※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談者様は、茨木市で約15年にわたりベーカリーカフェを営まれている個人事業主の方でした。地元では一定の認知があり、常連のお客様にも支えられていましたが、コロナ禍を境に来店客数が激減し、特に若年層からの集客に苦戦していました。
これまで口コミ中心で運営していたため、ホームページもなく、SNSも一切運用していなかった状況です。店舗自体も年数が経っており、店内の照明や内装がやや古く感じられるとの声も聞かれるようになったため、「このままでは廃業になってしまうかもしれない」と強い危機感を抱いておられました。
そんな中、小規模事業者持続化補助金の存在を知り、「改装と広告宣伝を支援してもらえるなら、再起のチャンスにできるかもしれない」と考え、当事務所に申請の相談をされました。
担当行政書士のコメント
本件のポイントは、「ベテラン経営者による再チャレンジに対して、いかに現実的かつ効果的な改善施策を構築できるか」でした。ご相談者様はパン作りの技術に長けており、味や商品には定評がありましたが、時代の流れに対応しきれず販路開拓に苦戦されていた点を、申請書において“改善の余地”として前向きに表現することを意識しました。
まず、改装内容としては、老朽化していた照明や壁紙の張り替え、木目調の落ち着いたカフェ空間へのリニューアルなど、「入りやすく長居したくなる空間づくり」を軸にしました。さらに、テイクアウト対応の動線やカウンター設計の見直しも盛り込みました。
販路開拓策としては、プロによるホームページ制作、Instagram・LINE公式アカウントの開設と運用支援、地域向けチラシの制作・配布、Googleマップの口コミ管理強化などを計画。費用対効果が明確であり、補助対象経費としても過不足ない範囲に収めました。
事業計画書では、「既存顧客の属性分析」「これまでの売上推移と改善後の見通し」「SNSによる来店動機づけの仕組み」などを、図表やシミュレーションを用いて可視化。これにより、経験豊富な事業者が時代に即した改善に挑戦する説得力あるストーリーを構築することができました。
結果、補助金は満額近く採択され、店舗改装と広告施策の両立が実現。特にInstagramを通じて新たな若年層顧客を獲得できたことが大きな成果で、来店者数・売上ともに前年比120%以上を記録する月もありました。
お客様の声
正直、補助金申請なんて自分には無理だと思っていました。でも、先生に話を聞いていただく中で、「今の自分に足りないもの」「今からでもできること」が明確になり、気持ちが前向きになりました。
特に印象に残っているのは、「長く続けてきたお店だからこそ、時代に合わせて変えていく必要がある」という言葉でした。申請書類は本当に細かくて、自分一人では絶対に通らなかったと思います。おかげさまで、店の雰囲気も明るくなり、お客様からも「入りやすくなった」と言っていただけるようになりました。
また、Instagramを通じて新しいお客様と出会える喜びも知ることができ、日々の営業にもハリが出てきました。「やってみてよかった」という気持ちでいっぱいです。同じように悩んでいる方には、ぜひ専門家の力を借りてチャレンジしてほしいです。私自身が、そのおかげでまた頑張れているのですから。
