※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
今回ご依頼いただいたのは、タイ出身で10年以上にわたり日本で生活し、大阪市内のタイ料理店で長年料理人として働いてきた女性でした。これまでの経験と知識を活かして「本格的なタイの家庭料理をもっと多くの人に伝えたい」という夢を実現するため、独立開業を決意されました。
物件は城東区の駅近くにある商店街の一角。人通りもありながら、家賃が比較的抑えられており、小規模なカフェの開業には最適な条件でした。すでに内装業者との打ち合わせも進み、厨房機器のリース契約も視野に入れていたものの、課題となったのは資金調達でした。
自己資金は200万円程度。開業に必要な初期投資(内装工事費、厨房設備費、広告費、当面の運転資金など)は500万円以上を見込んでおり、残りの300万円を日本政策金融公庫の創業融資で調達したいと考えていました。しかし、融資申請にあたって必要な書類や事業計画の作成方法、面談の対策など、初めて尽くしの作業に大きな不安を感じていたことから、当事務所に相談いただきました。
担当行政書士のコメント
ヒアリングを通じて感じたのは、依頼者様の「味」と「文化」に対するこだわりと誠実さでした。ただ料理を提供するのではなく、現地のスパイスや調味料を使用し、日本人にも親しみやすい味にアレンジしながらも「本物のタイの食体験」を届けたいという情熱がありました。
まずは日本政策金融公庫に提出するための創業計画書の作成から着手しました。開業動機、ターゲット層、メニュー構成、客単価、1日あたりの来客見込み、販促方法などを一つずつ丁寧に掘り下げ、現実的で説得力のある事業計画に落とし込みました。
厨房機器や食材保管設備についても、必要性・価格・調達先・耐用年数などを記載し、「なぜこの設備が必要か」を融資担当者が納得できるように整理。あわせて、InstagramやLINE公式アカウントの開設、周辺住民へのチラシ配布、Googleビジネスプロフィールの整備など、販促面での具体策も盛り込みました。
資金計画と収支予測については、仕入・人件費・家賃・水光熱費をベースに、最初の3か月は保守的な売上予測、6か月後から徐々に成長するシナリオを設定。損益分岐点やキャッシュフローも表にまとめ、金融機関が判断しやすいようビジュアル化しました。
日本政策金融公庫との面談では、事業の概要や経歴の説明だけでなく、「今後の展開」や「リスク対応策」などの質問も想定し、事前にロールプレイを繰り返しました。本人の言葉で話せるようになるまでしっかり練習したことで、当日は落ち着いて自信を持って対応することができました。
結果として、希望していた300万円の融資が満額で承認され、開業準備が順調に進行。オープン後は口コミやSNSでの評価も上々で、ランチタイムを中心に常連客を着実に増やしています。今後はテイクアウト専用メニューの開発や、タイの調味料を使った商品開発にも取り組む予定です。
お客様の声
長い間、日本で働きながら、「いつか自分のお店を持ちたい」と思っていました。でも、いざ準備を始めてみると、想像していたよりずっとお金がかかることに気づき、どうやって資金を用意すればいいか悩みました。
創業融資という制度があることは知っていましたが、申請書の書き方や計画書の作り方も分からず、自分一人では無理だと感じていました。そんなときにWing堂ヶ芝行政書士事務所さんを紹介してもらい、すぐに相談させてもらいました。
最初の面談では、私の話を丁寧に聞いてくれて、「それならこういう形で進めていきましょう」と、すぐに方向性を示してくれて安心しました。売上や費用のことも一緒に考えてくれて、自分でもびっくりするくらい具体的な計画ができました。
日本政策金融公庫の面談はとても緊張しましたが、前もって何度も練習していたおかげで、伝えたいことを自分の言葉で話すことができ、無事に融資も通りました。その後、オープン準備も順調に進み、今はたくさんのお客様にタイ料理を楽しんでもらえて、とても嬉しいです。
Wing堂ヶ芝行政書士事務所さんにお願いして本当に良かったです。一人ではここまで来られなかったと思います。ありがとうございました。