※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
Y様は韓国出身で、日本に長年在住されている永住者の方です。大阪市内の韓国料理店などでの勤務を経て、「韓国スイーツやドリンクを提供する本格カフェを自分で運営したい」との思いから、都島区の路面店でテナントを契約。2024年夏に韓国カフェを開業されました。
開業時は自己資金と一部の親族支援により最低限の設備と内装を整えたものの、問題となったのが「販促費用」でした。SNSやGoogleマップ上の情報は掲載していたものの、ターゲット層への認知が進まず、当初の見込みより集客が苦戦していました。近隣へのポスティングチラシや看板、Web広告などに取り組むためには追加費用が必要で、融資の追加借入は避けたかったことから、小規模事業者持続化補助金の活用を検討。情報収集の末、補助金申請の実績が豊富な当事務所にご相談をいただきました。
担当行政書士のコメント
小規模事業者持続化補助金は、地域の商圏に根差した事業者が行う販路開拓や業務効率化にかかる費用の一部を支援する制度で、補助率は2/3(上限50万円※条件により変動)と中小零細企業にとって非常に有効な支援策です。
ただし、申請には事業計画書・補助対象経費の明細・商工会議所の事前確認書などが必要で、提出書類が多く、採択率を高めるためには「計画性・実現性・地域性」をうまく説明する必要があります。特に外国籍の方の場合、書類作成において日本語表現のニュアンスや補助金審査上のアピールポイントを捉えきれないケースが多く見受けられます。
まずY様との打ち合わせでは、店の特徴や顧客層、開業からの反響、現在の課題などを丁寧にヒアリングしました。韓国本場の伝統スイーツ「ホットク」や「ピンス(かき氷)」を日本風にアレンジして提供する点や、韓流ドラマの世界観を演出した内装など、強みとなる要素が多数ありました。
そこで、補助事業の目的を「地域住民およびZ世代女性層への効果的な認知拡大とリピーター獲得のための販促活動」と設定。対象経費としては、店舗前の案内看板設置費用、Instagram広告費、Googleリスティング広告、店頭チラシ作成・印刷・ポスティング費用を中心に設計しました。
補助事業計画書では、都島区の居住人口・来街者数の統計、近隣カフェの価格帯比較、SNS上でのエンゲージメント分析なども盛り込み、単なる「広報したい」ではなく「どういう層に何を狙って届けたいのか」を明確に構築。さらに、Y様の日本での飲食店経験や、日本語での接客対応が可能である点を信頼性として強調しました。
申請書類一式の作成とともに、所轄の大阪商工会議所都島支部との事前確認も当事務所が同行。その場での確認事項や修正点も即時対応したことで、申請直後からスムーズに受理され、結果として初回申請で無事採択されました。
補助金の交付決定後は、速やかに広告業者と連携し、チラシ配布やSNS広告を展開。現在では来店客数が安定して増加し、若年層からも「インスタで見た」「チラシで知った」との声が多数寄せられているとのことです。
お客様の声
韓国で小さな店をやっていたことがありましたが、日本で自分のカフェを開くのは夢でした。都島区で場所を見つけて、いろんな人の協力でオープンできたのですが、やっぱりお客さんに知ってもらうのが難しかったです。
補助金のことは聞いたことがありましたが、自分で申請するのは難しいと思っていました。でも、行政書士の先生に相談したら、すごく丁寧にわかりやすく教えてくれて、一緒にどうやってお店の良さを伝えるか考えてくれました。計画書や数字のところも全部サポートしてくれて、とても心強かったです。
採択されたときは本当にうれしかったです。あのとき諦めなくてよかったと思いました。今は、お店のインスタを見て来てくれる人も増えて、前よりにぎやかになってきました。こういうチャンスを作ってもらえて、本当に感謝しています。