※本事例は個人情報の観点からモデルケースとして地域や一部内容を変更して記載しています。
ご依頼の経緯
R様はネパール出身で、約10年前に来日され、長年にわたり大阪市内の食品輸入会社や飲食店で勤務経験を積んでこられました。日本語も非常に堪能で、日本の生活やビジネス文化にも精通されており、将来的には自身で店を持ちたいという目標を明確に持っておられました。特に住吉区エリアには在日ネパール人や南アジア系住民が増加傾向にあり、母国のスパイスや米、食材などを求める声が強いことを実感していたため、地域密着型のスーパーマーケット開業を構想されていました。
事業アイデアを実現するために、まず必要となるのが経営管理ビザであることを調べたR様は、ビザ申請の流れや要件の複雑さに不安を感じ、当事務所にご相談されました。面談時点では、資本金の準備はほぼ完了していたものの、事業計画書の作成やテナント契約、法人設立、必要書類の整備などについては不明な点が多く、「どの順番で何をすればよいのか分からない」という状態でした。そこで、経営管理ビザ取得までの流れを段階的にご案内し、全体のサポートをご依頼いただくことになりました。
担当行政書士のコメント
経営管理ビザの申請において最も重要なのは、「事業の実現性」をいかに具体的かつ説得力をもって書類で表現するかです。R様はこれまでの勤務経験から、仕入れルートや販路、人材確保の方法などを具体的に理解しておられ、計画の内容自体には非常に実効性がありました。ただし、それをビザ審査に耐える形に落とし込むためには、形式・内容の両面で慎重な書類作成が求められました。
まず、法人設立については、商号・目的・本店所在地・役員構成・資本金などの項目を精査し、公証人との打ち合わせや定款認証を経て、速やかに登記を完了しました。法人名義の銀行口座も早期に開設し、資本金500万円の入金を確認して、事業の実態性を裏付ける準備が整いました。
続いて、事業計画書の策定に着手しました。大阪市住吉区周辺の人口動態や外国人世帯の増加傾向、近隣の競合店舗との違い、取り扱い商品や価格帯の特色、売上見込み、仕入原価、営業利益、固定費などを細かく数値化した収支予測表を含め、合計15ページ以上に及ぶ資料を作成しました。また、店舗の契約については、用途地域や建築基準法の観点からも問題ないことを確認し、契約書・賃貸借契約書・店舗の平面図や写真・内装工事の見積書などもすべてビザ申請書類に添付しました。
加えて、R様のこれまでの職務経歴書や、前職の会社からの推薦書、納税記録、日本語能力証明などもすべて網羅し、出入国在留管理局に対して「誠実な人物であること」「十分な知識と経験があること」「事業に対して真剣であること」を多角的に伝える構成としました。
最終的に、申請から約1ヶ月半で在留資格認定証明書が交付され、R様は就労ビザから経営管理ビザへ無事に変更されました。現在では、大阪市住吉区内でアジア系食材に特化したスーパーマーケットを経営されており、地域の外国人コミュニティや飲食店オーナーからの注文も増加傾向にあります。
お客様の声
自分で店を持ちたいという気持ちは日本に来てからずっと持っていました。でも、ビザの申請や会社の設立、店舗の契約など、全部一人でやるのは無理だと思っていました。そんなとき、行政書士の先生に相談して、本当に一からすべてを助けてもらえて、夢が現実になりました。
特にビザのことは、何が必要で、どのように説明すればいいのかが全く分かりませんでしたが、先生が分かりやすく説明してくれて、資料も一緒に作ってくれたので安心でした。申請が通ったときは本当にうれしかったです。
今は住吉区で毎日たくさんのお客様が来てくれて、母国のスパイスや食材を買ってくれるのを見て、本当にやってよかったと思っています。これからももっと商品を増やして、地域に役立つ店をつくっていきたいです。ありがとうございました。