※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は豊中市出身の女性で、保育士として10年以上のキャリアを積んでこられました。育児支援や子どもとの関わりに強い想いを持ちながら、もう一つの夢として「カフェ経営」を持ち続けていたそうです。二人のお子さんの子育てを経験する中で、「ママたちが子どもを預けてホッと一息つけるような場所があれば」という思いが強まり、保育スペースと飲食空間を融合させた“保育園併設型カフェ”という独自の業態を構想されていました。
物件は豊中市内の閑静な住宅街に見つかり、開業への準備は順調に進んでいたものの、課題はやはり「資金調達」でした。厨房設備や保育スペースの整備、各種備品や人件費などを含めると初期費用が大きく、自己資金だけでは難しい状況。創業融資を活用したいが、創業計画書の作成や金融機関とのやりとりに不安があり、専門家のサポートを求めて当事務所にご相談くださいました。
担当行政書士のコメント
本件は、従来にないビジネスモデルをどう金融機関に理解してもらうかがポイントでした。ご相談者様は、保育士としての経験と飲食に対する明確なビジョンをお持ちで、事業内容も社会性が高く、地域ニーズとの整合性も十分でした。これらの強みを事業計画書にきちんと反映させることで、創業融資の審査通過につながると判断しました。
まず、事業計画書では「コンセプトの明確化」に重点を置きました。単なる飲食店ではなく、「子育て支援」と「地域交流」を融合させた拠点であること、保育スペースの運用における安全性と法令遵守をどのように確保するか、スタッフの構成、営業時間の設計など、具体的な運営計画を詳細に記載しました。
また、保育所との連携状況や地域子育て支援センターとの関係づくり、近隣住民からの理解や期待など、定性的な情報も含めて説得力あるストーリーとして構築しました。売上計画では、カフェ利用者数やリピート率、子育てイベントによる集客効果などをシミュレーションし、現実的な数字を用いて返済可能性を明示。さらに、保育士資格を活かした他事業(ベビーシッターサービスや育児相談会など)の可能性についても触れ、多角的な収益構造をアピールしました。
結果として、日本政策金融公庫の担当者からも好感触を得られ、満額近い融資が決定。事業の社会性と収益性のバランスが高く評価された形でした。融資決定後は物件契約、工事発注、人材確保、開業準備までスムーズに進行し、オープン初月から近隣の子育て層を中心に多くの来店があり、順調な滑り出しとなりました。
お客様の声
子どもが小さい頃、行きたいお店があっても気を遣ったり、泣いたら出なきゃいけなかったり…そんな経験から、「ママたちが安心して過ごせる場所を自分でつくりたい」とずっと思っていました。でも実際に開業するとなると、不安や疑問が次々に出てきて、「資金のこと」「書類のこと」「金融機関とのやり取り」など、自分一人では限界があると感じていました。
そんなときにこちらの行政書士さんに出会い、親身に話を聞いてくださって、どんな些細なことでも相談できたのが本当にありがたかったです。自分の想いやアイデアを「事業計画」という形にしてくれたことで、私自身も気づけなかった強みに気づくことができましたし、それが金融機関にも伝わったことが嬉しかったです。
開業してからは毎日が忙しくも充実していて、お客様の「こんな場所が欲しかった」という声を聞くたびに、「あのとき思い切って相談して良かった」と心から思っています。これからも子育て世代に寄り添えるお店として、地域に根差して頑張っていきたいと思います。