※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は大阪市内の広告会社に長年勤務し、ライフスタイルを見直す中で自然豊かな能勢町への移住を決意。以前から興味のあった「地元の野菜を使った身体にやさしい料理を提供するカフェ」を自身で運営したいという夢を実現すべく、築50年の古民家物件を借りて改装し、カフェとして活用する構想を立てていました。
しかし、実際に開業に向けて準備を進めると、設備費や改装費、厨房機器購入費に加えて初期仕入れや広告宣伝費など、合計で500万円近い資金が必要であることが判明。自己資金ではまかないきれない部分を補うため、創業融資の利用を検討することになりました。
ただ、事業計画書の作成や数字の根拠づけに不安があり、専門家の支援を求めて当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
ご依頼者様の事業構想は非常に明確で、ターゲット層や提供メニュー、地元との連携体制も具体的でした。特に能勢町という土地柄、地元野菜の供給体制や観光・移住促進の流れとの親和性が高く、「地域資源を活用した持続可能な小規模ビジネス」としての評価が期待できると考えました。
事業計画書では、1日平均来客数15〜20人、客単価1,200円、週5営業を基本とし、月商30万円前後からスタートするモデルを提示。ランチ・カフェタイムだけでなく、週末にはマルシェや料理教室も併設し、徐々に地域内外からの集客を増やす計画も盛り込みました。
費用の内訳としては、厨房機器一式(業務用冷蔵庫・製氷機・オーブンなど)、古民家改装費(キッチン・トイレ・水回り改修)、什器(テーブル・椅子・照明)に加え、開業広報費としてSNS広告費、印刷物作成費なども明確に記載しました。
また、地域との協力体制として、地元農家との仕入れ契約や能勢町の観光協会との連携も添付資料として整理。ご本人の経験・意欲に裏付けられた実現可能性の高い計画として、金融機関に十分アピールできる資料を整備しました。
その結果、公庫との面談も非常に好印象で進み、希望額の満額に近い480万円の融資が決定し、スムーズに事業がスタートしました。
お客様の声
大阪市内で働いていた頃、いつか自然の中で人が集まれる場所をつくりたいと思っていました。でも、いざ実現しようと思うと、「お金の壁」にぶつかりました。設備や改装費用が思った以上にかかることがわかり、創業融資を受けるしかないと感じたものの、自分で資料を作る自信がなかったんです。
そんなときに行政書士の先生に出会い、丁寧に話を聞いてもらって、「こうすれば伝わりますよ」と一緒に計画を練ってくださったことで、融資が現実のものとなりました。古民家の改装や備品の手配も順調に進み、オープンから毎日多くのお客様に来ていただいています。
とくに地元の農家さんから「うちの野菜を使ってくれてありがとう」と声をかけてもらえたことが何より嬉しかったです。今では、食を通じて地域とつながれる場になっていて、本当にやってよかったと思っています。
融資が決まらなければ、ここまで来れなかったと思います。最初の一歩を支えてくれた行政書士の方に心から感謝しています。