※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
依頼者様は、10代で来日して以来、日本の大学を卒業し、10年以上にわたり大阪市内の飲食店で働いてきたベトナム出身の女性でした。これまでの経験を活かし、「本場のバインミーを日本でも広めたい」という想いを胸に、自分の店を持つ決意をされました。
開業候補地として選ばれたのは、旭区の住宅街にある元うどん屋のテナント。駅からは少し距離があるものの、近くに高校があり、ランチ需要や学生のテイクアウト利用が見込める立地でした。物件自体の家賃も比較的安価で、厨房も最小限の改修で済むため、初めての開業には最適と判断されました。
しかし、内装のリフォーム、看板設置、冷蔵・冷凍庫の購入、食品衛生設備の整備など、必要な初期費用は約600万円。手元の自己資金は200万円程度で、残りをどう調達するかが課題でした。ネットで調べて創業融資制度の存在は知っていたものの、「どうやって申請すればよいのか」「面談で何を聞かれるのか」といった実務的な部分に大きな不安があり、知人の紹介を通じて当事務所にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
ベトナム料理、とくにバインミーは近年日本でも注目されており、一定の市場ニーズがあると判断しました。旭区のエリア特性や周辺の競合状況なども調査し、「地域にない新しい価値を提供できる店舗」としての魅力を事業計画に落とし込む方針としました。
最初に取りかかったのは、融資申請に必要な創業計画書と資金繰り計画の作成です。バインミーの特性上、食材管理や衛生管理の徹底が求められるため、厨房レイアウトや作業導線に関しても細かく整理。冷蔵庫やフードケースの導入理由なども、衛生面の観点から明記しました。
収支計画については、1日あたりの平均販売数、原材料費、テイクアウト用包材費、人件費、家賃、水光熱費などをすべて具体的に積算。月次キャッシュフローを作成し、損益分岐点の明示と、売上の変動リスクに耐えうる資金繰りのシミュレーションも行いました。
さらに、ベトナム人コミュニティとのネットワークや、母国のレシピを活用したメニューの独自性、SNSを通じたベトナム語・日本語両面での情報発信体制など、創業者ならではの強みを伝えることにも注力しました。
日本政策金融公庫の面談に向けては、質疑応答の練習も含めて2回にわたる模擬面談を実施。初めは緊張されていたご本人も、徐々に事業に対する熱意や具体的な準備内容を自信を持って伝えられるようになりました。結果として、500万円の融資が満額で承認され、希望どおりのタイミングで店舗工事・設備導入が進められました。
開業後は、近隣住民の口コミやInstagramの投稿を通じて、予想以上に早く話題となり、週末には1時間待ちの列ができる日もあるとの報告を受けています。今後はUber Eatsなどのデリバリーサービス導入も視野に入れており、次なる展開も期待できる状態です。
お客様の声
お店を持つのが私の夢でしたが、資金のことでとても悩んでいました。自己資金だけでは足りないし、銀行から借りるのは難しいと思っていたときに、「創業融資」という制度を知りました。でも、何から始めればよいか、どうやって審査に通ればいいか、まったく分からず、不安でいっぱいでした。
そんなとき、知り合いに紹介してもらったのがWing堂ヶ芝行政書士事務所さんでした。最初の相談からとても丁寧に説明してくれて、私の事業計画を一緒に整理してくれました。数字の出し方、面談で伝えるべきこと、必要書類の準備など、すべて一つずつ丁寧にサポートしてくれて、本当に助かりました。
特に良かったのは、私の母国の文化や料理をきちんと理解してくれたことです。バインミーの魅力を伝えるために、レシピや食材の説明まで一緒に考えてくれました。日本政策金融公庫の面談では、緊張しましたが、事前にたくさん練習したおかげで、無事に話すことができました。
今は、自分の店で毎日バインミーを作って、お客様に「美味しい!」と言ってもらえるのがとても嬉しいです。オープンしてからはSNSでも取り上げられて、たくさんの人に来てもらえるようになりました。Wing堂ヶ芝行政書士事務所さんがいなかったら、この夢は叶わなかったと思います。本当にありがとうございました。