※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様はかねてよりスパイスカレーに強い関心を持ち、休日には大阪市内の人気店を食べ歩いたり、自宅でオリジナルのレシピを試作したりするほどの情熱をお持ちでした。以前はIT企業で会社員として働かれていましたが、飲食業に転身し、自らの店を持つという夢を実現すべく、独立開業を決意されました。
物件は茨木市内の商業施設近くで、ランチ需要やテイクアウト需要の見込める好立地。初期費用として店舗内装・厨房設備費用・食材仕入・広告宣伝費などが必要で、資金調達のために創業融資制度の活用をご検討されていました。
しかし、創業計画書の作成経験がなく、金融機関に対する説明の仕方や自己資金の割合、数値計画の妥当性などに不安を感じておられ、当事務所にサポートを依頼されました。
担当行政書士のコメント
本件では「強い事業への想い」と「実務経験が乏しい」という両面をどうバランスよく伝えるかが重要なポイントでした。ご依頼者様はカレーへのこだわりや独自性に非常に熱心でしたが、金融機関にとっては安定性・継続性・数値的な裏付けも不可欠です。
そこで、まずはスパイスカレー市場の動向を整理し、茨木市内の競合店調査、ターゲット層の絞り込み(20〜40代の男性会社員と健康志向の女性層)など、マーケティング視点から計画書を構築しました。また、週替わりメニューや季節限定メニューなど、飽きられにくい商品設計に関する工夫も文書化し、実現可能性を高める構成にしました。
さらに、開業初年度からの売上見込と費用シミュレーション(原価率、人件費、家賃、水道光熱費など)を詳細に計算し、3年間の損益計画・資金繰り計画も提出。自己資金については貯蓄履歴の提示や、アルバイト収入の積立実績なども記載し、「計画性のある創業準備」として評価されるよう意識しました。
結果として、日本政策金融公庫より希望額に近い形での融資が実行され、無事に物件契約と工事が完了。予定通り開業を果たされ、開店直後から口コミが広がり、SNSを通じて若い層の集客にも成功されています。
お客様の声
もともと「自分でカレー屋をやりたい」という思いはあったのですが、いざ融資や計画書となると分からないことだらけで、正直、最初は不安しかありませんでした。でも行政書士の先生が一つひとつ丁寧に聞き取ってくれて、自分では思いつかないような視点から内容を整理してくれたことで、少しずつ自信がついていきました。
特に、漠然としていたアイデアを、金融機関に伝わる「計画」に落とし込んでくれたのはありがたかったです。「このまま出せば大丈夫」と背中を押してもらえたときは、本当に心強かったです。
おかげさまで融資もスムーズに通り、念願だったお店を無事にオープンできました。まだまだこれからですが、「自分の味」で勝負できる舞台ができたことに感謝しています。これからも頑張っていきますので、開業を目指す方にはぜひ専門家の力を借りることをおすすめします。