※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
ご依頼者様は、もともと調理師として長年ホテルやカフェで働いており、植物性食材のみを使った料理の可能性に惹かれ、数年前からビーガン料理の専門的な研修やイベント出店を積極的に行ってこられました。環境負荷の低減やアレルギー対応など、時代のニーズに合った食の提供を通じて「社会にも健康にも良いレストランを自分の手で立ち上げたい」という想いを強く抱くようになり、開業を決意されました。
出店場所として選ばれたのは、大阪市天王寺区の中でも人通りが多く、若年層や女性層の集客が期待できるエリアです。物件はすでに内見を済ませており、契約も視野に入れた段階でしたが、内装や厨房機器の導入費用、広告費、仕入れなどの初期投資を含めると自己資金だけではまかなえず、創業融資による資金確保が不可欠な状況でした。
一度は自力で日本政策金融公庫のサイトから様式をダウンロードしてみたものの、創業計画書の作成や、希望金額の根拠の提示、見積書の準備などに不安を感じ、「どこから手をつけていいかわからない」とのことで、専門家のサポートを求めて当事務所にご連絡いただきました。検索ワードは「天王寺区 創業融資 行政書士」だったそうで、当事務所のホームページを見つけていただいたことがきっかけでした。
担当行政書士のコメント
ご本人は事業に対する熱意と明確な構想をお持ちでしたが、それを第三者である融資担当者に伝える「書類」と「口頭説明」の両面をどう整えていくかが課題でした。今回は、日本政策金融公庫の創業融資制度を利用するにあたり、特に事業の新規性と将来性を強く訴求する必要があると判断し、徹底的な計画書の構築と事前準備を進めました。
まず最初に、創業計画書の土台となる骨子を整理し、ターゲット層や店舗のコンセプト、営業スタイル、席数、回転数、客単価などを数値として表現しました。とりわけ、ビーガン対応という特色を持つメニュー構成については、周辺エリアの飲食店との差別化ポイントとして大きな強みとなるため、その訴求ポイントを丁寧に記載しました。
次に、売上・利益のシミュレーションと資金繰り表の作成に取り組みました。初月から半年間、1年間の見込み売上と必要経費を算出し、それに基づいて希望融資額の妥当性と返済可能性を示しました。厨房機器の導入や内装工事にかかる費用は、事前に業者から見積を取り寄せ、それらを添付資料として用意。特に、設備費が高額になりがちなビーガン対応の調理器具については、代替案も含めて比較資料を準備することで、融資担当者の納得を得られるように工夫しました。
さらに、ご本人がもっとも不安を感じていたのが「融資面談」でした。そこで、よくある質問をベースにした模擬問答集を作成し、事業内容・資金の用途・競合との差別化・見込み売上・失敗した場合のリスク対処など、あらゆる角度からの質問に答えられるよう、数回にわたってロールプレイを実施しました。緊張しやすいというご本人の性格に合わせて、回答内容を簡潔に、でも要点が伝わるよう言葉を整えたことも、安心材料になったようです。
最終的に、希望していた満額での融資が実行されました。設備の導入やオープン告知、試食会イベントの実施などに資金を充てることで、店舗は予定通りオープン。SNSを活用した情報発信にも力を入れた結果、オープン初日から多数の来店があり、地域情報誌などでも取り上げられるなど、非常に好調なスタートを切ることができました。
お客様の声
ずっと「自分のお店を持ちたい」と思っていました。でも現実には、資金のこと、書類のこと、融資のこと、分からないことばかりで、どこから始めたらいいのか本当に悩んでいました。日本政策金融公庫のサイトを見ても、自分の言葉で計画書をまとめるのは難しく、途中で何度も諦めかけました。
そんなときに、Wing堂ヶ芝行政書士事務所さんのホームページを見つけて、思い切って相談しました。最初の面談で、「大丈夫、一緒にやっていきましょう」と言ってくださったことがすごく心強くて、それだけで気持ちが前向きになれたのを覚えています。
私の想いや構想を、数字や書類に落とし込む作業を全部丁寧に手伝ってくださって、面談の練習も何度もしていただきました。当日は緊張したものの、しっかりと準備していたおかげで、安心して受け答えができました。無事に融資も通り、おかげさまでお店を予定通りオープンすることができました。
今は、ビーガン料理に興味を持ってくださるお客様が増えていて、「こういうお店が欲しかった」と言っていただけることがとても嬉しいです。夢を実現できたのは、一緒に伴走してくださった行政書士さんのおかげです。本当にありがとうございました。