※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
依頼者様は、住吉区で40年以上営業してきた中華料理店の二代目として、父親から事業を引き継いだばかりの日本人男性です。元々は東京で飲食業界の経験を積み、いずれは実家を継ぎたいという思いから大阪に戻り、本格的に事業承継に取り組むことになりました。
店舗は地元では知られた存在でしたが、外観や店内の老朽化が進み、客層も高齢者が中心になっていたため、「このままでは将来がない」という危機感があったとのことです。若い世代にも来店してもらえるよう、店内の雰囲気を改善し、SNSを活用した情報発信にチャレンジしたいという強い意志を持っておられました。
しかし、改装費や厨房の入れ替えに自己資金の多くを使ったため、広告やメニュー改訂、看板設置といった販促活動に回せる予算が残っていませんでした。そんな中で、商工会から小規模事業者持続化補助金の活用を勧められ、「一人では難しい」と感じて当事務所にご相談をいただきました。
担当行政書士のコメント
今回のご相談では、依頼者様の「店を変えたい」「次の世代にも愛される町中華にしたい」という想いの強さが最初から伝わってきました。補助金の申請にあたっては、その熱意を「具体的な戦略と数字」に落とし込む作業が最も重要です。
まず、店舗の現状やお客様層、メニュー構成、客単価、ピークタイムなどのデータをヒアリングし、改装によるイメージ刷新と若年層ターゲットへの転換をどう進めるかを明文化しました。補助対象事業としては、新しいLED看板の設置、若者向けメニューの刷新、ホームページの新規作成、Googleマップ対策、SNS広告(Instagram・X)活用、リニューアルオープンチラシの制作・配布などを盛り込みました。
特にWebサイトでは、料理写真を活かした視覚的訴求力と、「昔ながらの町中華+今どきの雰囲気」の両立を目指しました。また、Googleの口コミやLINE公式アカウントの導入など、来店後のリピーター化にも配慮した戦略を組み込みました。
計画書の収支シミュレーションでは、ランチ需要の拡大、テイクアウト商品の導入による新収益源の創出、SNS経由での新規集客を数値的に表現し、現実味と伸びしろを感じさせる構成に仕上げました。結果として、補助金は満額採択となり、事業実施もスムーズに完了しました。
開業後は、以前の常連さんに加えて若年層のグループ客や家族連れの来店が増え、「親子三代で通える中華屋さん」として新たな評価を得るようになったと聞いています。地域密着型の飲食店における補助金活用の好例と言える案件でした。
お客様の声
もともと父の代から続いていた中華料理店を継ぐにあたり、「ただ守るだけでは先がない」と思い、店を思い切ってリニューアルする決意をしました。改装や厨房機器の入れ替えは何とか自分の貯金でまかなったのですが、いざ販促をしようとすると予算が足りず、どうしようか悩んでいました。
そんな時に、小規模事業者持続化補助金の存在を知り、「これが使えたら、もっと理想的なスタートが切れる」と思いましたが、自分一人で申請するのは難しいと感じ、専門家にお願いすることにしました。
こちらでは、私の考えていることをしっかり受け止めてくれて、それをどう書類に落とし込めばいいか、丁寧に教えてもらえました。新メニューのことやSNSの活用、どういう客層を狙っているのかなど、自分の考えを言葉にしていく作業は大変でしたが、計画が形になっていくのが嬉しくて、前向きに進めることができました。
補助金が通ってからは、看板やホームページも新しくなり、インスタを見て来てくれる若い人や、リニューアルをきっかけに久しぶりに来てくれた常連さんなど、いろんなお客様が来てくれるようになりました。今では「親子で来てくれるお客様」も増え、「昔ながらの味」と「今の雰囲気」の両方を評価してもらえるのが本当にありがたいです。
あのとき、申請に挑戦して良かったと思っています。自分一人では到底できなかったので、しっかりサポートしていただいて感謝しています。