しました。
出店予定エリアは吹田市内でも若年層やファミリー層が多く、ペットボトル飲料よりも健康志向の飲食への需要が高いという現地調査を行い、マーケット分析として資料に添付しました。これにより「地域のニーズと合致した業態」であることを裏付けました。
融資希望額と自己資金比率については、厨房設備費・内装工事・広告宣伝費・運転資金を明確に項目化し、必要性が理解されやすいよう整えました。売上計画では、モーニング・ランチ・テイクアウトを含め、1日30食・平均客単価1,200円で月商110万円を見込むシナリオを作成し、収支の整合性も丁寧に示しました。
さらに、創業後の会員カード導入やSNSによる予約導線の仕組み、地域イベントやマルシェへの出店計画なども盛り込むことで、収益安定と集客拡張策を二軸にして計画を補強しました。
これらの内容を基に申請した結果、日本政策金融公庫より希望額に近い440万円の融資が承認され、契約から開店準備までがスムーズに行われました。店舗は3か月後にオープンし、SNSでの告知と地域口コミがすぐに広がり、オープン初月から目標売上を大きく上回る実績を出しています。
お客様の声
SNSで発信し続けてきた情報が、こうしてカフェという場に生かされる日が来るとは思っていませんでした。融資の話を聞いたときは「自分にできるのか」と不安でいっぱいでしたが、先生が私の投稿歴や想いを丁寧にすくい上げてくれたことで、自信を持って計画を進めることができました。
事業計画書に数字を入れるのは大変でしたが、「なぜその数値にしたのか」を一緒に考えてもらえたことが心強かったです。融資が通ったときは本当に嬉しく、SNSで「おめでとう」とコメントをもらったときの喜びも格別でした。
オープンした今では常連さんも徐々に増え、「健康志向でいいね」「ここ落ち着く」と言っていただけることが多くなり、自分の想いに共感してくれる人がいることを実感しています。これからも地域の皆さんに愛されるカフェを目指して頑張っていきます。