ご依頼の経緯
依頼者様は長年、介護職として高齢者施設で勤務してきた経験があり、「地域の独居高齢者に温かくて栄養のある食事を届けたい」との思いから、配達弁当をメインにした小さな店舗の立ち上げを決意されました。
拠点は大阪市西成区の住宅街で、交通アクセスが良く、周辺に高齢者世帯も多い地域。自身の介護経験を活かして、咀嚼が難しい方向けのやわらかいメニューや、塩分を抑えた健康志向の弁当を構想しておられました。
しかし、開業に際しては、厨房設備や包装資材、広報活動の費用が重く、特に「どのようにして地域住民に存在を知ってもらうか」という課題に直面していました。小規模事業者持続化補助金の存在を知り、自力での申請も考えたものの、専門的な書類作成に不安を感じて、当事務所へ相談に来られました。
担当行政書士のコメント
この事例では、「地域に根ざした健康志向の配食サービス」が明確な補助事業の目的となっており、非常に説得力がありました。依頼者様の介護職としてのバックグラウンド、開業場所の地域特性、顧客ターゲットの明確さは、申請において非常に有利に働く要素でした。
補助対象経費としては、①店舗紹介とメニュー案内を掲載するホームページ制作費、②チラシ作成・印刷・配布費用、③保温機能付きの弁当容器購入費を中心に構成しました。さらに、開業後のSNS活用方針や、LINEによる注文受付・リピート顧客向けの割引施策なども計画に含め、継続的な販促体制があることを示しました。
「顧客単価800円・1日30食・週6営業」といった具体的な数値モデルを提示し、チラシ配布による新規獲得数とリピート率も見込み計算に含めることで、費用対効果を明確に打ち出しました。また、配達対応エリアの地図を活用して視覚的に伝えられるような資料づくりもサポートしました。
書類作成から添付資料の整備まで一貫して対応し、無事1回の申請で採択となり、補助金を活用した開業準備と広報活動がスムーズに進行しました。
お客様の声
私はこれまで介護職で働いていて、「この地域には、ちゃんとした食事がとれず困っている方がたくさんいる」と感じていました。自分でお弁当を届けられるお店を持ちたいと思ったのは、そんな日々の中で生まれた想いです。
でも実際にお店を開くとなると、想像以上に費用がかかり、何をどう準備したらいいのかもわかりませんでした。補助金の制度を知ってからも、「申請は難しいのでは?」と不安になり、思い切って行政書士の先生にお願いしました。
申請の書類を作るにあたって、私の話をじっくり聞いてもらい、想いや構想をきちんと文章と数字に変えてくれたのがとても心強かったです。特に、チラシやホームページを使って地域に広報するという提案が、本当に助けになりました。
補助金が決まってからは、チラシを配ったその週から問い合わせが増えて、「近所にこんなお弁当屋さんができて嬉しい」と言ってくださる方もいて、涙が出るほど嬉しかったです。
今では配達のお客様と顔を合わせて「ありがとう」と言い合える関係ができてきて、やってよかったと心から思います。補助金を通じて、ただのお店開業ではなく、「地域の中に根づく場所」を作ることができました。本当にありがとうございました。