※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
依頼者様は、美容室での勤務経験が20年以上あるベテランの美容師で、これまで多くのお客様のスタイルを手がけてきました。近年では、常連のお客様から「母の髪も切ってあげてほしい」「介護施設に通ってくれたら助かる」などの声を受けることが増え、「外出困難な高齢者にも美容の力を届けたい」と強く思うようになったそうです。
平野区は高齢化率が高く、福祉施設も多いため、訪問美容サービスのニーズは高いと感じていたものの、設備費や車両購入、開業に伴う広告宣伝費の負担が課題でした。日本政策金融公庫の創業融資を活用すれば事業を形にできると判断し、融資申請を決意。しかし、事業計画書の作成や融資面談の準備に不安があり、当事務所にご相談をいただきました。
担当行政書士のコメント
訪問美容サービスは、社会的意義が高い事業であり、特に地域性が色濃いサービスのため、地元住民のニーズとの一致を示すことがポイントです。今回の依頼者様は、美容師としての豊富な経験をお持ちで、かつ地域密着での実績があったため、創業計画として非常に説得力のあるものでした。
創業融資の申請にあたり、まず事業の対象エリアとサービス内容を明確に整理しました。対象は在宅の高齢者や介護施設利用者で、カット・カラー・パーマなどの基本施術に加え、話し相手としてのコミュニケーション提供も重視していることを強調しました。
経費面では、訪問用の軽自動車購入費、移動式シャンプー台や消毒器材などの美容機器、チラシ作成と地域への配布費用を計上しました。また、初年度の収支予測においては、既存顧客の紹介・介護施設との提携見込みを売上の根拠として記載し、現実的かつ堅実な収益モデルを示しました。
面談では、依頼者様がこれまでに受けた高齢者からのニーズの声を例に挙げながら、「このサービスが地域の生活にどのように役立つか」を丁寧に説明していただきました。その結果、無事に満額の創業融資を獲得し、予定していた設備投資と広報をしっかりと実行に移すことができました。
お客様の声
訪問美容を始めたいという想いはあったものの、実際にどこから手をつければよいのか分からず、融資のことも「難しそう」という印象しかありませんでした。そんなとき、知人から「行政書士さんに相談してみたら?」と勧められ、こちらの事務所に問い合わせました。
最初の面談では、自分の想いをとても丁寧に聞いてくださり、「それなら、創業融資を使えば実現できますよ」と言っていただけて、気持ちがぐっと前向きになりました。事業計画書も一緒に考えてくださり、自分が気づかなかった強みや補足すべき点をたくさん教えていただきました。
融資の面談前にはリハーサルまでしてもらえて、本番も落ち着いて受け答えできました。無事に融資が通って、設備をそろえ、チラシを配ってサービスをスタートさせることができ、今では少しずつ依頼も増えています。
何より嬉しいのは、お客様のご家族から「ありがとう」と言っていただけることです。地域の中で必要とされている実感があり、自分自身もやりがいを感じています。支えてくださった先生に感謝しています。