※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
依頼者様は、動物看護師として長年勤務した経歴を持つ40代の日本人女性です。自身のペットがアレルギーを持っていたことをきっかけに、無添加・手作りのおやつを独自に研究するようになり、同じ悩みを持つ飼い主のために専門店を立ち上げたいという夢を持つようになりました。
開業場所には、犬の散歩コースとしても人気の高い鶴見区の公園近くの路面店舗を選定。すでにメニュー構成や仕入ルート、必要な厨房機器の見積もりなどは用意していましたが、資金の調達が最大のハードルでした。
特に、自宅とは別の店舗を賃貸して設備投資を行う必要があり、日本政策金融公庫の創業融資を検討。しかし、初めての申請であるうえ、事業計画や数字に不安があったため、書類の作成と面談準備を含めて専門家の力を借りたいとのことで当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
ペット関連業種は、ニッチながらも近年成長が続く市場であり、創業融資でも注目される業態の一つです。ただし、商品が一般的な飲食店や物販とは異なるため、事業計画の伝え方や根拠付けには工夫が必要になります。
まず、依頼者様が描く店舗のコンセプトを明確化し、なぜ無添加にこだわるのか、どういった商品ラインナップを想定しているのか、ターゲット層がどのエリアにどの程度存在するのかといった点を一つひとつ整理しました。
収支計画については、商品単価・原価率・月間販売予測・平日と週末の変動要因などを丁寧に分析し、現実的かつ拡張性のある数字に落とし込みました。また、公庫担当者に安心感を与えるため、仕入業者との見積もりや設備費の根拠資料も添付しました。
面談対策では、「なぜ今この事業なのか」「競合との差別化は何か」「資金使途に無駄はないか」といった質問を想定して模擬面談を複数回実施。結果として満額に近い形で融資が決定し、内装工事・厨房機器・販促費用に充てることができました。
開業後は、SNSを活用したマーケティングが功を奏し、地域のペットオーナーの間で話題に。手作り体験ワークショップや地元イベントへの出店など、地域密着型の販路開拓にもつながりました。
お客様の声
最初は、「本当に自分が店を持てるのだろうか」と不安でいっぱいでした。自己資金では到底足りず、でも金融機関にお金を借りることに対して怖さもありました。そんな中で、創業融資という制度があることを知り、なんとか形にしたいと思い相談させていただきました。
こちらの事務所では、事業に対する私の思いをしっかり聞いてくださり、何をどう計画に落とし込めばいいのかを丁寧に教えてくれました。数字に関しても、全体の流れや考え方を一緒に整理してくれたので、安心して準備ができました。
何より、面談前に何度も練習してもらったおかげで、当日も自分の言葉でしっかり伝えることができたと思います。融資が通った時には、「これで本当に始められる」と嬉しくて涙が出ました。
今では常連のワンちゃんたちの顔を見るのが毎日の楽しみです。夢だったお店を持つことができたのは、あのとき思い切って相談したからこそだと思っています。