※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は池田市内の住宅街で和菓子店を営まれており、地域の人々に親しまれる存在として30年近く営業を続けてこられました。職人としての腕は確かで、昔ながらの製法を守りつつ、地元の素材も取り入れた季節限定商品などを定期的に開発し、地域密着の姿勢を貫いておられました。
しかし、コロナ禍以降は来店客数の減少が続き、とくに若年層の来店が激減。「このままでは店の将来が見通せない」と危機感を抱いておられました。そこで、SNSを活用した広報や、パッケージの刷新、マルシェなどへの積極的な出店によって、新たな層へのアプローチを検討。これらの取り組みにかかる費用について、小規模事業者持続化補助金の活用を視野に入れ、当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
本件は「老舗和菓子店の再ブランディング」がテーマとなる補助金活用でした。まず、現状の課題を可視化するため、既存顧客の属性分析と、過去の売上データの傾向を整理し、「どの層を新たに取り込むか」を明確にしました。今回は30〜50代の女性層をターゲットに設定し、その層に向けたパッケージデザインや販促物の方向性を検討しました。
補助金の対象経費としては、①商品パッケージの刷新、②ブランドロゴのリニューアル、③InstagramなどSNS運用の強化に伴うコンサルティング費用、④マルシェ出店時の什器購入費、⑤新たなチラシやパンフレット制作費などを計上。いずれも「売上向上のための具体的な施策」であることを明確に記載し、計画書に盛り込みました。
また、ストーリー性も重視し、ご依頼者様の和菓子づくりへの思い、地域との関係性、伝統の継承という点を丁寧に描くことで、単なる販促ではなく「地域文化の価値を守るための挑戦」という位置づけにしました。
結果として、申請は無事に採択され、補助金の交付決定後はすみやかに取り組みをスタート。リニューアルされたパッケージは若年層にも好評で、Instagram経由での新規来店も増加。イベント出店による新規顧客の開拓にも成功し、事業終了報告書の提出時には売上が前年同月比で約30%アップという成果につながりました。
お客様の声
昔ながらのやり方で商売を続けてきましたが、ここ数年は本当に厳しく、将来のことを考えると不安ばかりでした。新しいことに挑戦しようと決めたものの、どこから手をつけていいか分からず、補助金も「難しそう」という印象があってなかなか踏み出せずにいました。
そんなとき、地元で補助金申請の実績がある行政書士事務所を知り、相談させてもらいました。初回の面談からとても丁寧に話を聞いてくださり、「自分の強み」や「お客様にどう伝えるか」を一緒に考えてくれたのが印象的でした。補助金の書類も難しい専門用語を分かりやすく説明してもらい、安心して任せることができました。
申請が採択されたときは本当にうれしかったですし、リニューアルした商品を見たときには「よし、これで勝負できる」と思いました。実際に若いお客様の反応もよく、イベントでもたくさんの方が立ち止まってくれるようになり、売上も順調に伸びています。
挑戦するきっかけをくれた補助金と、それを全力で支えてくださった事務所には心から感謝しています。これからも、地域の味を守りながら、進化し続ける和菓子店でありたいと思います。