※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様はかねてよりお菓子作りと紅茶に強い関心を持ち、長年にわたりパティスリーと紅茶専門店で勤務されてきた経験を活かして、「焼き菓子と紅茶のマリアージュを楽しめる小さなカフェを開きたい」という目標を温めておられました。家族や友人にも試作品を提供しながらメニューを練り上げ、Instagramなどを通じて支持者も少しずつ増えており、ついに物件探しを本格化されました。
開業地として選ばれたのは大阪市西淀川区。落ち着いた住宅街と、子育て世代やシニア層の居住が多い環境で、「おやつ時間にホッとできる空間を提供したい」というご本人の考えにもマッチしており、駅から徒歩圏内の好立地に小規模ながら温かみのある空きテナントを発見されました。
ただし、物件取得費、内装工事費、厨房機器の導入費、開業告知にかかる広告費を含めると、当初見込んでいた自己資金だけでは賄いきれない状態となり、日本政策金融公庫の創業融資を活用した資金調達が必要不可欠となりました。一度は自力で申請書類に取り掛かろうとされたものの、書類作成の内容に不安を感じ、近隣でサポートしてくれる専門家を探したところ、当事務所のホームページをご覧になり、正式にご相談いただきました。
担当行政書士のコメント
ご本人は飲食業における実務経験が非常に豊富であり、何よりもご自身の「好き」を明確に言語化できる方でした。ただし、それを金融機関向けの創業計画書という書式に落とし込むことが難しいという課題がありました。まずは、事業の全体像を一緒に整理し、開業の目的、メニュー構成、ターゲット層、立地の特徴、そしてどのような収支見込みで運営していくのかを、実務に即した形で言語化していきました。
売上のシミュレーションでは、平均客単価、1日あたりの想定来店数、曜日ごとの波、仕入れコストと人件費のバランスを含めて、現実的な数値設定を行いました。焼き菓子は保存期間が比較的長いため在庫リスクが低い点、紅茶は原価率が安定している点など、業態としてのメリットも計画書に盛り込みました。厨房機器や店舗改装にかかる設備投資についても、すでに取得済みの見積書や内装業者とのやり取り内容を反映させ、必要な費用の根拠を明確に提示しました。
また、創業動機については「趣味を仕事にする」というだけではなく、「地域に根差した交流の場を作りたい」という社会的な意義も含めて記述し、面談においても自信を持って語れるよう想定問答の作成と練習を行いました。ご本人はもともと話し方も柔らかく丁寧な方であり、緊張しやすい傾向はあったものの、練習を重ねるうちに自然体で話せるようになっていきました。
結果として、金融公庫からは「計画の完成度が高く、立地と業態が地域ニーズと一致している」と評価され、希望額での満額融資が決定。必要な機器や備品の購入、店内装飾やメニューブックの制作、さらには地域のフリーペーパーへの広告出稿まで、予定していた準備をすべて整えることができました。
開業後は「焼き菓子と紅茶専門」という希少性と、店舗の温かみある雰囲気が支持され、口コミとSNSを中心にじわじわと人気が拡大。地域住民の憩いの場として、平日午後のティータイムを中心に安定した来店が見られるようになり、リピーターの比率も高まっています。
お客様の声
ずっと「いつか自分のカフェを持ちたい」と思っていたのですが、実際に開業しようと動き出すと、予想以上にお金がかかることを痛感しました。自分で貯めた資金だけでは不安が大きく、融資を受けなければ実現できないと感じ、日本政策金融公庫の創業融資を使うことを考え始めました。
書類を集めたり、創業計画書をダウンロードしてみたりしたものの、何を書けばいいのか分からず、すぐに行き詰まってしまいました。ネットで「西淀川区 創業融資 行政書士」で調べていて、Wing堂ヶ芝行政書士事務所さんのホームページを見つけ、「飲食店に強い」という説明を見て連絡しました。
初回の面談からとても丁寧に話を聞いてくださって、「こういう風に考えを整理して書けばいいんですね」と、自分の中でも考えがはっきりしていく感覚がありました。計画書を一緒に作っていく過程で、自分のやりたいお店の姿がより具体的にイメージできるようになって、本当にありがたかったです。
面談の練習もしてもらい、本番でも落ち着いて話すことができました。無事に融資も通り、内装や厨房機器の準備ができて、お客様を迎える環境が整いました。今では地元のお客様がふらっと立ち寄ってくださって、「居心地が良い」と言ってもらえるのが何より嬉しいです。支えてくださった行政書士さんには心から感謝しています。
