※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談者様は、大阪府高槻市で三代続く老舗和菓子店を経営されていました。地域密着型の店舗として、地元の法事・贈答品・祭事などで長年親しまれてきましたが、コロナ禍以降、集客が激減。特に、高齢の常連顧客の外出機会が減ったことや、若年層との接点の希薄さが売上低迷の要因となっていました。
元々は商店街内の立地で、地元の支持は厚かったものの、オンライン販路は未整備で、検索にも出てこない状態。時代に合わせた情報発信の必要性を感じていたところ、知人の勧めで小規模事業者持続化補助金の存在を知り、当事務所へご相談にお越しいただきました。
担当行政書士のコメント
本件は「長年続けてきた伝統」と「今後に向けた刷新」のバランスを、補助事業計画書にどう落とし込むかが最大のポイントでした。ご相談者様には伝統ある製法や定番商品の強みがありましたが、それが若年層に伝わる導線が圧倒的に不足していたため、まずは「情報発信力」の強化に焦点を当てました。
具体的には、プロによる店舗用ホームページの制作、Googleビジネスプロフィールの最適化、Instagramアカウントの新設と運用支援、さらには既存商品のパッケージ刷新(ギフト対応)を補助対象経費として申請。高槻市内での観光土産需要を意識した導線も盛り込みました。
事業計画書では、「和菓子=年配向け」という既存イメージから、「若年層にも刺さるおしゃれなギフト」への転換を、事業の目的として明確に記載。商品写真のビジュアル戦略や、「和スイーツ」の新商品開発にも言及し、変化と継続を同時に訴求できる構成にしました。
また、商店街との連携イベントや地域マルシェへの出店計画も記載することで、既存客との接点維持と、新規層へのアプローチの両立を図りました。
補助金の審査では、「持続性」と「地域との連携」「新たな顧客層への展開」が高く評価され、見事採択。補助対象経費のうち、約80%の補助を受けて、ホームページ・SNS・パッケージ刷新・広報物制作を一気に実施することができました。
お客様の声
祖父の代から続く店を守るという意識はありましたが、正直なところ「ネットやSNSで売るなんて、自分には無理」と思い込んでいました。でも、先生が「時代に合わせて“伝える”努力をすることが、これからの継続につながる」と言ってくださり、決心がつきました。
書類作成は想像以上に大変で、一人では絶対にできなかったと思います。ヒアリングではこちらの想いを丁寧に聞いてくださり、文章にしてもらった計画書を見たときは「これが自分の店の未来なんだ」と前向きになれました。
おかげさまで、今ではInstagramから来店される若いお客様も増え、手土産として和菓子を買っていく姿を見ると、「変えてよかった」と心から感じます。補助金に挑戦して本当に良かったですし、迷っている方にはぜひ専門家に相談して一歩を踏み出してほしいです。