※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
依頼者様は、洋菓子専門学校を卒業後、10年以上にわたり有名パティスリーやカフェで製菓・販売の現場経験を積んできた30代の日本人女性です。将来は「自分の名前でお菓子を提供できる店を持ちたい」という強い思いを持ち、長年の修行を経て、いよいよ独立開業を決意されました。
物件は阿倍野区の駅近エリアにある路面店で、昼夜問わず人通りがあり、近隣には大学・専門学校やオフィスも多く、スイーツとドリンクを中心にしたカフェ業態にとって好条件の立地でした。店舗契約・内装・厨房機器の見積もりなどもある程度進んでいましたが、課題は資金でした。
自己資金としては約250万円を確保していたものの、開業に必要な資金はトータルで600万円を見込んでおり、不足する約350万円を日本政策金融公庫の創業融資でまかないたいと考えていました。しかし、「融資が下りなければすべてが止まってしまう」というプレッシャーと、不慣れな書類作成・面談対応への不安から、専門家のサポートを希望され、当方にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
依頼者様は、製菓業界での実績が豊富で、味・品質に対する意識も非常に高い方でした。ヒアリングでは、提供するスイーツの特徴、店のコンセプト、競合との差別化、立地を活かした集客アイデアなど、しっかりとしたビジョンをお持ちだったため、それらを「伝わる計画書」に落とし込むことを意識しました。
まずは創業計画書の構成を整え、開業動機・ターゲット層・販売戦略・SNS活用法などをわかりやすく整理。InstagramやX(旧Twitter)を活用し、開業前からスイーツ製作過程やプレオープンの様子を発信していくプロモーション戦略を計画に組み込みました。
また、収支予測では、食材原価率、人件費、水道光熱費、家賃などを詳細に試算し、損益分岐点を意識した価格設定と日来客数を算定。3か月目以降に安定化するシナリオを構築し、金融機関に対して「再現性と実現可能性」の高いモデルであることを示しました。
特に重要だったのは、商品単価と販売個数の整合性、広告効果と集客目標との連動性、さらには開業後のキャッシュフロー管理です。無理のない予測の中に、本人の努力が活きる設計に仕上げ、金融機関にも高く評価されました。
事前の面談練習では、依頼者様が緊張せずに自分の言葉で話せるよう、「どのような質問がされるか」「どこを強調すべきか」など、ロールプレイを重ねてサポートしました。
結果として、希望していた350万円の融資が満額で通過。内装工事や店舗ロゴ・メニュー作成にしっかり予算を配分でき、スムーズなオープンに繋がりました。
現在は、季節の限定スイーツやイベント企画も実施しながら、地域に根差した人気カフェとしての地位を築きつつあります。
お客様の声
長年夢だった「自分のお店」を開くということは、嬉しい反面、不安の連続でもありました。物件選びや設備、メニューの開発など、やることは山ほどあるのに、一番大事な「お金をどう準備するか」が分からず、とても焦っていました。
創業融資については調べていたけれど、自分で書類を作れる自信がなく、しかも面談なんて考えただけで怖かったです。そんな時に紹介してもらって相談したのが始まりでした。
こちらでは、最初から本当に丁寧に話を聞いてくれて、「どういう風にしたらこのお店の魅力がちゃんと伝わるか」を一緒に考えてくれました。数字の部分もすごく分かりやすく説明してくれて、計画書ができたときには「これなら大丈夫かも」と自信が持てるようになりました。
融資面談も緊張したけれど、事前にしっかり練習していたおかげで、ちゃんと自分の言葉で説明できました。結果的に満額融資が通り、オープン準備も焦らず丁寧に進めることができました。
今では、Instagramを見て来てくれるお客様がたくさんいて、「ここに来るとホッとする」と言ってもらえるのが何よりの喜びです。本当に感謝しています。