※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご相談者様は、韓国で調理師資格を取得した後、来日してから20年以上にわたって大阪市内の焼肉店や韓国料理店で勤務されてきたベテランの調理人でした。もともと料理が得意で、プライベートでは親しい友人に韓国家庭料理をふるまう機会も多く、将来的には自分の味をもっと多くの人に楽しんでもらいたいという想いを強く持っていたとのことです。
開業場所として選んだのは、大阪市生野区の住宅街の一角。近くには在日韓国人が多く暮らす地域があり、食文化に理解のあるエリアであることに加え、近隣に手頃な物件があったことが後押しとなりました。ただし、開業にあたっては内装工事費や業務用厨房機器の購入費、最初の食材・備品の仕入れ費用、営業許可取得にかかる整備費用など、合計で約700万円以上の初期費用が必要となる見込みでした。
自己資金としては300万円程度を準備していましたが、それでは全体の費用をまかなうのは難しく、金融機関からの融資を検討されました。しかし、創業計画書の作成方法や、融資審査における重視点などについては不安があり、信頼できる行政書士に相談したいとのことで、当事務所にお問い合わせをいただきました。
担当行政書士のコメント
初回の面談では、まずご本人のこれまでの職務経歴や料理への情熱、なぜこの立地を選んだのかといった背景を丁寧にヒアリングしました。韓国家庭料理というジャンルは、近年日本でも注目を集めている一方で、本格的な家庭の味を出すお店は多くなく、地域での需要が十分見込めると判断できました。
事業計画書の作成にあたっては、ご本人の経験や調理スキルをしっかりと反映させることを第一に考えました。調理師資格の保有、過去の勤務歴での実績、提供予定メニューの具体性など、審査担当者が「安心して融資できる」と思えるだけの裏付け資料も準備しました。
また、売上計画については1日あたりの平均来客数と客単価を根拠に設定し、平日・週末それぞれの変動を加味した月間売上予測を提示。人件費や家賃、食材費などの固定費・変動費を明確に算出し、利益率の見込みや損益分岐点の説明にも力を入れました。
ご本人は日本語が堪能でしたが、専門用語の理解に不安があるとのことで、創業融資制度の仕組みから提出書類の記入方法、必要な添付資料のチェックリストなど、すべて韓国語訳付きのサポート資料を用意し、安心して準備を進めていただけるよう配慮しました。
また、公庫の面談に向けては、想定される質問に対する回答の練習や、ご本人の強みをしっかり伝えるためのスピーチ構成のアドバイスも実施。結果として、希望していた500万円の融資が満額で承認され、内装工事・厨房機器の設置・開業準備を無理なく進めることができました。
現在では、近隣住民だけでなくSNSを通じて遠方から来店するお客様も増えており、リピーターの獲得にも成功しています。ランチタイムのテイクアウト需要も堅調で、当初計画の月売上目標をすでに超えるペースで推移しているとの報告を受けています。
お客様の声
ずっと「自分の店を出したい」と思っていたのに、いざ本当に準備を始めてみると、いろんな壁にぶつかって不安になりました。とくにお金のことは心配で、どうしたら必要な資金を集められるか、分からないことだらけでした。
創業融資のことは知っていたけど、書類の書き方が難しいし、日本語でも専門的な言葉が多くて、自分だけで進めるのは不安でした。そんな時、知り合いの紹介でWing堂ヶ芝行政書士事務所さんに相談してみたところ、とても親切に話を聞いてくれて、「大丈夫、一緒に準備しましょう」と言ってもらえて、すごく安心できました。
一つずつ丁寧に教えてくれて、書類も一緒に作ってくれて、本当に心強かったです。公庫の面談のときも、前もって質問の練習をしていたので、落ち着いて話すことができました。無事に融資が決まって、工事も順調に終わり、予定どおりにお店をオープンできました。
今は毎日忙しいですが、お客様が「おいしい」「また来るね」と言ってくれるのが本当に嬉しいです。このお店を始められて、本当に良かったです。もしあの時、行政書士さんにお願いしていなかったら、ここまで来れなかったと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。